体重を測定すると「こだわり」が強くなるVS「こだわり」が強いから体重測定!?

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

摂食障害と体重測定。

これは、とてもとても意味深いと思っています。
必要だと思っているので、現在の新規カウンセリング申し込み時には、過去3ヶ月の体重を明記していただいています。

理由は・・・

体重も「向き合うこと」の1つだと思うから。

摂食障害の治療者の考え方は、かなり多種多様です。
中には、

・体重計は家から捨ててください。
・体重は診察時だけ測定するようにしてください。
・体重は本人に見せない・・・etc.

こうした考え方を持つ治療者も多いようです。
けれど・・・私はこうした考え方に違和感しかありません。

なぜなら、体重も「自分のもの」だから。
他の「自分のもの」は、大抵の数値やデータを知っているし、知っていることが当たり前だからです。

身長、知っているはずです。
血液型も、知っているはずです。
生年月日も、覚えているはずです。

理由は、「自分のもの」だから。
知っていることが当たり前で、「知らない」という人がいたら、きっと驚くと思います。

それなのに・・・

体重だけは、「測っちゃダメ!」と言われるのは、おかしいと思いませんか?

体重を測定することがダメなのではなく、
体重に「こだわり過ぎの心」がダメなのです。

体重測定 = 行動
こだわり過ぎ = 心

行動だけを変えても、ホントは何も変わっていかないのです。
変わらないどころか、現実逃避ではないでしょうか?

拒食・過食の回復を目指すなら、
体重測定そのものが問題ではありません。

ホントに回復を目指すなら、
体重にこだわる心を変えていくのです。

もし、あなたが1日に何十回も体重測定したいなら、
どうぞ、やっていてください。

もし、あなたが1日に朝晩、測定して、その違いに一喜一憂して泣いていたいのなら、
それがあなたの「やりたいこと」なのかもしれません。

あなたの生活と、あなたの人生の中で、本当に大事なことが変わっていかない限り、
体重というモノや、体重測定の意味は、変わっていかないからです。

体重測定を何度も何度もしても、キケンな行為ではないので、私が無理やり禁止することはありません。

むしろ、「体重測定しない」ということを「回復」と勘違いしてしまっている方が多いことのほうが問題だと思っています。

世の中の治療者には、いろーーーんな考え方があります。
でも、多種多様な体重計が売っているのも、同じ世の中なのです。

普通の人に戻っていくことが回復なら、
体重測定を禁止・制限されることも、回復とはちがう方向に行くものではないでしょうか?

摂食障害をきちんと理解するために、もう1度。