避けていた食べ物が食べられるようになる時

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

食べられないものが、どうしたら食べられるようになるんですか?
食べられるようになったきっかけはありますか?
元々好きだったものが、治ったら、また好きに戻りますか?

こうした疑問はとてもよくあることと思います。
また「何をどうしたら・・・」というお気持ちは良く分かりますが・・・
摂食障害の本を読んでも、あまり書いていないことかもしれません。

まず、ビフォーアフターとしての「アフター」を写真と共に説明していきます。

先日のパスタ屋さん^^
まずは、サラダです。お腹が空いていたので、すぐにパクパクと(笑)。美味しかったです^^

一見、ヘルシーに見えますし、野菜だけだから摂食障害の頃でも、抵抗ないでしょ!?と思われがちです。

でも、摂食障害の頃の私は、こうしたものも食べませんでした。
理由は、油。

サラダのドレッシングは、ノンオイルでないと食べない!
ノンオイルドレッシングが無ければ、食べない!
もしくは、注文時に「ドレッシング無しで」と伝える。伝え忘れた時は、激しく後悔する・・・

といった状態でした。

■そして、パン。
ちょっと変わった形が、なんだか可愛かったです^^
オリーブオイルがかかっていて、美味しくいただきました。

これも摂食障害の頃なら、当然食べなかったものです。

パスタとパンで、ダブル炭水化物なんて、ムリ!
オイルなんて、絶対ムリ!

パンそのものは好きでも、
真っ白いパンは「太る食べ物」としして避けていました。

■パスタ
エビのオイルパスタ。
ちょっと塩味で、さっぱりした美味しいパスタでした!

パスタも・・・
摂食障害の頃は、ずーっと避けていた食べ物です。

パスタ=太る
オイル=太る

絶対ムリ!みたいな。。。

■最後のデザート
シフォンケーキは、かなりしっとりフワフワでした^^
自分では焼いたことが無いので、シフォンケーキを食べる機会は今も昔もかなり貴重です。

こうしたデザートも悩みどころでした。
今、食べていいのか。
高カロリーのお昼を食べたのに、デザート食べていいのか。
延々と悩んで嫌になる自分がいました。

摂食障害がもっとひどい頃は、「感じない」状態だったかもしれません。。。

食べられるようになった理由は?

このブログではいつも書いていますが・・・
一言でいうなら「心が変わったから」です。

心が変わり、
生き方が変わったからです。

以前「普通という枠組みが辛かった」という話を書きました(詳細はこちら)。
これが、不登校をはじめとする私自身の生きづらさだったと思います。

「普通という枠組み」を当てはめたのも両親ですが、
「普通ではない私」を1番最初に受け入れたのも両親なのです。

働けない自分でもいい。
上手くいかないことばかりの自分でもいい。
ずーっと治らない時期も、「治る」と信じてくれた家族がいたのです。

回復後のほうが、より一層、『治ると信じていてくれたこと』の重みを感じています。

痩せていなくてもいい
少食でなくてもいい
食べてもそれなりの体型でいられる
1kg減るより、生活が楽しいほうがイイ・・・etc.

何年も何年もかけて、行ったり来たりしながら、
時に症状をぶり返しながら、いろんな価値観を作り直していったのです。

一旦、普通に食べられなくなった人間にとって、
食べるって、カンタンなことじゃない。

「普通に食べる」を取り戻していく作業は、カンタンなことではありません。
でも、取り戻した後は、普通に食べることもフツーになって、それが本当に良かったと思っています。

食べられるようになった「きっかけ」は?

確かに・・・イロイロありました。

一人で、ふとパスタを食べてみようと思った時。
友人と一緒の外食の時。

いろんなきっかけはあったのかもしれません。

けれど、「きっかけさえあれば・・・」と考えるのはとても短絡的で間違いです。

「きっかけだったかも」と気づいたのは、
食べられるようになった後、いろいろ振り返って考えた時です。

きっかけだけで、心が変わるほど、摂食障害の心はカンタンでは無いのです。

元々好きだったものが、「好き」に戻るのか?

はい。
これは、ほぼ断言できます。

カロリーで排除していたもの、
「太る食べ物」と決めつけていたもの、
これらは、回復と同時に、元々の好き嫌いに戻っていきます。

だから、どうか思い出してみてください。

ケーキを食べて楽しかった日々を。
ファーストフードを食べながら喋り続けていた時間を。

心が変わって、本当に回復していくと、そんな日々も再び当たり前になるのです。
摂食障害は「治ることが当たり前!」。私がそう信じる理由があります