
摂食障害専門カウンセラーの中村綾子です。
お嬢様が拒食症になると、お母様は本当に追い詰められますよね。
特にハイレベルな進学校に通っていたり、中学受験を経て中高一貫校に通っていたりする場合は、より一層強い不安を抱えているかもしれません。
「授業のスピードが速いのに、このまま休んでいたら落ちこぼれてしまう…」
「病院では『見守りましょう』と言うけれど、一体いつまで?」
「出席日数があぶないって言われるけど、無理やり行かせたほうがいいの?」
と、学校と病院の板挟みで焦るお気持ち、痛いほどよく分かります。
そんな極限状態の中で、カウンセリングを受講されるお母様たちから、時折こんな声をお聞きすることがあります(カウンセリング詳細はこちら)。
「過食になってでも、食べてほしい」という危険な勘違い
ガリガリに痩せていく娘を前にして、なんとかして命を繋ぎたい、少しくらいぽっちゃりしてもいいから学校に行ってほしい…
その一心から、こんな風に考えてしまうことはありませんか?
「過食になったら、食費のために貯金を取り崩す覚悟はあります」
「食べないよりは、過食になった方が本人の体も楽になるのでは?」
「少しぐらい太ってくれたほうがいいんだけれど…」
「とにかく食べて体重を増やしてほしい」と願うのは、母親として当然の愛情です。
しかし、専門家としてはっきりお伝えします。
「過食になれば体が楽になる」というのは、大きな勘違いです。
過食症への移行は、身体への負担はもちろん、コントロールできない食欲への自己嫌悪やパニックで、お嬢様の心は拒食の時以上に深く傷つき、ご家族も限界まで疲弊してしまうケースが非常に多いのです。
過食症への移行をカンタンに捉えてしまうことは、絶対に避けていただきたいのです。
摂食障害二重構造:「日々のストレス(対処療法)」と「原因(根本解決)」を切り分ける
ここで、摂食障害の回復において非常に重要な「2つのアプローチ」についてお話しします。
以下の図をご覧ください。

*摂食障害専門カウンセラーだから分かること
摂食障害は、二重構造になっています。
日々のストレス(表面の症状):友人関係、受験勉強、家庭内でのイライラなど。
原因(根本の問題):生きづらさ、幼少期からのトラウマ、親子関係のズレなど。
病院での「お薬の処方」や「体重管理」、ご家庭での「食事の工夫」などは、すべて黄色い部分の【対処療法(日々のストレスへのアプローチ)】です。
一方、青い部分の【根本的な問題(原因)へのアプローチ】こそが、摂食障害を本質的に卒業するために最も必要なことで、専門カウンセラーとともに取り組んでいくことです。
家でできる「対処療法」にも、大きな意味がある
「じゃあ、家で食事の工夫は、《表面》のことだから、無駄なの?」と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
お母様がご家庭でできることは、図の黄色い部分に対する「対処療法」に過ぎないかもしれません。
しかし、適切な対処療法には、日々の生活を穏やかにし、お嬢様の日々のストレスを軽減させるという大きな意味があります。
・「食べなさい」と無理強いしない
・定食スタイルでひとり分ずつ盛り付ける
・特別扱いしない…etc.
こうしたご家庭での一つひとつの対応が、お嬢様を「日々のストレス」を軽減してくための助けになります。
お母様自身が「原因」に向き合うことを忘れないで
お嬢様に「食べなさい!」というよりも、「どうして食べてくれないの?」と問い詰めるよりも、まずはお母様自身で、「摂食障害の原因」を考えていくことが大切です。
「なぜ摂食障害という形でSOSを出さなければならなかったのか」。
ここに目を向けず、ただ体重の変動や、学校に何日出席できたか否かという表面的な部分だけを追いかけていると、拒食と過食を繰り返すなど、摂食障害が長引いてしまいます。
対処療法で日常を支えながら、並行して根本的な原因を見つめ直す。
これが、摂食障害の卒業に向かう唯一の道です。
「原因と言われても、何から手をつければいいか分からない」という方こそ、原因についての考え方を動画で学んでみましょう。
▼動画はスマホで繰り返し視聴できます。


