
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
「心の病気を経験したからといって、それだけでカウンセラーになれるわけではない」
最近、そんな言葉を耳にする機会がありました。
公認心理師として12年間、摂食障害専門のカウンセラーをしてきた立場として、ただの「経験談」だけで人の心に触れることの危うさは、私も強く感じています。
カウンセラーには確かな専門知識と覚悟が必要です。
しかし一方で、私は現場でこんな現実にも直面し続けています。
医療(病院・薬)だけで治らない人がたくさんいる現実
精神科などの医療機関は、症状をコントロールするためには必要不可欠です。
しかし、心の問題——特に摂食障害のような複雑な病気は、お薬を飲んだり、表面的な症状を抑えたりするだけで「心そのもの」が癒え、生きづらさが消えるわけではありません。
さらに「体重は増えたけれど、心がついていかない状態」は、危機的な状況から脱しているため、医療の枠組みからこぼれ落ちうことも少なくありません。
実際は、「身体は回復したけれど、どうしていいか分からない…」と親子共々、途方に暮れている方が、世の中には本当にたくさんいらっしゃいます。
特に摂食障害の場合、進学・就職の問題も大きく絡んでいますが、
「診察室の雰囲気で、相談できるか否か」
「短い診察時間で話せるか」
「医療者が進路情報にどこまで詳しいか」
などについては、疑問が残ります。
*当オフィスはカウンセリングなので、進路相談・仕事えらびにも力を入れています。

医師は「カウンセリングの専門家」ではないという事実
日本の医療制度では、医師が患者さん一人ひとりにじっくりと時間をかけ、対話を通じて心を解きほぐす環境を作ることが非常に困難です。
また、医師は「医学」の専門家であって、必ずしも「心理療法やカウンセリング」を専門的に深く学んでいるとはいいがたいです。
医療現場特有の「治療者と患者」というトップダウンの構造の中では、心の奥底にある本当の痛みを打ち明けられないクライエントさんも少なくありません。
マニュアル化された「〇〇療法」で治らなかった人たちが辿り着く場所
私のカウンセリングには、
「**療法を受けたけれど治らなかった」
「マニュアル通りの対応をされて、余計に傷ついた」
「何をやっているのか、よくわからなかった」
という方が多くいらっしゃいます。
摂食障害の根っこにある問題は、一人ひとり全く異なります。教科書通りのアプローチでは届かない深い部分にアプローチするためには、一人ひとりの人生に泥臭く伴走する力が必要です。
一般的には、原因に向き合うじっくりとした取り組みは軽視される傾向があるので、根本的に治ることをめざすなら、不向きな場合も多いのです。
(私は、摂食障害の症状も原因ありきと考え、原因の解決改善こそ、回復の近道と考えます)

「痛み」は経験者にしかわからない
例えば、喉が激しく痛む時。
「このまま明日、声が出なくなったらどうしよう!?」というパニックにも似た恐怖は、同じ経験をした人にしか本当の意味では共鳴できません。
「喉の炎症」は診断です。
しかし、その恐怖と不安を知っている人とでは、かけられる言葉の重みが全く違います。
摂食障害における「食べる恐怖」や「体重が増える恐怖」も同じです。
絶望の真っ只中にいる時、人は「この暗闇を本当に抜け出した人」に会いたいと切望します。経験者のリアルな存在こそが、机上の理論では決して作れない「未来への希望」になるのです。
「寄り添うだけ」では治らない。だからこその「経験者×専門家」
「経験者にしかわからない痛み」は確実に存在します。しかし、「わかるよ、辛いよね」とただ一緒に泣いて寄り添うだけでは、病気は治りません。
痛みに心底共鳴しながらも、そこから抜け出すための正しいステップへと導く「専門的な心理支援」の力が必要です。
だからこそ、私は公認心理師という国家資格を取り、専門家としての知識と技術を磨き続けてきました。
「医師による医学的治療」だけでもなく、「なんちゃってカウンセラーの経験談」だけでもない。
専門的な知識に基づく確かなカウンセリングと、摂食障害の経験者だからこそ分かち合える痛みの伴走。
その両輪があって初めて、摂食障害の回復につながると、12年の臨床現場と私自身の克服経験から確信しています。
いま、どこに行っても摂食障害が治らずに孤独を感じている方がいたら、どうか諦めないでくださいね。
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