過食嘔吐の娘、学校は本人がやりたいようにさせておけばいいでしょうか?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

学校に行く・行かない
不登校という問題だけではなく

摂食障害という心理状況があってこそ、
学校という問題が大きくのしかかってくることがあります。
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今回のご質問をご紹介させていただきます。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆娘が1年程前から摂食障害で、現在は過食嘔吐(嘔吐は落ち着いてきている)です。

学校もしばらく休んでいましたが、本人が行くと言うので行きはじめました。

気分もムラがあり、こちらが振り回されます。

無理に学校に行かなくてもいいようにも思いますが、
本人は進学や勉強が気になっているようです

本人がやりたいようにさせておけばいいのでしょうか?

ご質問をありがとうございます。

摂食障害と学校問題。。。

とてもとてもよくあるお悩みです。
私は、学生さんのクライアント様には、
大学卒業までに帳尻を合わせることを、意識しています。

つまり、大学卒業するまでは、
休学、退学、転校、留年、浪人など、
あらゆる手段を使ってOkだと考えています。

理由は。。。
バレないから。

一旦就職して辞めると、
履歴書に書く必要があります。
転職先の面接で、理由を問われることは必須だと思います。

けれど・・・

2浪3浪の人は世の中にいます。
就職浪人という言葉もあります。

だから、今、学生なら、
そうした「守られた期間」をフル活用して、
大学卒業までにはフツーの人になってほしいと願っています。

前置きが長くなりましたが、以下の3つから考えていきます。

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1.お母様が納得していますか?

2.体は欠席、心は「休めない」

3.進学以外の不安に気づいていますか?

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1.お母様が納得していますか?

言葉よりも
対応よりも
接し方よりも

お母様が、お母様の心と向き合ってみてください。

本音本心で、「行かなくていい」と思っていますか?

よその子が進学校で活躍しているのが羨ましかったり
「やっぱり大学くらいは行かないと!」と思っていたり
お母様自身に、学歴コンプレックスがあったり

そうした心境にもかかわらず、「行かなくてもいいのに…」と言っていませんか?

その場合、摂食障害の娘さんが感じているのは、お母様の言葉ではなく、お母様の気持ちです。

言葉を変えるのは、カンタンです。
接し方だけを変えるのは、表面的な変化でしかありません。

お母様の気持ちは、本当に変わりましたか?

変わった上で、「行かない」という選択に納得していますか?

2.体は欠席、心は「休めない」

すごくよくある事ですが…

ずーっと学校を休んでいても
ずーっと会社を休職していても

摂食障害の回復につながっていかない人がいます。

それは、心が休めていないからです。

行けない自分を責め
友達からのメールにソワソワして
制服が怖くなって

心は、いつもビクビクし続けてしまう。。。

だから、「心の休み」が、どこにも無いのです。

今の登校再開は、「行きたい」から行っているのでしょうか?

それとも、「行かなければ…!」という必死の想いで行っているのでしょうか?

摂食障害の娘さんに、問いただす必要はありません。

お母様は、娘さんが登校再開した際、この違いを感じていましたか?
登校だけを、手放しで喜んでしまっていませんでしたか?
家の中に「心が休める環境」は、ありましたか?

登校再開しても、
いつ休んでもいい
行けれない日があってもいい
行けれなくても、ダメな娘じゃない

そんなメッセージを、心から伝えていきませんか?

3.進学以外の不安に気づいていますか?

摂食障害に悩む人のほとんどは、現役の優等生か、元・優等生です
優等生の今、
優等生だった過去、

周りからは、いつも良い評価ばかり伝わってくるはずです。

丸丸は、しっかりしてるね!
うちの娘にも、見習って欲しいわ。
何でも出来るってスゴイ!

いつの間にか
こんな言葉が当たり前になっていたかもしれません。

当たり前だからこそ、
「優等生以外の自分」になってしまうのが、怖くてたまらないのではないでしょうか?

そんな計り知れない恐怖を、お母様は感じとっているでしょうか?

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摂食障害だった私も、同じように悩んできました。

優等生だった自分
留学して「スゴイ!」と言われた自分

それなのに、
家では暴言を吐き
食に振り回され
泣き叫んでばかり。。。

優等生な部分しか知らない人は、
きっと摂食障害の私を、想像できなかったことと思います。

そして、自分の中にあるギャップこそ、私は、本当に苦しみました。

しっかり者の自分と
暴言ばかりの自分

きちんとしている自分と
ドタキャンを繰り返す自分

優等生な自分と
無気力な自分

ホントは、どっちが「自分」なんだろう?

一体、何が「自分」なんだろう?

「自分」って、ホントに存在するのかなぁ?

果てしない問い
埋まらないギャップ

これが、周りから理解されないまま、長年抱え続けてきた苦しみでした。

・・・

勉強が遅れるから
受験に間に合わないから

だから、学校に行くようになったんだ・・・

こんな理由だけで、簡単に片付けてしまっていませんか?

摂食障害の娘さんの心には、
きっと複雑で言葉にできないほどの葛藤があるのです。

お母様が、分からないことがあってもいいです。

でも、「分からない」で終わりにしないでください。
「分かろう」とするアプローチを、ずーっと続けて欲しいのです。

摂食障害のココロを分かろう、寄り添おうとするなら、コレも1つの方法かもしれません。