薬で摂食障害の心をラクにさせるのは良い方法?

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

摂食障害の薬物療法

こうした言葉でみると、
なんだかちゃんとした治療のように思えてきますが・・・
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その中身をどれだけ理解して
どれだけ体験しているかは、
別問題ですよね^^;;

今回のご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

今の病院では、約5分の診察で、「薬は結構効くから。心が楽になるから。」と言われ飲んでいます。

カウンセリングも併用ことも勧められ、その病院でのカウンセラーさんとお話をしました。

そこでは、「結構良いとこまでいけますよ」とおっしゃっていました。

もしかしたら完治はしないと言われている様に思ってしまい、
副作用も出てきた薬を飲むことなどに少し不安を覚えました。

薬を飲む事で心を楽にさせる治療は良い方法なのでしょうか。

ご質問をありがとうございます。

ご質問の内容は、「薬はイイか・悪いか」になっていますが・・・
私は摂食障害の経験者であっても、
薬剤師・医師ではありません。
そして、一人ひとりの状態によって、合う・合わないが変わってくると思います。

そのため、「イイ・悪い」の判断ではなく、
薬に対する考え方や、病院とのかかわりかたを中心にお伝えしていきます。

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1.薬についての考え方、一致していますか?

2.本音を話せていますか?

3.「完治」という言葉は魅力的だけど

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1.薬についての考え方、一致していますか?

精神科医の中でも、
薬に対する考え方は、イロイロです。

薬を全く使わないことを推奨する先生もいれば、
薬を全面的に支持する先生もいます。

薬の副作用に危機感を抱いている先生もいれば、
薬に依存性はないと言い切る先生もいます。

私は、どの考え方も間違ってはいないと思っています。

ですが、あなたが自身の考え方と「合っているかどうか」が
1番大切です。
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今、あなたは、薬についてどんな考えをお持ちですか?

どれだけ深く、薬について勉強しましたか?
何人もの薬剤師に、今の薬について質問しましたか?

残念ながら多くの場合、
自分からは何も学ぼうとしていないまま、
「精神科の薬は怖い」と言い続けてるようです。

そして、摂食障害だった頃の私も、その1人でした。

夕食後と就寝前、
それぞれ10錠以上の薬が処方されていました。

1つ1つが何の薬なのか
どんな作用があって
いつまで飲み続けるのか・・・

何も分からないまま
言われるがまま
飲み続けていました。

1人の薬剤師さんから聞いていたのは、
「無理やり辞めると、後々、倍増しても効き目が
無くなる」との言葉です。

摂食障害だった私には、
「急に辞めると大変なことになるんだ」と
インプットされました。

だから、言われるがままに飲み続けていました。

そして、いつもフラフラしていました。
当時の主治医からは「体調が悪いせい」だと言われていました。

けれど、今から振り返って考えると、
多すぎる薬によって、身体がフラフラしていたと思います。

だからこそ、あなた自身が勉強してください。
あなたが、賢い患者になるのです。

そして、あなたの考え方を持ってください。
あなたの考え方と一致する病院・医師を求めていってほしいのです。

2.本音を話せていますか?

摂食障害カウンセリングの中でも
見聞きしますが・・・

病院に行くと、
「もう大丈夫なんじゃない?」と
言われてしまうことです。

この場合、多くはホンネを話せていないことが考えられます。
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ホンネを言えないから、
キレイな言葉で返してしまう。

主治医の先生に対しても
顔色をうかがって
望む答を言ってしまう。。。

だから、「もう治ったんじゃない?」という言葉が
返ってくることが、とても多いようです。

この状態には、たくさんの理由があることと思います。

・言おうと思っても、短い診察時間では落ち着いて話せない。

・「どうせ分かってくれない」と諦めてしまう

・主治医に嫌われるのが怖いから、イイ事ばかり言ってしまう・・・etc.

この状態も、やっぱり「どっちも、どっち」なのです。
しっかり時間を取ってくれない医師にも問題はありますが、
保険内で診察している限り、かなり限界があるのも事実です。

あなた自身も、最初から諦めてしまう姿勢や
「いい子」「いい人」の殻がやぶれないで居続けてしまっているのではないでしょうか?

そして、本音が言えるようになるまでには、
当然、時間がかかります。

時間をかけて、信頼を寄せていくのか、
「ムリ!」と諦めてて、別の病院を探すのか。

それは、あなた次第ではないでしょうか?

3.「完治」という言葉は魅力的だけど

これも、よくある話ですが。。。

「摂食障害の完治」って何なんでしょうか?

骨折なら、
骨が折れた状態も
骨がくっついた状態も
レントゲン写真でちゃんと写ります。

でも、摂食障害は心の病気です。

どんなに心が苦しくても
心がツラくてたまらくても、
直接、見える方法は何もないのです。

同様に、
「心が治った!」と言っても、
それを目で確認する方法はありません。

だから、完治ってどう証明するのでしょうか?

私がカウンセリングでよくお伝えしていることがあります。
それは、完治より、「ほぼ完治」を目指すこと。

「ほぼ完治」とは、
・拒食・過食という症状が3ヶ月~6ヶ月、出ていないこと
・身体の機能(生理の回復、血液検査の結果、倦怠感の改善など)に問題がないこと
・家族や友人との外食も問題なく楽しめること
・学校・仕事で、やりたいことが出来る生活・・・etc.

といったことを、挙げています。

ですが、「絶対に一生続くかどうか」については、
今は分からないのです。

なぜなら・・・

とても親しい人が急死したり
予想を超えた災害にあったり

想いもよらない出来事に遭遇する場合があります。
そんな時でも、「美味しい・うれしい・楽しい」と
パクパク食べていたら、そのほうがおかしいですよね^^;;

こうした出来事をきっかけに、
以前の摂食障害の症状がでる可能性はあります。

だから、摂食障害が完治したかどうか分かるのは、寿命がきた時、だと思っています。

例えば・・

15歳くらいから摂食障害に苦しんで
20歳くらいで、症状が無くなって、
やりたい仕事に就くことが出来ていたとします。

その後、ずーっと症状がないまま過ごして、
80歳でこの世を去る時まで、症状が無ければ、
「20歳のころが、完治だったんだな」と分かるのです。

なので、寿命がくるまで、本当に完治したかどうか、
分からないものではないでしょうか?

・・・

摂食障害の完治。

この言葉は、とても魅力的かもしれません。
けれど、そこに完璧にこだわってしまうのも、
「0か100の思考」そのものではないでしょうか?

完治にこだわるより、今の◯◯計画、忘れていませんか?