母に食べることを強制したり運動制限させてしまいます

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

家族に食べさせる。

「お母さんが沢山食べてくれないと、私が食べられない!」
「まわりの人が沢山たべると、私が安心するの」

こうした言葉を、何度聞いてきたでしょうか。。。
flowers-1346097_640
摂食障害カウンセリングを開始してから、
こんな声を、とてもとても多くいただきます。

一方で、こうしたことを一切要求しないクライアント様も、
たくさんいらっしゃるのです。

私自身も、親に食べさせるとか、食事量を比べることが
全くありませんでした。

もちろん、私の理解は、まだ完璧にはほど遠いですが、
分かる範囲で、今回の回答も書いていきたいと思います。

今回のご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

母親との関係がうまくいかず、
食べることを要求したり運動制限させてしまったりしてしまいます。

気持ちを分かって貰えない辛さが大きくて、
憎しみや復讐じみた気持ちが沸いてきて止められません。

母が、「憎しみを持たせるような事をしたり言わなければ良くなる!!」と、思うのは自分勝手でしょうか?

やはり、いつまでも受け身でいることが治らない原因の1つなのでしょうか!?

ご質問をありがとうございます。

本当にむつかしい問題であり、
かなりデリケートな話題でもあります。

冒頭に記載しました通り、私の理解もまだまだ不十分です。
そのことをご了承の上、以下の考えるヒントをお読みいただければと思います。

====================

1.「分かってもらうため」に、何をしてきましたか?

2.母と娘、変わるのはどっちが先?

3.お母さんが病気になったら、どうしますか?

======================

1.「分かってもらうため」に、何をしてきましたか?

摂食障害カウンセリングでも同じような声をいただきます。

「分かってくれない」
「分かってもらえない」

摂食障害を一般的な人に理解してもらうことは、
とても難しいと感じています。

正確に言うなら「摂食障害という病気」への理解以上に、
「摂食障害に悩む心理」への理解は、本当に困難です。

そのため、「分かってくれない」と感じることも、
私には理解できます。

同時に、もう1つ疑問が沸きます。

「分かってもらうため」に、何をしてきましたか?
bouquet-of-roses-1246490_640
きっと、多くの方が、この質問には何も答えられないはずです。

そして、いつの間にか「察して欲しい」ばかりになっていませんでしたか?

こんなに辛いんだから、分かってくれて当然!
こんなに怒っていることも、分からないの!?
こんなにイライラすること、分かるでしょ!?

そんな激しい感情と共に、
あなたは、いろんな「行動」に出てしまっていませんか?

物に当たり
人に当たり
自分を傷つけ・・・

拒食・過食も広い意味で言えば、自傷行為と考えています。

「分かってもらう」ために出来ること。
きっとあるはずです。

それを見つけていくこと。
試行錯誤を続けていくこと。

これらも、あなたが「今、出来ること」ではないでしょうか?

2.母と娘、変わるのはどっちが先?

お互いに押し付ける傾向があるようです。

摂食障害の娘さんは
「お母さんが変わってくれないと、私は治らない!」と叫び、

摂食障害の娘さんを持つお母様は、
「病気なのはあなたなのに、なんで母親の私のせいなのよ!」と怒りが沸き・・・

いつもいつも、相手を責めて、相手を変えようとしてしまう。。。。

これが続いている間は、
口論ばかりで、摂食障害という病気の回復は難しいかもしれません。

私は、摂食障害の娘さんとお母様のどちらが先でもいいと思っています。

どちらが先でもいいので、
どちらか一人が本気になってください。

例を挙げます。

・・・・

コップの中に、無色透明の水があるとします。

濃いピンクが1滴落ちただけで、
水の色は、変化していきます。

変化せざる得ないのです。

・・・
つまり「濃いピンクの1滴」が、
「変化した人」です。

変化した人が、家族の中で一人でもいれば、
家全体が変わらざる得ないのです。

どちらが先でもいいです。
けれど、少しでも早く、「言い訳」を辞めて
変化を初めて欲しいなと思っています。

3.お母さんが病気になったら、どうしますか?

「家族に食べさせてしまう」

こうした声は、摂食障害カウンセリングでもいただきますが・・・
現実問題として、考えているでしょうか?

食べさせ続けた結果、
もし、お母様が病気になったらどうしますか?

あなたは、それを望んでいますか?

病気になって、お医者さんから理由を尋ねられた時、
「実は・・・娘は、私が食べないと怒るんです」と
答えている姿、想像していますか?

どうか、向き合ってみてください。

お母様が病気になってしまった姿
入院している姿、
主治医の先生に答えている姿・・・

リアルに想像してみてください。

今のあなたは、それを望んでいるでしょうか?

きっと、違うはずです。

暴言は、いくら言ってもいいと思っています。
私は、暴言を決して悪いことだとは思っていません。

なぜなら、「言葉だけ」だからです。

本来は、もっと上手く言いたいことを整理して
穏やかな口調で伝えたいと、あなた自身も思っていることでしょう。

けれど、「上手く伝える」が今は出来ない状況なら、
暴言になろうと、伝えることを諦めないでいる姿勢が、
私はすばらしいと思うのです。
言葉で伝えられるようになると、食の症状も消えるのですから。