【家族の接し方】ちゃんと怒っていますか?

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

怒れない・怒らないお母様が、とても多いことを感じています。

「なんて言ったらいいか分からない」
「言ってもいい言葉と、言ったらいけない言葉の区別が分からない」
「症状だから、否定してはいけないと思って・・・」

こんなふうに、ホントはダメなことであっても、ダメと言えないお母様がとても多いです。

絶対に怒らなければいけないことは、以下の2つです。

・法に違反すること
・命にかかわること

これらは、「症状だから」「衝動だから」で済ませてはいけないのです。

食べたい!という欲求がおさまらなくて、万引きを繰り返したり、
イライラするから・・・とリストカットを繰り返して、身体じゅう傷だらけになったり、
身体がフラフラの低体重なのに動きまわったり。。。

早い段階できちんと対処しないから、長期化してしまうのです。

怒るところは、ちゃんと怒る。

上記の2つは、「気持ちに寄り添う」というレベルの話ではありません。
頭ごなしであっても、怒るべき場面なのです。


ダメなことは、ダメって言えますか?

上記はすべての人・家庭に当てはまる「絶対ダメなこと」ですが、
「我が家では、ダメ」ということがあってもイイと思っています。

以前から書いていますが、
私が摂食障害の頃、
「うちではダメ」というルールが、かなりありました。

過食であっても
過食衝動が抑えられない状態であっても、
以下の2つは絶対禁止でした。

・夜、1人でコンビニに行くこと
・歩きながら食べること

食べたいなら食べればいい。
食べるものを買いたいなら、買えばいい。

でも、暗い中、1人で出歩くのは危険だからダメ。

食べたいものを食べてもいい。
どんなに沢山食べてもいい。

でも、若い女の子が、歩きながら食べるのはダメ。

今から、思えば当然のことですが・・・
摂食障害真っ最中の頃は、こうしたルールで禁止される度に、
相当な親子バトルを繰り広げていきました。

「そういう世間体ばかり気にしているから、
私がこんなに苦しいんだ!」

「ツライから食べているのに、
帰り道でもガマンできないのに!」

そんなことを、当時の私は言っていたように思います。

どんなにバトルが繰り返されても、
母は絶対に譲りませんでした。


とにかく、ダメなことは絶対ダメ。

ずーーーっと同じことを言われ続け、
摂食障害の頃は、反発ばかりしてきましたが、

「同じこと」とは、
私が幼い頃からずっと「同じ」だったのです。

見た目が変わっても
摂食障害という病気でも
「うちの娘」は、「うちの娘」。

だから、「同じこと」で、
同じように怒るのでした。

・・・

こうした母の接し方に、
私が感謝するようになったのは、
バトルから何年も経ってからです。

感謝とは、

・一貫性のある接し方をしてくれていたこと
・どんな状態でも「うちの娘」でいられたこと
・「摂食障害の子」という考え方自体が無かったこと・・・etc.

現在の私が、
夜中にコンビニに走ることはありません。

どんなに空腹であっても、
歩きながら食べることはありません。

なぜなら、それが「いけないこと」だと、
私自身も思っているからです。

怒られるべき時に、怒られ続けてよかったと思っています。

摂食障害の母親カウンセリングを通して感じること。


お母様自身の「恐れ」です。

「恐れ」で、何も言えなくなってしまう。
「恐れ」で、何が正しいのか・正しくないのか判断できなくなってしまう。
「恐れ」で、考えるエネルギーすら無くなってしまう。

今、どれが当てはまりますか?

摂食障害のご本人の年齢が幼ければ幼いほど、
お母様の影響力は、とても大きいのです。

摂食障害のご本人のチカラだけでは、
回復には不充分なことも多々あります。

だからこそ、お母様が変わることに意味があるのではないでしょうか?

母親カウンセリングの4段階、忘れないでいてください。