【図解】摂食障害の回復:3つの役割分担で着実な回復をめざそう

家族は見守っているしかないですよね?
摂食障害の娘は、何もかも私に聞いてくるんです。
拒食症だから食べられるものを用意するのがタイヘンです・・・etc.

摂食障害の母親カウンセリングでは、こうした声がとても多いです(単発でもご相談可能です)。
でも、ご家族の役割を超えてしまっていませんか?

こんにちは。
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。

私は拒食・過食・過食嘔吐を経て、計7年で摂食障害を克服しました。
摂食障害専門カウンセラーとして起業し10年になりますが、その後の再発もなく、体重・体型もずーっと維持しています(*2023年追記)。

今回は、摂食障害の回復について「それぞれの役割」を開設していきます。

摂食障害の回復:ご家族の役割とは?

拒食・過食の回復のために、ご家族の役割とは・・・

家族としてフツーに接することです。

ただ、それだけです。
「フツーに接する」とは、年齢相応の接し方です。

中学生以上であれば、以下のことが「できるはず」です。

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お腹が空いた時にお腹が空いたと言って、お嬢様が自分で何かを用意することは出来るはずです。

お腹が空いてもガマンしないといけない時(授業中や電車の中など)には、ガマンするはずです。

欲しいものがあった時、「コレ買っていい?」とご家族に許可を求めるはずです(おこずかいの範囲を超えた時)。

●●に行きたいということがあっても、ほとんどの場合自力で行けれるはずです。
自力ではどうしても行けれない場合に限り、「●●に行きたいから、車で乗せていってほしい」と言えるはずです。

学校の勉強と友達との遊び。この区別もつくはずです。

食事とお菓子の区別、「食事>>>お菓子」という常識も身についているはずです。

病気になったら学校を休むけれど、元気になったら学校に行く、ということも知っているはずです。

何か分からないことがあれば、ネット検索したり、本で調べたり、人に聴いたりする力があるはずです。

人との約束は守らないといけないと知っているはずです。

決まった時間には、遅れてはいけないことを知っているはずです。

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いかがでしょうか?
これらは「知っていること」「出来るはずのこと」ですよね?

拒食・過食だから、「ウチの子はできないんです・・・」とばかり言っていませんか?
ご家族のほうから、「出来ない子」と決めてしまっていませんか?

回復のためにご家族が出来ることは、フツーに接することです。
病気だから出来ないのではなく、ご家族が先回りして「(お嬢様にとって)自分でやらなくていい環境」を作り上げているから、「できなくなっている」ように見えるのです。

摂食障害の回復:家族・病院・カウンセリングそれぞれの役割とは

この3つの円、ぜひお手元の手帳などに書き留めておいてください。
何度も何度も思い出してください。

摂食障害専門カウンセラーとして、それぞれの役割をこんなふうに考えます。

家族の役割:ふつうに接すること
病院の役割:身体を診ること
カウンセリングの役割:心の問題と向き合うこと。

3つが重なった中央、星印で示してあるところが、摂食障害のお嬢様の場所です。

お嬢様には、3つのサポートが必要なのです。
同時に、ご家族が「治療者代わり」をするのはNGです。
あまりにも、お嬢様がご家族だけに頼り切って、ご家族がなにもかも応えてあげてしまうと、共依存に陥るリスクが高くなってしまいます。

「摂食障害の娘を、とにかく病院に行かせたい!」というお母様へ

上記の通り、私は拒食・過食の回復には、病院に行くことは必要だと思っています。

ですが、「病院に行きさえすれば治る」というほど拒食・過食はカンタンな病気ではありません。

病院に行くなら、病院の中身を吟味する必要があります。
これはカウンセリングでも同様です。

名前だけでは、中身は分かりませんから。

摂食障害のお嬢様の状態が、命の危険であれば、病院えらびに迷っている時間はありません。今すぐ救急車を呼んで、病院に向かってください。

しかし、命がキケンの状態以外であれば、病院に行きたくないお嬢様を無理やり連れていくことはデメリットが大きいです。

「行きたくない」「治そうを思えない」状態であれば、まずはお母様から専門家とつながることをオススメします。

⇒お母様のための摂食障害相談

https://m-d-counseling.com/10th/