摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
過食になるのが怖い。
拒食症の方の多くが抱いている気持ちです。
私も、拒食症と診断されたばかりの頃、心療内科で繰り返したずねていました。
「私も、過食になるんですか?」
当時の主治医の答は、
「タガが外れて過食になるか、拒食で倒れるかのどちらか」
でした。
過食になるくらいなら、
倒れるほうがずっとイイ。
当時の正直な気持ちです。
それくらい、過食になるということが、当時の私にとってはとても恐ろしいことでした。。。
結局、私の場合は、拒食症の入院があり、退院して間もなく過食が始まったのですが、「拒食の人は、ぜったい過食になるのか?」というと、そうでは無いようです。
回復されていった多くのクライアント様の様子と共にお届けします。
1.拒食症から過食になるかならないかは、性格では決まらない
摂食障害のいろんな情報が出回っていますが・・・
それらに振り回されていませんか?
過食になるかならないかを、
性格によるタイプ別で決まる、という考え方もありますが、
私は賛成できません。
過食になるかならないかが、事前に予測できるのなら、
そもそも摂食障害になるかならないかも、事前に予測できたはずだからです。
拒食症から過食になるかならないかは、性格による違いはない、と考えます。
拒食という飢餓状態を経験すれば、
だれでも過食になる可能性はあると言えます。
2.心の早い回復、食の改善が、過食を回避する
拒食症の人は、ぜったい過食になるのか?
多くのクライアント様とお会いしている中で感じるのは、
「ぜったい」ではない、ということ。
過食だった私からすれば、
意外に感じるほど、「過食なし」で回復していく人たちも多くいらっしゃいます。
過食なしで回復していく人たちの共通点。
それは、心の回復の早さです。
心の問題
↓
食べられない
↓
身体の飢餓
↓
心の回復
↓
食生活の改善
といった流れです。
自ら、食生活の改善が始まるのは、入院中に無理やり食べさせられてきた治療とは全く意味が違うものです。
心が回復してきて、
食べてもいいかな、食べることを許してもいいかな、
という気持ちのもと、少しずついろんな食べ物に幅が広がっていきます。
だから、ある程度、栄養バランスがとれていくのです。
3.過食が始まった時、家族に出来ること
過食になるかならないか、それは事前に予測できません。
理想は、過食が開始する前に、ご家族が適切なサポートを受けることです。
適切なサポートの1つとして、カウンセリングやミーティングを活用していただければと思っています(詳細はこちら)
過食が始まった時、ご家族ができること。
それは、過食を恐れすぎないことです。
「過食になって、どこまで太り続けるんだろう?」といった心配や、
「拒食より、過食のほうがラクなんじゃないか」といった勘違いや、
「見ていると、こちらが辛くなる」と言った共依存など、
接し方にイロイロ迷うことも増えて行く時期かと思います。
ですが、ご家族が、過食を正しく理解し、正しく接していくことはとても大切なことです。
正しく接することの1つとして、
特別扱いをしないことが挙げられます。
特別な食べ物を用意したり
過食費用を無制限で援助してしまったり、
過食症だから、家族の食べ物を無断で食べても、何も言えなくなってしまったり。。。
ご家族が、過食のお嬢様を特別扱いすればするほど、長期化してしまうのです。