過去の感情を親に伝える?伝えない?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

摂食障害の回復途中、家族との間で、たくさんのバトルがありました。

けれど、家の中で、平和が戻ってくると、私の摂食障害もだんだん治っていきました。

少し前のメルマガ「過去の感情が爆発するとき」を読んでくださった読者さんからご質問をいただきましたので、ご紹介します。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

先生は、過去のいろいろな感情が沸いた時、親に伝えて良かったと思いますか?
そして、伝えるときは、直接会って話すことが大切ですか?

私は、いろいろな感情が沸いた時、ノートに書いていますが、口では中々伝えることができません。

先生が親と真剣に向き合って、良かったと思うことがあれば、教えていただきたいです。


*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。

ご質問をありがとうございます。

これは、治療者の中でも、賛否両論あります。

直接言わなくても、治療場面(カウンセリングなど)で話していくことで解決できるという考えもあります。

また、摂食障害の治療であっても、親子関係を取り上げない治療者のほうが多いのかもしれません。

私は、私自身の経験でも、心理学の視点からも、「直接、言う派」です。

理由は以下の3つで、お届けします。

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1.言わなきゃ分からない

2.伝え方・言い方のスキルアップ

3.私の経験談:話してよかったこと

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1.言わなきゃ分からない

もう、親なんて、どうでもいい。
会わないようにすればいい。
距離を取れば、話さなくて済む

こうした考えは、とてもよくあります。
ですが、多くが、早すぎる諦めのように感じています。

例外的に、親との直接のやり取りはなしでもOKと思えるのは・・・

あなた自身が新しい家庭を築く段階です。

もちろん、新しい家庭・新しい家族関係には、これまでの家族関係も影響しているのですが・・・

親子関係をやり直すことにかけるエネルギーよりも、
これからの家庭に力を注いでほしいと思うからです。

けれど、こうしたタイミング以外で諦めてしまうのは、早すぎではないでしょうか?

言っても通じないかもしれません。
でも、言わない限り、伝わることはありません。

言っても、何も変わってくれないかもしれません。
でも、言わずに、自然に変わる可能性はほぼゼロです。

今、あなたが摂食障害と向き合おうと思うのなら、
今、あなたのモヤモヤした気持ちを、伝えていきませんか?

伝えることで、心が傷つくこともあります。
伝えることで、一層ツラくなることもあります。

それでも、あなたが1番分かってほしい相手とは、ご家族ではないでしょうか?

2.伝え方・言い方のスキルアップ

これは、沢山の失敗を重ねた上で、はじめて身につくスキルだと思っています。

今、何かを話そうとするとき、「分かってほしい」ばかり主張していませんか?

辛かったこと
ガマンしてきたこと
ホントは言いたかったこと

これらを、「分かってほしい」とだけ、言ってしまっていませんか?

「分かってもらえた」と実感すること自体、なかなか難しいのです。

なので、言いたいことを伝える際の最大のポイントは、

「して欲しいことを、具体的に言う」です。

例えば・・・

◆その1◆

幼い頃、すごく寂しかったことを分かってほしい

 ↓

幼い頃、ずっと寂しかった。
だから、今は、少しでもいいから、一緒に話す時間を、毎日作ってほしい。

◆その2◆

いじめられて辛かったことを、分かってほしい

 ↓

いじめられた時、ホントはちゃんと話を聴いてほしかった。
今は、学校に行けない・上手く食べられない状態でも、ちゃんと話聴いてほしい。

◆その3◆

ずっと、お母さんの愚痴ばかり聞かされて嫌!

 ↓

お母さんの愚痴を聞くのがツライ。
言う相手は、娘の私じゃないはず。だから、言える・相談できる相手を、自分で見つけてほしい。

いかがでしょうか?

カウンセリングで、とてもよくあるのが、「その3」の例です。
摂食障害の娘さんが、お母様の相談相手・慰め役として、生きている印象がとても強いです。

そして、私自身も、その1人でした。

「分かってほしい」だけでは、家族は「何をどう分かってあげたらいいのか」が分かりません。

なので、具体的な行動を、ハッキリ伝えることで、ご家族にとっても「今、出来ること」が伝わるのではないでしょうか?

3.私の経験談:話してよかったこと

ストレートに言うなら・・・

話さなければ、母は勘違いしたままだったと思います。

自分の正当化
過去を流す生き方

私が、あえて言わない限り、母は過去を振り返って、じっくり考えるチャンスが持てなかったと思います。

何度も何度も、大バトルをしてきました。
何年も何年も、家の中が荒れ続けていました。

そして、何年も、摂食障害が治らないままでした。

それでも、心と向き合うこと、家族と向き合うことだけは、辞めませんでした。

なぜなら、それが私の摂食障害が訴えていることだったからです。

食べるのが大好きだった自分が、食べられなくなる経験。
甘いものが、楽しい対象ではなく、過食対象変わってしまう経験。
1番ラクな場所であるはずの家が、最悪の場所に感じる経験。

これらは・・・

学校でのイザコザよりも
将来への不安よりも

私にとって、命をかけて訴えたい何かがあったから、起こった現象だと考えます。

それは、過去を清算するということでした。

だから、何年もかかったけれど、やり続けてよかったと思っています。

その後に、「摂食障害が治る」という変化が起こりました。

摂食障害の治療者には、それぞれの考え方・やり方があります。

あなたが、どのタイミングで、どの治療者を選ぶかは、自由です。

ですが・・・

摂食障害とは、心の病気であること。
食欲とは、本能であること。

この2つを、どんな時も忘れないでいてほしいと思っています。