ホントは「治りたくない人」なんて居ない。心と行動の矛盾を考える。

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

うちの子、治りたいと思っていないみたいなんです。
「治る」「がんばる」ってクチばっかり。
治りたくないってハッキリ言うんです。

母親カウンセリングでも、
お母様方とのミーティングでも、
とてもよくある声です。

同時に、摂食障害のご本人たちからも、

自分が治りたいのか治りたくないのか分からない。
治ることが怖い。
摂食障害のままでも、別にイイ。

といった声もきかれます。

けれど・・・
あえて結論からお伝えするなら、
「治りたくない人」なんて、ホントは居ないのです。

摂食障害とは、
24時間、食べもののことが頭を巡り
周りが楽しんでいる時間も、同じように楽しめなくて、
ワイワイ騒ぎながらケーキ食べる女子を横目にみながら、
惨めな想いを抱いている生活。。。

24時間、食べもののことが頭を巡っているから、
目の前の仕事や勉強に、集中できなかったり、
当たり前に出来ることに、ミスが多発したり、
フツーの課題をこなすだけなのに、とても疲れたり・・・

食べることにも、
食べること以外にも、
悪影響がいっぱいある生活。

それを、ホントの意味で「このままでいい」と思っている人はいないのです。

人は、向上したいと願うもの。

だれでも、よりよく生きて行きたい、という気持ちは、持っているものだと思っています。

そして、人として生まれ、発達してきたの理由も、元々備わっていた「向上したい」という気持ちです。

生まれてから、
歩けなかった子が
歩けるようになるために、
「頑張りなさい!」と言いましたか?

頑張った子だけが歩けるようになったのではなく、
発達という自然の流れで、
歩くようになり、

歩くと、
いろんな物を手にとって
触れてみたくて、
口に入れてみたくて、
どんどん歩いてしまう。。。

そんな時期が、だれしもあったはずです。

「より良くなりたい」
「知らない世界を知ってみたい」

こうした生まれながらの欲求は、ぜったいに誰しも持っていることです。

だから、摂食障害を卒業して、よりよく生きていきたい!とホントは思っているのです。

辞めたいのに、辞められないって、よくあること。

過食を辞めようと思っても食べてしまう。
強迫的な運動を辞めようと思っても、やっぱり辞められない。
今日から、カロリーを気にせずちゃんと食べようと思っても、その場になると出来ない・・・etc.

こうして摂食障害の行動だけを書き並べると、
異常行動にしか思えないでしょうが・・

「辞めたいのに、辞められないこと」って、実はよくあることだと思います。

目が疲れるって分かっていてもゲームが辞められない。
暴飲暴食はメタボになるって分かっていても、辞められない。
無駄使いはよくないって思うのに、やっぱり浪費してしまう。

よくある話ですよね???
病気と言えないまでも、なんらかの心理的理由を抱えているのは、どんな人も同じです。

辞めたいのに、辞められない。

これだけを取り上げて、
摂食障害が異常だ!と言い過ぎるのは、ちょっと問題だと思っています。

摂食障害のお嬢様のことが理解できないご家族こそ、ご自分の中にある「辞めたいけど、辞められない」ことに気づいてほしいと思います。

心と行動が矛盾するのは、心がいっぱいいっぱいだから。

コレ、1番重要です!

思っているのに、
出来ない理由。

それは、心がいっぱいいっぱいだから。

摂食障害とは・・・

自分の身を削ってでも、
訴えたい何かがあるのです。

摂食障害とは・・・

無意識の中に刷り込まれた、
「自分なんか生きている価値がない」
という想いがあるのです。

価値がないとしか思えない時、
「食べる」ということが難しくなります。

食べる=生きる だからです。

摂食障害とは・・・

食べるという当たり前のことすら
上手くいかなくなるほど、
何らかの問題を抱えているのです。

その問題が大きすぎて、
当たり前のことが、
当たり前に出来なくなっているのです。

だから・・・

心の回復が必要なのです。

昨日今日のストレスではなく、
もっと根本問題。

生まれてから
今日までに積み重なってきた出来事の数々。

他の病気にも共通しますが、
摂食障害の原因を何か1つに断定することはできません。

けれど。。。

「アレかもしれない」
「コレかもしれない」

と洗い出していくことや

「あの時、もっと聴いてほしかった」
「あの時、ホントは行きたくなかった」
「あの時、こう思っていたのに、言えなかった」

という想いを言葉に出していくことは必要なのです。

摂食障害を根本問題から考える。そんなカウンセリング、受けてみませんか?