「体重計を捨てました!」と自信満々でおっしゃる方もいらして…摂食障害の経験者としては、摂食障害の治療にギモンが沸くばかりです。
開業11年目・摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
真っ先に、結論です。
体重計を捨てると、摂食障害は悪化します。
体重計は単なる機械ですから、心の病気へのアプローチとは真逆(ムダ…)の行動をしてしまっているんですよね。
とにかく、体重計はそのままでいいです。
多くの場合は洗面所に置いてあるかと思いますが…
好きな時に
測定したい人が
測定すればいいです。
摂食障害のお嬢様も、他のご家族も同じです。
拒食症の体重について、動画でも解説しています。
⇒【動画教材】拒食症と体重~家族ができること~
摂食障害と体重計:なぜ捨てるのか?
体重計を捨てる経緯には、
・ご家族から「体重の変動に一喜一憂するから体重計を捨てました…」という場合
・摂食障害の治療者から「体重計を捨てることが、治療の第一歩」と言い渡される場合
という2パターンがあるようです。
それぞれについて考えてみます。
ご家族から「体重計を捨てる」と決断に至る場合
きっと、「見ていられない」という心境なんでしょうね。
あ、また体重計を出している音がする
あの子、また怒り出すよ、きっと。
もう体重計なんて無くせば、測れなくなるんだから!
と、いつも気になってしまっているんでしょうね。ご家族が、です。
たしかに、摂食障害のお嬢様は体重が気になって仕方がない状態かもしれませんが…
ご家族も同様に、お嬢様の様子が気になって仕方がないのではないでしょうか。
母親カウンセリングでよくお伝えすることですが…
親子は鏡
です。
ホントは体重計の問題ではありません。
そもそも、摂食障害は体重の病気ではなく、「心の病気」ですから。
体重計を捨ててはいけません。
ご家族が摂食障害のお嬢様の回復をサポートするなら、体重計もふつうに家に置いて、ふつうに使用しましょう。
摂食障害の治療者から「体重計を捨てることが、治療の第一歩」と言い渡される場合
私自身は、摂食障害時代、ホントに病院選びに悩んできました。
転院10回しました。
それでも「しっかり分かってもらえた」とは言い難いです。
そのため、一般的な摂食障害の治療には、疑問が沸くことが多いです。
「体重計を捨てることが、治療の第一歩」と言い渡してしまう治療者が多いことも、とても残念に思っています。
体重は数値です。
身体が存在する限り、体重は存在します。
見るか見ないか、
気にするか、気にしないか。
どれくらいの頻度で測定するか測定しないか。
これらは、体重計という機械によって決まるものではなく、「悩んでいる心」によって決まるのです。
摂食障害の治療において、治療者の考え方は様々です。
様々だからこそ、このブログを読んでいる方には、
・摂食障害の治療者えらび
・治療内容えらび
に、真摯に取り組んでほしいと思っています。
治療者を批判するよりも、えらぶ道があるのですから。
当オフィスの摂食障害専門カウンセリングも、その選択肢の1つに入れていただければ幸いです。
転院10回の経験をふまえ、「えらび方」を解説する動画をつくりました(【動画】病院のえらび方)。
摂食障害:「心の病気」の体重との付き合い方
体重計が悪モノではありません。
体重計は、単なる機械です。
摂食障害の回復をめざすなら「体重にしばられてしまう心」と向き合っていく必要があります。
これは、ご家族から今すぐできることではないでしょうか。
・拒食症の体重増加で気を付けること
・過食への移行について
・体重が回復した後の、治療の選び方
などについて、摂食障害専門カウンセラーの立場と、克服経験者としてのエピソードを合わせて動画にまとめました。
治り方がわからず悶々としている方に、ご覧頂ければと思っています。