「太ったね」と言われても拒食・過食に走らない理由

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

「太ったね」
「ぽっちゃりしたね」
「ふっくらして、前より元気そう」

摂食障害時代、何度こういう言葉を言われたことでしょうか?

こうした言葉は、摂食障害に無知な親戚からだけではありません。

臨床心理士と臨床心理士の卵しかいない大学院でも、あらゆる場面で、何度も言われていました。

当時は、「ぽっちゃりしたね」と言われるたびに、隠れて泣いて泣いて、帰宅してまた泣いて。

体重が回復した自分を恨んだり
自暴自棄で過食したり。。。

そんな状態が何年も続きました。

そして、今の私ならどう反応するかというと、、、

◾︎その1

「太ったね」

「うん。太ったよ(笑)。30kg台じゃ、私は生きていけないよ(笑)」

◾︎その2

「ぽっちゃりしたね」

「うん。相変わらず顔は丸いし、運動してないから、全然引き締まってないしね(笑)。」

◾︎その3

「ふっくらして、前より元気そう」

「でしょー!!前より、ずーっと元気!嬉しい(笑)」

こんなリアクションをすると思います。

実際、拒食時代の最低体重と比べれば、現在の体重は10kg以上多いです。

「体重が増えた」を「太った」と捉えるなら、
「太った」のは、事実です。

だから、「うん、太ったよ」と答えるのです(笑)。

太ったことは事実だけれど、だからといって特に困っていません。

むしろ、拒食時代よりも、ずっとずっと楽しい生活です。

もし、拒食時代の体でずっと生活していたいか?と問われても、絶対イヤです。

つまり、、、

周りの言葉に、キズつくかどうかは、体重の問題ではありません。

自分が、自分に、どう思っているか、です。

体重が何キロだろうと、自分より軽い人も必ず見つけることでしょう。

体重が何キロだろうと、自分の身体に100%満足しているとは限りません。

「太ったね」と言われてキズついた時こそ、向き合うのは心なのです。

キズつく気持ちにも
悲しくなる気持ちにも
イヤになる気持ちにも

向き合って、感じていくことです。

「太ったね」と言われて、急に食事制限をしたり、絶食したりすれば、再び摂食障害の負のループにハマっていくだけです。

心と向き合う。
心を感じる。
そして、心を許す。

「太ったね」と言われても、いつか笑って返せる日が来るから。

大丈夫!

食べることが、フツーになる過程と感覚は、コレと同じです。
誰もが幼い頃に練習したもの。