
日常の診療レベルで、リアルタイムに脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)の量を正確に測定する方法」は、現在の医療では確立されていません。
(1)直接測定の難しさ
脳内の神経伝達物質は「シナプス」というごくわずかな隙間でやり取りされています。そこにある物質の量を測るには、脳に直接針を刺して採取するような侵襲的な(体に負担のかかる)方法が必要になりますが、これは治療目的の検査としては現実的ではなく、倫理的にも認められません。
(2)代替検査の限界
血液検査や尿検査で「セロトニンの代謝物」などを測ることはできますが、それはあくまで全身を巡った後の数値であり、「今、その人の脳の特定の部位で、どの程度物質が出ているか」を正確に反映しているわけではありません。
(3)PET検査などの研究用技術
特殊な装置(PETなど)を使って、受容体の状態を可視化する研究もありますが、これも高額で大がかりな設備が必要なため、一般的なクリニックや大学病院の「外来診察」で行われることはまずありません。
これが、今の精神科医療で行われている処方の現実です。
