心療内科のカウンセリングを嫌がる娘に、待っていてもいい?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

娘が治そうとしないんです!
娘が病院を拒否するんです!
娘が病気のままでいたいと言うんです!
hospital-908436_640
こうした声は、お母様方からとてもよくあります。
たしかに、娘さんを目の前に、とてもツライ状況かとは思いますが・・・

忘れがちなことを、見直していくチャンスでもあります。

ご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

心療内科のカウンセリングを嫌がる娘には、
病院には行く気になるまで待っていてよいでしょうか?

ご質問をありがとうございます。

メールの文章だけのご質問なので、
すべては分からないですが・・・

文面から推測すると、
ちょっと勘違いもあるかなぁと思います。

勘違いについての解説を含め、以下の3つから考えていきます。

=======================

1.心療内科って、何をするところ?

2.カウンセリングが「合わない」場合とは

3.お母様にできること、やり尽しましたか?

=========================

1.心療内科って、何をするところ?

摂食障害は、心の病気だから、
「心」って書いてある、心療内科に行こう!

心療内科の先生なら、きっと優しく話を聴いてくれるはず!

学校から紹介された心療内科なら、
安心なはず!

そんな期待を抱いて、「心療内科!心療内科!」と
思っていないでしょうか?

たしかに、心療内科という言葉は
精神科よりずっと敷居が低い印象があると思います。

また、心療内科というイメージは、
とても優しく穏やかかもしれません。

ですが・・・

実際の中身を知っていますか?
question-marks-2215_640
心療内科の中身は、かなり千差万別です。

心療内科だから、「内科」ばかりの経歴の医師だったり、
薬中心で、「話を聴く」が無かったり
たくさんの患者で待ち時間だけでぐったりしたり
心というのは名ばかりで、体重測定だけが「治療」だったり

いろーーーんな心療内科があります。
私は、10回転院しています。

大抵のクリニックは、精神科と心療内科の両方を記載しています。
また、◯◯科・◯△科・心療内科といったように、
心療内科「も」診れる、という意味していることもあります。

また、「心療内科=カウンセリング」ではありません。

心療内科の中には、カウンセラーが常勤している場合もありますが、
すべてのクリニックにカウンセラーが居るとは限りません。

心療内科に行ったら、
カウンセリングを受けれる、というのも違いますし、

カウンセリングを受けるには
心療内科に行かなければ・・・というのも違いますし、

心療内科に行ったからといって、
カウンセリングが必要と判断されるとは限りませんよね^^;;

だからこそ、
受診前の準備は、とても大切なのです。

そして、あなた自身が、「心療内科」に何を求めて、
どんな治療者と出会いたいのか、書き出していきませんか?

2.カウンセリングが「合わない」場合とは

カウンセリングという言葉の響きは、
かなり魅力的だと思いますが・・・

カウンセリングが「合わない場合」もあることは
ご存知でしょうか?

カウンセリングのやり方が合わない場合と
カウンセリング自体が合わないタイミングがあります。

■カウンセリングのやり方が合わない場合

これは、カウンセリングの流派ともいうべき「やり方」についてです。

1人ひとりのカウンセラーは、
異なった考え方を持っています。

勉強してきた背景も異なります。
何より、摂食障害をどう理解しているかは、大きく違います。

そのため、カウンセリングのやり方は千差万別です。

・日常的な問題解決で、短期治療を目指したり
・幼少期からの親子関係のやり直しを家族ぐるみで取り組んだり
・絵画や遊びを取り入れて、心の問題と向き合ったり・・・etc.

これらは、カウンセリングを受けるあなた自身が、
事前にしらべ、吟味し、自分に合うか合わないかを見極めていく必要があります。

だからこそ、「カウンセリング」という一括りにしてしまうことに
リスクを感じるのです。

ちなみに私が行っているカウンセリングは、
家族関係から摂食障害という病気の発症を捉えてます。
family-469580_640
摂食障害に悩んでいる状態は、
これまでの無理な頑張りの結果であり、
無理な頑張りをしなければいけない「何か」があったことと考えます。

そのため、家族関係の改善こそが、症状の回復につながり、
また社会適応にもつながっていくと考えています。

■カウンセリング自体が合わない場合

これは、心身の状況とカウンセリングのタイミングです。

よく言われるのは、
低体重すぎる場合です。

低体重で命がキケンな時に、
心とじっくり向き合っていく余裕はありません。

命がキケンであれば、否応なしに
命を救う治療が優先される必要があるのです。

だからこそ、「カウンセリングさえ受ければ!」という
考え方を、見直していきませんか?

3.お母様にできること、やり尽しましたか?

「娘を、病院につれていかなければ!」
「病気なのに、治りたくないなんて!」
「入院になってもいいの!?」

家の中で、毎日のようにこんな母娘バトルが飛び交っていませんか?
それなのに、摂食障害の娘さんは一向に動こうとしない・・・

よくあるパターンです^^;;

だからこそ、お母様自身が動くタイミングなのです。

家族の中で、たった1人、本気で取り組む人がいれば、
かならず何かが変わり始めます。

お母様が、その1人になってください。
flower-399409_640
お母様は、摂食障害という病気では無いかもしれません。
けれど、何らかの「生き辛さ」を抱えていないでしょうか?

お母様は、食べることは自由かもしれません。
けれど、誰にも話せない苦しみで、心が押しつぶされそうになっていませんか?

だから、お母様自身が、治療者と出会ってみてください。

お母様が、話すことでラクになる経験を重ねていくこと。
お母様自身が、自らの生き方と向き合い、見つめ直していくこと。

これは、決して1人だけで出来る作業ではありません。

だから、治療者(医師・カウンセラー)が必要なのです。
何から始めたらいいか迷ったら、こちらの記事をどうぞ。