過食で「太った身体」をご家族が受け入れるのは間違いです!

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

ありのままを受け入れる。
丸ごと受け入れる。

無理させない
否定しない
頑張らせない。

摂食障害のお嬢様を持つご家族の中には、こうしたコトをまるで呪文のように、ご自身に言い聞かせている方も多いようです。

ですが・・・
「ありのまま」が、ホントに良い状態なのか。
「受け入れる」が、ホントにどんな時も必要なことなのか。

摂食障害のお嬢様を持つご家族は、それらをしっかり区別してほしいと思っています。

過食で肥満体。太った自分も「ありのまま」を受け入れる?

拒食でガリガリに痩せた身体も、過食で太ってしまった身体も、健康を害するほどになってしまった場合は、どちらも同じようにキケンです。

けれど・・・
ガリガリに痩せた身体のほうが、ご家族が「このままではいけない!」と思いやすいようです。

もちろん、低体重によるリスクも大きいです。
入院が必要な時は、まよわず決断してください。

一方で、「太ってしまった状態」を、軽く考えすぎてしまう傾向を感じています。

太っている人なら、いくらでもいるし。
食べない拒食の時期よりは、いい。
ガリガリに痩せていた時より、安心する・・・etc.

と思ってしまっていませんか?

残念ながら・・・「太ってしまうこと」を受け入れ過ぎた結果、過食の正当化・慢性化につながってしまう場合が多いように感じています。

ガリガリに痩せた状態も不健康なら、
必要以上に太ってしまった状態も不健康なのです。

そして、イマドキの10代20代は、かなり華奢です。
健康になることはぜったい必要です。
同時に、「だいたい周りの子と同じような体型」になることも、必要なことではないでしょうか?

「食べたいなら食べていいよ」はホンネですか?

ホンネで話そう!
本音でぶつかろう!

母親カウンセリングではよくお伝えしていることです。

けれど、
ホンネでは無いことを「ホンネです!」と言ってしまうお母様や、ご自身のホンネに気づいていないお母様も、時折いらっしゃいます。

摂食障害のお嬢様への接し方として、食にノータッチをお伝えしています。

食べても
食べなくても
何も言わない。

でも、ノータッチとはそれだけではありません。
「食」に関することを、すべてノータッチなのです。

ノータッチとは、変えないこと。

摂食障害の発症前の食事時間・食事内容・食費・買い置き・冷蔵庫の使い方など、何も変えないことがノータッチなのです。

変えないことを、貫いていますか?
いろいろ変えてしまっているにも関わらず「食にノータッチだから・・・」と過食だけを大目にみていませんか?

何も変えていない状態を保った上で、過食しているお嬢様に「食べたいなら食べていいよ」と言えますか?

私は、この言葉がお母様の本音本心からの言葉であれば、いいと思っています。
でも、多くは恐れから言っている場合が多いようです。

・過食の話題をすると、あの子が怒るから。
・「食べるなら何でも買ってあげるよ!」と拒食の時に言っていたから、今さら何も言えない。
・何か言って引きこもりになったら困るし・・・etc.

そんな恐れから「食べていいよ」と言っていませんか?

ちなみに我が家の場合、ホントに母の本音本心でした(笑)。

「食べたいなら食べれば?!」

はい。
終了です(笑)。

過食を禁止されたことはありません。
過食代も、何もいわずにお金を払ってくれました。
菓子パンとお菓子とアイスクリームばかりという栄養バランスなんて完全ムシした食べ方でも、何もいいませんでした。

私が過食している最中も、母はフツーに家事をやって、フツーに生活していました。

洗濯物を干したり
テレビ観ていたり。

今から振り返って、当時の想いをきいてみましたが・・・
やっぱり本音本心でした。

「(拒食で)ずっとガマンしていたんだから食べたいと思った」
「そのうち、飽きると思った」
「食べ続ければ、胃が痛くなるだろうし(笑)」
「そんな肥満になるまでに、自分で気づくだろうし(笑)」

何度何度聞いても、同じ答でした。
母はホントにそう思っていたのです。

ご家族がブレないために。摂食障害の「慣れ」は禁物です!

元々の体型にも個人差はあると思います。

元気だった頃の体型を思い出してください。
その頃、身体の不調がなく、元気に過ごしていたのなら、それがお嬢様にとって「本来の体型」なのです。

その体型を、ご家族は覚えていますか?
そこからブレないこと、過食で変わってしまった体型に、ご家族が慣れないことが回復へのサポートです!

毎日、顔を見ていると、体型が変わっていくことに気づかない場合があります。
あまりにも変化してしまった場合、周りの人たちも何も指摘しないことが多いです。

そんな時は、見た目や感覚ではなく、数字を頼りにしていきましょう。
ご存知の方も多いと思いますが、BMIを目安にしましょう(厚生労働省のサイトより)

BMI = 体重(kg) ÷ 身長(m)÷ 身長(m)

18.5未満が「低体重(やせ)」
18.5以上25未満が「普通体重」
25以上が「肥満」

です。

時々、きちんと計算してみましょう。
同時に、「元気だった頃」のBMIも計算しておきましょう。

ふつうに食べるということ。
1日3食食べるということ。
ご家族もふつうの量をふつうの時間帯に食べるということ。

お嬢様が過食であっても、「摂食障害の発症前」と同じような内容で同じような量を提供し続けていますか?
特別扱いは、摂食障害の回復サポートではなく、摂食障害でいつづけるサポートになってしまいます。

何が特別扱いで、何が回復サポートなのか分からなくなってしまうお母様へ。
1つ1つ見直すことが、実は近道です!
お母様のみが受講できる母親カウンセリング、まもなく受付開始です!