
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
拒食症の治り方で1番誤解されやすく、また、ご家族にとってもお嬢様にとっても「1番スルーしたくなる現実」をお届けします。
お母様方は……
「心がラクになれば、自然と食べられるようになるはず」
そう思っていませんか?
拒食症の回復において、「心の回復が先か、体重の回復(体の回復)が先か」という議論はよく起こります。
ですが、摂食障害専門カウンセラーとして、そして私自身の経験からもはっきりとお伝えしたいのは、【心の回復は、命あってこそ】だということです。
拒食症:なぜ「体重の回復」が先なのか?
低栄養で脳や体が飢餓状態のままだと、心のエネルギーも完全に低下しています。
* 摂食障害の原因と向き合う
* 自分について深く考える
* これからの生き方を見つめ直す
こうした「心」の作業に取り組むには、莫大なエネルギーが必要です。ガソリンが空っぽの車が動かないのと同じで、飢餓状態の脳では、どれだけカウンセリングを重ねても心まで届かないのです。
だからこそ、まずは「体重の回復」が最優先であり、絶対に外せない第一ステップになります。
さらに、もう一つとても重要な理由があります。
それは、「低体重の時期(飢餓の期間)をできるだけ短くすることが、将来の過食の予防につながる」ということです。
体が飢餓を感じている期間が長ければ長いほど、脳は生命の危機を感じ、後になって「命を守るための反動」として激しい過食を引き起こしやすくなります。
のちの過食を最小限に抑えるためにも、まずは一刻も早く体に栄養を入れ、体重を戻してあげることが必要なのです。
拒食症:体重と心の回復は「別次元」
ここで知ってほしいのは、「体重が戻っても、すぐに心が元気になるわけではない」ということです。
体重の回復と、心の回復は、まったくの「別次元」の話です。
体重が増えることは、お嬢様にとって本当に受け入れ難い恐怖です。
「胃が痛いのに食べなきゃいけないの!?」と苦しむ姿を見たり、「食べたくない」と泣き叫ぶ我が子にどう接すればいいのか……とお母様も頭を悩ませ、胸を痛める日々だと思います。
体重が増えたからといって、すぐに笑顔に戻るわけではありません。
むしろ、体重が増える時期こそ、お嬢様の葛藤や心の嵐は激しくなることもあります。
けれど、体のベース(命の安全)が整って初めて、ようやく「じゃあ、これからどう生きていこうか」という心のケア、次のステップへと進むことができるのです。
この順番を無視して、体の回復をスルーしたまま「生き方」や「心」の解決だけを求めても、本当の回復へは進めません。
ステップを一段ずつ、順番に上がっていくこと。
それが、実は一番確実な回復への近道です。
回復の3ステップについては、こちらのブログでも図解していますので、ぜひ合わせて確認してみてくださいね。
「低体重」を早く脱することが、実は未来の過食の予防になる

*体重を知りたいけど知るのもコワイ…葛藤
「え? うちの子が過食になるの?」
「ガリガリに痩せているより、少しくらい過食になって太る方がいいのに…」
「過食になるなんて想像できなくてコワイ」
今、目の前で食べずに痩せていくお嬢様を見ているお母様にとっては、先の「過食」の話なんて、戸惑いや恐怖しか感じられないのが当然だと思います。
ですが、摂食障害専門カウンセラーとして多くのお母様とお嬢様を見てきて、はっきりと言える事実があります。
それは、「低体重の時期を1日でも短くすることが、将来の過食を最小限に抑える(予防する)唯一の方法である」ということです。
過食は、わがままや心の病気だけで起こるものではありません。
体が「これ以上は命が危ない!」と察知した飢餓期間が長ければ長いほど、その反動として、後から恐ろしいほどの過食の波がやってきてしまうのです。
つまり、今お母様が「とにかく早く体重を増やさなきゃ」と、この最初のステップに向き合うこと自体が、お嬢様を未来の過食から守る最大の予防策になります。
「うちの娘が過食になるなんて、想像できない…」
という時こそ、事前に知識を入れておきましょう。
拒食から過食へ移行する一番不安定な時期を、ご家族が迷わずに支えるための具体的な関わり方を動画教材にまとめました。

「過食になるのがコワイ」と思う今だからこそ、その波を最小限に抑えるための「正しいサポートの軸」を、ぜひ今から持っておいてください。それがお母様の安心になり、お嬢様の確実な回復へとつながります。