カウンセリングで摂食障害が回復に向かう道のり。何が、どう変化していくのか?

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

心って目に見えないからこそ、
分かりにくく、

心が変わるって言われても、
何がどう変化していくのか

何をどうすることが
変化につながるのか

全然わからなくて、
ますます摂食障害の闇迷路に入り込んでしまう方も多いようです。

私も説明の方法をイロイロ考え続けてきました。
最近、思いついた例を使いながら、「摂食障害の心が変わる」についてお届けします。

*お断り*
以下の通り「左利きの人」を例として記載いたしますが、左利きの方の生活はあくまで、私の中の想像ですので、予めご了承ください。
また、私個人としては、特に「左利きは直さないといけない」とは思っておりません。左利き・右利きは、人それぞれです^^

【摂食障害の心が変わる】とは、
左利きの人が、右利きになりたい!とカウンセリングにお越しになって、
右利きでの生活が自由にできるようになるまでのプロセス、と考えます。

カウンセリング開始時

左利きの人が、
「どうしても、右利きになりたい!」
「右手も自由に使えるようになりたい!」
「両利きになったら、どんなにイイんだろう!」

こうした気持ちで、カウンセリングにお越しになります。

そこで、充分に話し合いが行われます。

「どうして、左利きじゃダメなんですか?」
「右手を、絶対に使えるようになりたい理由って何ですか?」
「いつから、左利きを変えたい・直したいと思うようになりましたか?」

さらに、覚悟を確認します。

「長年、左利きだった生活から、右利きにするには相当時間がかかりますが、それでも希望されますか?」

「右手を使おうと思っても、うまく行かなくてイライラしたり投げ出したくなったりする時期が必ずありますが、大丈夫ですか?」

「途中、『どうしてもっと早く直さなかったんだろう?』とか、『幼いころ、親が直してくれていたら違ったのに!』とか、いろんな感情が沸いてくる可能性があります。それでも、やりたいですか?」

これらすべてがOKだった場合、初めてカウンセリングが開始になります。

カウンセリング経過

(1)最初はやる気いっぱいで始まります。

ちょと右手が使えて、うれしかったこと。
左手が出そうな自分に、パッと気付いたこと。

たくさんの嬉しい報告でいっぱいになります。

(2)途中、行き詰まりがあります。

行き詰まりとは、誰もが経験する、上手くいかない時期です。
この時期、周囲への「怒り」として表れることが多いです。

「右手でご飯を食べていて、こぼしたら、周りから笑われた!」
「小学生の頃に、右利きに直してくれていたら、今こんなに苦労しなかったのに!」
「右利きに変わろうと頑張っているのに、誰もほめてくれない!」
「この方法で、ホントに右利きに変われるんですか!?」
「左利きって、そんなにダメなんですか!?」

すごい怒りですよね^^;;

自分で自分のために直そうとしているにも関わらず、
誉めてもらえないと、気持ちが落ちてしまう。

だれも、「左利きがダメ」なんて一言も言っていないのに、
人のせいにして、怒りをぶつけてしまう。

自分で選んだ「直し方」にも関わらず、
その方法すら疑ってしまう・・・etc.

(3)さらに諦めの気持ち

こうした気持ちから立ち直れなくなってしまうと、諦めたい気持ちがだんだん沸いてきます。

「左利きの人だって、たくさんいるじゃないか」
「別に、左利きだった、生きていけるじゃないか」
「どうせ、今更、右利きになろうって思うこと自体、ムリなんだ」

途中には諦めが沸く時期があってもイイです。
でも、立ち直らない限り、前には進みません。

こうした状況でのカウンセリングでは、

・カウンセリング開始時の気持ちを思い出してみよう
・今まで、左利きでイヤだったことは?
・右利き(もしくは両利き)になった時、何がやってみたい?

初心に戻ることや
ゴールを再確認することに時間を費やします。

こうした作業が、前に進むこと以上にとても大事だと思っています。
まだまだ先は長いのですから、目先の進歩よりも、全体のモチベーションを上げることが先決です!

(4)立ち直った後も、一進一退

「よし、もう1度頑張ろう!」

そうした気持ちが沸いて、再び「左利きを直す」ことに取り組み始めます。
でも、気持ちはグラグラ。

上手くいったり、行かなかったり。
頑張ろうと思ったり、頑張りたくなくなったり。

一進一退を繰り返す時期があります。

(5)変化を実感しはじめる時

練習し続けている限り、必ず成果は現れてきます!

以前より、右手でうまくご飯が食べられた!
友達から、ほめられた!
両手が使えるって、便利!

そんな気持ちが、さらに「左利きを直すこと」を加速させます。

カウンセリング卒業

右手を使うことに、不自由がなくなった生活が続いた時、
右手を使うことに、ストレスを感じなくなった時、

半年間くらいの安定を見守ってから、【卒業】になります。

おめでとう^^
よく頑張りました!

・・・・

ここまでお読みいただいて、どんなお気持ちになっているでしょうか?

少しでも、カウンセリングの中身や経過が伝わるといいなと思って、左利きの例でお伝えしました。

私の意図することが、本当に伝わるかどうか、正直ドキドキしています。

左利き=摂食障害や摂食障害の心

です。

上記の例の通り、

摂食障害を治したい!と言ったのは、
あなた自身です。

数ある摂食障害治療の中で、治療法を選んだのも、
あなた自身です。

上手くいかない時、怒りが沸いたり。
上手くいかないからこそ、諦めたくなったり。

摂食障害の自分を正当化してしまったり。

カウンセリングの経過の中には、いろんな時期も感情もあります。
そのすべてを含めて、心が変化していく過程なのです。

このブログ記事では、便宜上、「●●の時期」といった記載を致しました。
ですが、実際の心というのはもっと複雑で繊細で見えないモノです。
なので、時期が混ざり合うことも、行ったり来たりすることが多いことも、予めお断りしておきます。

さらに、カウンセリング経過の個人差はとても大きいです。

1つの時期が、とても長い方や
何度も同じ時期を繰り返す方や、
すごいスピードで時期を過ぎ、卒業に至る方まで、様々です。

私が書いている考え方も、
私が提供しているカウンセリングも、
世の中にある摂食障害の治療法の1つにしかすぎません。

ですから、これが全てではありません。
また完璧でもありません。

大切なのは、あなたが納得した方法・治療者を選ぶことです。

選んで、早く治ってください。
早く、普通の体型・普通の食生活・普通の社会生活を取り戻してください。

私は、ムダな治療に費やした時間をとても後悔しています。
せっかくのアドバイスを台無しにした実話
今だから、言えること。