【摂食障害のご家族向け】家の中を「楽しくしない」から回復につながる

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

摂食障害でかわいそう!
ツライのだから、なんでもやってあげないと!
これまで我慢させてきたから何でも買ってあげる!

こんなふうに接してしまうご家族がとても多いです。

そして、とてもよくある【勘違い】が、家を遊園地のようなエンタテイメントにしてしまうことです。

頻繁に親子でお出かけして
何でも買ってあげて
家の中が、ずーっとぬるま湯状態。。。。

ご家族の間で、何でも言える関係になっていくことは大事です。
でも、「何でも言える」ことは、「なんでも言いなりになること」とは別です。

家の中が、安心・安全な場所だと感じられる状態になることは必要です。
でも、【冷めないぬるま湯】をずーっと続けてしまっていませんか?

ご本人が困っていない限り、摂食障害の回復は始まりません。

けれど、ご家族の役割とは、家の中で困らない状態を与えてあげるのではありません。

ご本人のチカラで、どうやったら抜け出せるか、考えるチカラを育むことなのではないでしょうか?

■摂食障害の勘違いから脱出!「向き合う」ためのコツ

(1)安心・安全の環境にバタバタはNGです!

(2)物質だけ満たしても、心は動かない

(3)回復には、特別な楽しみよりも「向き合う自分時間」

(1)安心・安全の環境にバタバタはNGです!

家の中、ゆったりしていますか?
のんびりした時間が流れていますか?

きっと多くのご家庭では、そうではないはずです。

さらに・・・

「家の中の居心地がいいから、この子は治ろうとしないんだ!」という【勘違い】も多いです。

そうしたお母様方は、急にお仕事を再開されたり、
急にこれまでのお仕事の時間を増やされたり・・・

これは、逆効果です!

安心・安全な環境とは、ずっと変わらない状態です。

私は、お母様方に、【ただ、居てほしい】と思っています。

声を出せば、すぐ聞こえる場所。
何かを頼もうとすれば、すぐ頼める安心感。

摂食障害のゴールにたどり着く前に、環境を変えることは悪化を招く可能性が高いです。
環境とは、引越しではなく、ご家族が忙しくなることも含みます。

ゆったり・のんびりした環境の中でこそ、お母様も「待つ」ことができるのではないでしょうか?

「待つ」とは、何もしないことではありません。
「待つ」ことは、片手間でカンタンに出来ることでもありません。

もう1度「待つ」ことを考えてみて欲しいのです。

(2)物質だけ満たしても、心は動かない

家族の「お出かけ」や美味しいランチが、心と向き合っていると言えるでしょうか?

モノやお金で、心は満たされません。

心は、ご家族が満たしてあげるものではなく、
摂食障害に悩んでいるご本人が、「どうやったら満たされるのか」を考えることが大事なのです。

めっちゃいろいろ満たされていたら、
そんなに考える子にはならなかったかもしれない

少し前、TV番組「セブンルール」で取り上げられてたクッキー屋さん
桜林直子さんの言葉です。

「無い」がたくさんあったから、考えるしかなかった。
考えること。考え続けること。

その中で「半分の時間で倍稼ぐ」など、様々な方法を見出してきたそうです。

摂食障害の回復のために、満たすのは心です。

満たされていない状態とは、
不足がある状態です。

まずは不足に直面しないといけません。

不足があるからこそ、
どうにかしようと考えるのです。

どうしたら心が満たされるのか、
満たされるために何が必要か・・・それを考えるのは摂食障害のご本人です。

心の病気なのだから、周りがモノを与えることで、摂食障害が治るわけではありません。

心の病気だから、
心を満たしていくこと。

自分の心を自分で満たしていくこと。
モノは、その代わりにはならないのです。


(3)回復には、特別な楽しみよりも「向き合う自分時間」

冒頭にも記載しましたが・・・

寂しかったのだから、家族みんなでお出かけしよう!
外に行ったら気分が変わるから旅行しよう!
外食なら食べられるかもしれないから、ランチしよう!

そんなふうに、外へ外へ・・・と意識が向いてしまうご家族が多いです。これも逆効果です!

摂食障害の回復のために、ホントに必要なのは、【自分と向き合う時間】です。

自分と向き合う時間は、
たった一人で過ごす時間です。

何かをするわけでもなく
何かがあるわけでもなく
ただ、自分について考える。

ノートに書いても、書かなくても。
なんとなく考えているだけでも、
何か特定のことを考えていることでも、
どちらでもイイのです。


自分について考えること。
一人で考えること。

それが、【向き合う】ということなのです。

【向き合う】ために、特別な楽しみなんて要りません。
意識が外ばかりに向いていたら、立ち止まることさえも出来なくなります。

何も無いから、初めて【向き合う】が出来るのです。

向き合うことは、家で自分一人でできることです。
ご家族の接し方、分からなくなった時は、まずはお母様からご相談ください。

お母様のための摂食障害専門カウンセリングはこちらです。

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