摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
・働き方に悩んでいる方
・「辞めたい」と言いたくても言えない方
・レールの上から外れることが怖い方
などに向けて、超・オススメの本をご紹介します。
『私がマッキンゼーを辞めた理由』
私が、この本の著者である石井てる美さんを知ったのは、TOEICの動画でした。
コラボ動画で、インタヴューを受ける側として出演されていた女性の自己紹介を観て、とても興味を持ちました。
・白百合学園中学・高校卒
・東大・大学院卒
・マッキンゼー入社
・お笑い芸人
そして、動画でももちろんキレイな英語を武器にお話していましたし、最近のお仕事も英語関係も多いようでした。
そのため、この本を読み始める前の予想は、「華麗なる転身ストーリー」だと思っていました。
でも、実際は、、、ドロドロ。。。
マッキンゼーで上手く行かなかったことよりも、「辞める」ことへの葛藤。
これが、ホントに生々しく、赤裸々に描写されていました。
だからこそ、このブログで取り上げようと思ったのです。
中学入学後から「頑張れば必ずいいことがある」を信条に生きるようになる
↓
・レールから外れることを許さない
・1年だってムダにしたくない
↓
「頑張っててもできない」という挫折
↓
1年で辞めるなんてはずかしい
↓
消えてなくなりたいと心が悲鳴
これだけの引用をしてみても、過去の私とも重なります。
同時に、今、いろんなクライアント様の顔を思い浮かべながら書いています。
この後、著者の気持ちが吹っ切れて、お笑い芸人の道へ・・・というところは、ぜひ本書で実感してほしいところですが、もう1つ大切な言葉を紹介させてください。
「楽しく生きた方がいいよ、やりたことがあるなら幸せだよ。精神病んでまで仕事することないよ。精神病むと回復するのに時間がかかるからそうなる前に気づいてよかったね。応援してるよ~」
これは、著者がやめる決断をする頃、お姉様にメールした時に届いた返信だそうです。
外資系IT会社でバリバリ働いているお姉様からの言葉に、涙が止まらなかったそうです。
ぜひ、この本を読んでみてください。
『私がマッキンゼーを辞めた理由』
心の悲鳴に気づいていますか?
この本は、私が経験してきた色んな場面とも重なりました。
これまで、たくさんの「辞める決断」してきたからこそ、摂食障害から卒業することが出来ました。
けれど・・・
摂食障害が何年も長期化している中でも、「辞めること」を別世界だと感じてしまう方が少なからずいます。
・人より遅れるのが怖い
・仕事を辞めるほど、摂食障害が重症じゃない
・今の場所を離れたら、自分に何も残らない・・・etc.
心が悲鳴を挙げていても
ホントは辛くても
重苦しい心身を抱えていても
「辞めちゃいけない!」
「逃げちゃいけない!」
「もっと頑張らないと!」
と自分にはげしい叱咤激励をして、摂食障害をずーーーーっと長引かせていませんか?
私は長引かせてしまう時間ほど、もったいないと思っています。
ちょうど、上記の言葉通り、「回復には時間がかかる」のであり、「そうなる前に気づく」ことが必要なのです。
辞める勇気より、自分を守る勇気
何かを辞められない人の多くは、「辞める勇気が無い」という言葉で自らを表現することが多いです。
けれど・・・
私自身の考えでは、「辞める」ときに、勇敢に立ち向かったとか、潔い決断をしたとか、ではありません。
もちろん、「次」は、何も決まっていませんでした。
辞めたことをざっと挙げるなら、
・大学院を辞めた時
・アルバイトを辞めた時
・就職活動を辞めた時
・(前職の)パン教室を辞めた時
に、なります。
「退路を断つ」なんてカッコイイ言葉よりも、「次のことなんて、何も考えられない」状態でした。
退路も無いもなかったのです。
それでも、その時々で「辞める決断」をしたのは、たった1つの理由です。
これ以上続けたら、自分が崩壊してしまう
と心底感じたからです。
たぶん、1番つらかったのは、大学院を辞めた時だと思います。
・入院・休学を経て、復学した大学院
・摂食障害の学生という偏見の目にさらされながら続けた日々
・実習先の給食が食べられず、イロイロな小言を浴びたことも
・学会当日でも過食嘔吐してフラフラになって出発した朝
いろーーーんなことがありながらも、通院しながらも、大学院での勉強を続けてきたのでした。
なんとか続けてきた中で、最後の最後に修士論文不合格という現実。
この時、私の中で「頑張ったら、認めてもらえる」という価値観が、崩れ落ちたのでした。
崩れ落ちても、それが「変わった」のではなく、「何をどうしていいか分からない・・・」というパニック状態に陥ったのも事実です。
でも、、、、
もう、無理
と思ったのです。
当時、過食ばかりで体重がどんどん増加していくのが嫌でたまりませんでした。
ですが、過食以上に恐ろしかったのは、拒食症に戻ることでした。
拒食症に戻って、フラフラになって、再び精神科入院させられて、ひたすら食べ続ける時間を過ごすのか・・・と思うと、「その状態にだけは、戻りたくない!」という気持ちが強烈に沸きました。
大学院を辞めても、すぐに摂食障害が治ったわけではありません。
そこから、さらに数年かかっています。
ですが、、、
自分で「もう、無理」と思ったのは、これ以上心に負担をかけたら、拒食症に逆戻りするという確信に近い気持ちだけはあったからです。
・・・
私が、「辞める決断」をすることが出来たのは、摂食障害と診断されてから数年経過した後でした。
実際に、完全休養できたのは、さらに時間が経った後でした。
ホントなら、病んでしまう前に、自分の心に気づいて、心を守るための決断が1番大切だと思っています。
病気と診断されていなくても
「大丈夫?」と周りから声かけされていなくても
頑張れば続けられるという気持ちがあっても
自分の心に1番はやく気づけるのは、やっぱり自分だけだと思うのです。
だからこそ、自分に合った働き方を見つけていくことが必要なのです。
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