優等生の摂食障害:「頭がイイだけ」「治っただけ」では仕事にならない

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

カウンセリングでお会いしているクライアント様(ご本人)は、ほぼ全員が優等生(または元・優等生)です。

・痩せている時ほど、成績がどんどん上がっていった人
・優等生としての行き詰まり時に摂食障害を発症した人
・ご両親を喜ばせるためだけに勉強に励んできた人
・「優等生の自分」だけが「自分」だった人
・「成績がイイ」など、「●●できること」という条件付きの自信の人・・・etc.

いろんなタイプがあります。
多くの人が、いくつものタイプを持ち合わせています。

優等生という肩書でうまくいっていた時は、
それなりに生きていけるかもしれません。

でも、学生時代にはかならず「終わり」が来ます。

頭がイイだけでは仕事になりません。
そして、摂食障害が「治っただけ」で仕事がもらえるわけでもありません。

摂食障害だった頃の私も、大きな勘違いをしていました。
治ること自体が大変だったので、
「治ったら、何もかもうまく行く!」といった幻想を抱えていたように思います。

それで、就職活動全敗で、「世の中」を痛感したのです。
その頃の様子は、こちらに記載しています。

先日、とても印象的な本を読みました。

信頼している知人のメルマガで紹介されていたので、早速手に入れました。
発行から年数が経っているため、新品は見つからず、図書館で取り寄せました。

目次だけでも、とても印象的な言葉の数々が並んでいました。
一人の女性がトレーニングを受けながら、さまざまな人と出会い、変身していく姿に、一緒にドキドキしながら読み進めていきました。

中でも印象的だった言葉があります。

稼ぐために必要なのは、資格でも英語力でもPCスキルでもない。

<自分が持っている稼ぎ力の種を”お金”に転換するための力>なんだよ

摂食障害で何もかもうまく行かなくなった時、
職場ストレスに悩んだ時
将来どうしよう!?と思った時

つい、資格を取ることに集中してしまいがちです。

資格ではなくても、多くの優等生たちがもっているのが「学歴」です。

上記の言葉を借りるなら、こう言い換えられると思います。

稼ぐために必要なのは、学歴ではない。

<自分が持っている学歴を”お金”に転換するための力>なんだよ

いかがでしょうか?

学歴も
優等生として生きてきた自分も
すべて「稼ぎ力の種」です。

けれど、「お金に転換」する力がなければ、
それらは何も生み出してはくれないのです。

周りの「いいなり」になって生きてきませんでしたか?
家族の敷いたレールの上を歩んでいませんでしたか?
「何がやりたいか?」を考えるよりも、周りが言う「安全な道」を選んでいませんでしたか?

私は、優等生・元優等生で摂食障害に悩む人達は、十分な「稼ぐ力の種」は持っていると思っています。

テスト勉強に励んだ時間も
計画を立てて取り組んだ学生生活も、
遊んでいる人から距離を置いて過ごした日も、
物事の全体の内容を把握する力も、
細部までミスがないように徹底的に見直した経験も、

ぜーーーんぶ、「稼ぐ力の種」なのです。

でも、今持っている学歴・稼ぎ力の種を、摂食障害によって、つぶしてしまっていませんか?

ホントは、自分の中にあるのに、
ホントは、ちゃんと持っているのに、

自分には何もないと思い込んでいたり
痩せていないと認められないと、痩せにしがみついたり
人のことを羨ましがってばかりいたり
「足りない、足りない」と資格習得ばかりに励んだり・・・etc.

すべてが逆方向に行ってしまっていませんか?

・・・

摂食障害が治ること。
それは、とてつもなく難しく、別次元のことのように感じるかもしれません。

けれど、摂食障害が治っても、「治っただけ」で「稼ぎ力」が身につくわけではありません。

何をどう仕事にしていくのか。
どんな仕事なら、摂食障害に逆戻りすることなく続けられるのか。
摂食障害から仕事を開始する適切なタイミングとは・・・

摂食障害の症状ゼロになることだけが、ゴールではありません。
摂食障害の症状ゼロになることは、社会生活のための必要最低条件です。

その上で、何ができるのか、何をしたいのか。
じっくり、しっかり、深く話し合っていくこと。
それが、摂食障害専門カウンセリングが目指すカタチなのです。