摂食障害の転院をする際、大変なことは?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

心がツライから摂食障害になったのに、
摂食障害が治らなくて悩んでいるのに

摂食障害の治療法に悩み続けたり
主治医と上手くいかずに、さらに悩んだり
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私自身もイロイロ経験してきました。

摂食障害がなかなか治っていかない理由の1つは、合う治療法・治療者と出会うことが難しいことが挙げられます。

今回のご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

綾子先生がいつも言われるよう、よき治療者と出会うことの大切さを感じています。また難しさも。

先生が病院を変える際には、紹介などではなく、
自分から通院をやめて、自分から他の病院へ行った、ということでしょうか。

その際、大変なことはなかったですか。
もし意見があれば、教えていただけると嬉しいです。

ご質問をありがとうございます。

私も、すごく悩み続けてきた事です。

どんなタイミングで転院するのか?
今の転院が、正しい判断なのか?
摂食障害の人は、「ふつう」、どんな気持ちで通院しているのか?
摂食障害だと、どんな診察が「ふつう」なのか?
私は、この先生で治っていくのか?
この病院に通い続けた場合、どうなるのか?

転院する・しないを悩んでいた時に、こんな疑問が沢山ありました。

でも、どんな本を読んでも「摂食障害の転院について」という話題は、
見当たりませんでした。

そのため、主治医と上手くいかなくなる度に、
ものすごく悩んできました。

また転院10回を振り返って気づくことも、沢山あります。

摂食障害の治療法に悩むすべての方に、
じっくり考えてみて欲しいことを3つにまとめました。

===================

1.受けたい治療を、ハッキリさせる

2.治るために、取り組んできたことは何ですか?

3.続ける覚悟は、ありますか?

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1.受けたい治療を、ハッキリさせる

転院を繰り返してしまう理由の1つに、
「受けたい治療がハッキリしていないこと」が挙げられます。

Aという治療法がイイと聞けば、
A治療法を探し求めたり

知り合いがB医師のもとで治ったと聞けば、
B医師以外ダメと感じたり

C療法がイイと本で読めば、
C療法以外では治らないと思い込んでしまったり

これは、情報だけに振り回されてしまっている状態です。

まずは、ハッキリさせましょう。

あなたは、どんな治療法で治りたいですか?
あなたは、どんな治療者と出会いたいですか?

あなたが、受けたい治療、その条件をぜひ、書き出してみてください。

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書くことで、何かがクリアになり
書くことで、求めているものがわかるかもしれません。

摂食障害だった頃の私は、こうした事を考えずに、
ただただネット検索に明け暮れていました。

私自身で考えていなかったから、

心の問題と分かっていたのに、
サプリメントを大量に摂食するのがイイと思えてしまったり

通い続けるのは、絶対ムリと分かっていたのに、
東京の有名な医師のもとに行けば治るんじゃないか?と思ったり、

大学院生の研究対象になりがちだと分かっていたのに、
大学付属の相談室が魅力あふれる場所に思えたり

今から振り返ると、当時の浅はかな考えに恥ずかしいくらいです。。。

結果的に、、、ではありますが、
最後の心療内科になったクリニックに転院する前は、
真剣に考えるようになっていきました。

通えるところ
じっくり話を聴いてくれるところ
摂食障害の専門では無いところ・・・etc.

たぶん、実際にはもっと沢山の項目があったと思いますが、
記憶が曖昧になりつつあります。

「通える」は、地下鉄で不便がないところ、という意味だけでなく、
予約の時間を守ってもらえところ、という意味もありました。

「じっくり話を聞いてくれる」という項目は、すごく難しいです。。。

話を聴いて欲しいけど、心理士はイヤ、、、

自分が臨床心理士の卵だったため、
いつ同期やOBに会うかビクビクしていました。

なので、「じっくり話を」については、
診察時間を判断材料にしていきました。

初めての予約(初診)を取る前に、電話で質問していました。

・初診は、何分か
・再診は、何分か

この時大切なのは、再診の時間を確かめておくことです。

あと、医師が複数いる場合は、初診と再診を担当する医師が
異なる場合もありますので、それも要チェックです。

初診は、大抵、どこの病院も時間をかけますが、
再診は5分以内と決めている病院もあります。

また、摂食障害の専門をあえて避けていたのも、理由があります。

勝手なイメージですが、
体重管理が厳しそうだからです。

以前、知人が通っていたクリニックは、
かなり有名で、摂食障害に力を入れていました。

聞いた限りの情報ではありますが、
エンシュアを出されて、体重チェックして終わり・・・という診察でした。

その記憶が残っていたので、
「摂食障害の専門を外す」と意識していました。

また、紹介状については、
書いてもらったこともありますし、紹介状無しで転院したこともあります。

2.治るために、取り組んできたことは何ですか?

コレ、すごく大事です。

・こんなにツライんだから、どーにかして!
・とにかく気持ちを分かってほしい
・誰かにすがりたい・・・etc.

こんな気持ちばかり先立っていないでしょうか?

では、あなた自身が治るために行動してきたこと、挙げれますか?

本や講演会も、取り組みの1つと言えるかもしれませんが・・・

「読んだ」「聞いた」だけで、
あなたの日常生活は、何か変わっているでしょうか?

もし、これまで取り組んできたことが何も挙げられないのであれば、
今からやってみてください。

転院前に、「これまでの経過」を書き出してみることです。

私は、カウンセリングのお申し込み時に、とても大切にしています。

いつ
どこで
どんな治療を受けて
どう思ったのか

摂食障害の年数が長いほど、
1つ1つ思い出すことに時間がかかります。

だからこそ、「時間」をかけ、
あなた自身の治療の「棚卸し」をして欲しいのです。

転院前であれば、治療に取り組む前段階かもしれません。

前段階に向きあってこそ、
本格的な治療にも、向き合う準備ができるのでは無いでしょうか?

そして、転院した後は、1回1回の受診の前にも「準備」をして
ほしいと思います。

漠然としゃべっていても
どこに向かっているのか
分からなくなります。

最近の様子をまとめたり
今、困っていることを書き出したり
今、解決したいことをハッキリさせたり・・etc.

あなたの治療ですから
あなたの人生をかけた治療ですから
あなた自身で、ちゃんと向き合っていきましょう。

3.続ける覚悟は、ありますか?

続ければ、変化が期待できることは沢山あります。
続けなかっただけで、失敗と決めつけてしまうことは、
もったいないことではないでしょうか?

私は、摂食障害のカウンセリングでは、
小さな変化を生み出すために、最低1年と思っています。
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摂食障害の治療を続けることは、
時間的、金銭的にも、たくさんの労力が必要です。

私自身も、相当、費やしてきました。

でも、治ったあとは、費やしてきた労力をはるかに上回る
「ラクに生きていける自分」が手に入るのです。

治ったら、
人目を気にすることなく
やりたい・行きたいという自分の気持ちを軸に生きていくことが出来ます。

治ったら、
やりたい仕事をして
自分のお金を稼ぐことができます。

食べたいものを自由に選び
着たい服をきて
出かけたい場所に出かけ
自由な時間を過ごせるのです。

そのために、摂食障害が治る必要があるのです。

今のあなたに、続けるという覚悟はありますか?
目先の効果だけを求めず、じっくり取り組む決意はありますか?
私は、続ける人こそ、こちらでお待ちしています。