
私がこれまで、病院にお任せ治療は良くないとか、診察時間の短さについてお伝えしてきました。今回はその前提として、改めて「保険診療と自費診療」の違いと、賢い使い分けについて解説していきます。
この使い分けが分からると、なぜ病院を変えても、摂食障害が治らないのか…の答がみえてくるかもしれません。
摂食障害:保険診療
摂食障害の治療において、病院の役割を正しく理解することは回復への近道です。
私は病院の役割を「したく」とお伝えしています。
「したく」とは、
診断を受けること
体重管理や血液検査などによる身体のチェックのこと
必要な薬を処方してもらうこと。
つまり…
し:診断
た:体重管理
く:薬
です。
そして、もし学校や仕事を休む必要があるならば、診断書を発行してもらうことです。
これらは摂食障害を早く治すために必須な「休むこと」として、非常に大切なプロセスです。
しかし、この「したく」には、お嬢様の心の奥底にある《原因》の解決や、回復のための具体的な《接し方》の相談は含まれていません。
お母様が
「病院に行けば治るかもしれない」
「有名病院なら娘が変わるかもしれない」
と過度な期待を抱いて転院を繰り返してしまうのは、病院に「したく」以上のものを求めてしまっているからではないでしょうか。
【経験談】病院で、専門外の相談をして、摂食障害を長期化させていた話
摂食障害時代、いろんな病院に通いましたが…
「この相談は、専門外だから、ここでは無理」と言われることはありませんでした。
一見「やさしい対応」に見えますが、実は、「摂食障害をムダに長期化させるリスク」をはらんでいます。
私の場合、摂食障害の終盤に自宅パン教室をしていたわけですが、教室経営の悩みは生徒さんトラブルなどを主治医に相談してしまっていました。
すると、主治医からは
「いろんな生徒さんがいるよね!」
と同情のようなコメントが。
小学生にでもいえるような一般論が返され、逆にショックを受けたことを覚えています。でも、「この話は診察では対応しない」と言われることは無く、通院をだらだら続けてしまったのでした。
今なら、
仕事の話はコンサルで受講する
ということを思いつくのですが、当時はそんな発想もなかったのでした。反省…。
(ちなみに、摂食障害からの社会復帰も、個別コンサルティングでご相談承ります)
摂食障害:自費診療のカウンセリング
一方で、自費診療のカウンセリングは全く役割が異なります。
摂食障害専門カウンセリングでは、日々の食事の悩みだけではなく、拒食・過食の原因と深く向き合います。
お嬢様が「話を聴いてほしい、分かってほしい」と抱えている思いをすくい上げ、ご家族がどう接すればいいのかという「具体的な回復のヒント」を一緒に見つけていく場所です。
摂食障害:保険診療と自費カウンセリングを使い分けよう

大切なのは、保険診療と自費カウンセリングを両者を明確に使い分けることです。
身体の安全を守り「したく」を整えるために保険診療を活用し、摂食障害の原因をみつけ、解決改善に向かう取り組みをするカウンセリングを活用すること。
この役割分担が、転院を繰り返す迷走からお母様とお嬢様を救い出し、摂食障害の回復へと導いてくれるのです。
病院に「お任せ」ではなく、お母様がこの「役割の違い」を理解することから始めていきましょう。