「休んでいいんだ」と納得して摂食障害を回復?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

休むこと
治ること

摂食障害真っ最中には、
とても想像ができないかもしれません。

でも、治ると今とは違う世界が広がるのです。
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今回のご質問の読者さんも、きっと未来を描きたいけど
描けない・・・
そんな状態かなぁと推測しながら回答を書いていきたいと思います。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

綾子さんは、
「今はゆっくり休んでいいんだ!」
「また楽しく食事ができるようになる!」
「将来笑って暮らせる!」と、

どのようにして自分を納得させて回復にむかっていかれたのですか?

ご質問をありがとうございます。

ストレートに言えば、希望なんて無かったですね^^;;
希望ゼロ、絶望100%みたいな状態が長かったです。

でも、必死でがむしゃらの生き方を続けてきて、
そのままで摂食障害も治ると思っていたので、
ずーっと上手く行かなかった時、

全く別の方法に変えるしかなかったんです。

それが、完全休養という時期でした。

摂食障害の回復には、完全休養が必須ではないかと思っています。
その理由を中心にお届けします。

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1.回復にも、エネルギーが必要

2.「新しい自分作り」は、リニューアルオープンと同じ

3.「休めば治る」「辞めれば回復する」は勘違い

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1.回復にも、エネルギーが必要

休養期間なしで、摂食障害の回復を目指してしまったり
今の状態を「だましだまし」続けてしまう方がとても多いです。

摂食障害だった私も、そんな1人でした。
そして、主治医からこう言われた時、初めて気づいたことがあります。

・・・・

摂食障害が回復するには、物凄いエネルギーが必要だったと思う。
そんな中、大学院の勉強も就職も諦めずに、よくやってこれたね

・・・・・

転院10回の後に受診した
心療内科での初診時の言葉です。

回復を認めてもらえたのも嬉しかったですが、
それ以上に、「回復するためにエネルギーが必要」という
考え方が、とても新鮮でした。

そして、今、たくさんのクライアント様の様子からこう感じています。

相当なエネルギーを注がない限り、回復は難しい、と。

休まないで治ろうとするのは、
フルマラソンを走りながら
心と体のケアをしようとしているとの同じです。

走りっぱなしの時に、
筋肉の状態をみることはできません。

動き続けている時に、
自分を客観的に見つめることはできません。

だから、休んでこそ、回復のスタートラインに立てるのです。

休む勇気ありますか?
休むというリスクを背負ってまでも、治りたい!という気持ちはありますか?

2.「新しい自分作り」は、リニューアルオープンと同じ

冒頭に書いている通り、
私が完全休養した際、特に希望はありませんでした。

でも、何も出来なくなったのです。

就職活動しようと思っても
履歴書が書けなくなり
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電車に乗ると頭痛がしたり、動機がしたり・・・

「もう辞めよう」

辞めてどうなるかなんて、全くわかりませんでした。
辞めたら、もっと就職が難しくなるとは思っていました。

それでも、何も出来なくなったのです。

私の場合、元々の体力が無いほうなので、
早い段階で、気づく・やめることが出来ました。

でも、多くの摂食障害の方は、
元々の体力があったり
さらにムリを続けたりして
「休む時期」」が大幅に遅くなってしまっているようです。

摂食障害が治ることは、
新しい自分作りです。
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過去の自分に戻るのではなく
全く新しい自分をゼロから作りあげていく作業です。

ちょうど、お店のリニューアルオープンと同じです^^

一旦、閉店して
内装と取り壊し
何も無い状態から
もう一度、壁を塗り、インテリアを考えていく

そして、提供するメニューも作り直していくかもしれません。

治ることは、リニューアル。

一旦、何もかもゼロになることで、
立ち止まることが出来ます。

一旦、立ち止まることで、
あなた自身が走り続けてしまった過去に気付きます。

ゼロから作りあげるためには、
多くの時間が必要なのです。

でも、作りあげ、再オープンした時、
きっと、そこには大きな笑顔とステキな未来があるはずです。

3.「休めば治る」「辞めれば回復する」は勘違い

「休めば、治りますか?」
「仕事辞めたのに、回復していかないんです!」

こうした声は、とてもよくあります。
同時に、とてもよくある勘違いです。

休学・休職
退学・退職・・・

いろんな方法があるかと思いますが、
「それだけ」で自動的に摂食障害が回復すると思い込んでしまっていませんか?

摂食障害とは、そんなカンタンな病気ではありません。

辞めた後、
休むと決めた後、
あなた自身が、どう過ごしていくか。

そこに、治るか治らないかの全てがかかっているのではないでしょうか?

休むことは必要です。
でも、「休むだけ」で治るのではありません。

「休む」ことも、間違った休み方であれば、ストレスが大きくなってしまいます。

身体だけ休んでいるのに、
頭は仕事のことを考え続け
心は不安でいっぱいになっていませんか?

今、あなたはあなたの将来のために休んでいくのです。
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忙しすぎた生活を振り返り
誰かのためにムリしてきた自分をなぐさめ
自分に正直に生きていく決意をしていく作業・・・etc.

これは、1日2日で出来る作業ではありません。
また、1人で悶々と考え続ければ上手くいくことではありません。

じっくりと本当に治る道に向かいたいのであれば、
じっくり話を聴いてくれる治療者(医師・カウンセラー)との出会いが大切です。

じっくり話して
じっくり考えて

戸惑う自分
休むことに抵抗を感じる自分
すぐにイライラする自分
周りと比べて焦る自分
自分の価値を感じられない自分・・・etc.

そんな嫌いな自分も
ドロドロした心の闇も
信頼できる治療者の前でなら、話せるようになるのかもしれません。
こういう気持ちが沸いても、私は絶対に怒らないですから^^