摂食障害専門カウンセリング・中村綾子です。
この時期、ふえるご相談は
「学校どうしよう」
です。
すでに2月ですから、4月からの新年度が
不登校のまま続けるのか
留年になるのか
転校するのか
とりあえず退学するのか…
高校生・大学生にとっては大きな課題になっていきます。
今回は当オフィスのカウンセリングで1番多い「高校在学中の娘を持つお母様方からのご相談」に焦点を当ててお届けします。
以前、中学受験のブログ記事でも書きましたが
中高一貫に通っていても、転校する方は決してめずらしくありません。
摂食障害だから学校に行けれなくなったのか、学校に行けれなくなって摂食障害になったのか…
これは鶏が先か卵が先か…という話と同じですので、議論するだけムダです。
摂食障害と高校:1番大切にしたいこと
転校先を考える前にお伝えしたいのは
安易に決めないこと
です。
この場合の安易とは、
・お母様が決めてしまう(無言の誘導も含めて)
・転校すれば、対人関係の問題は解消すると考えてしまう
・高校卒業後の進路を考えていない
・治療との両立を考えていない
などが挙げられます。
中には、転校を繰り返してしまう場合もありますから、
・そもそも、転校自体が必要なのか
・そもそも、摂食障害をいつまでに治すのか
という話し合いも必要です。
これまでのカウンセリング経験を踏まえて、転校先として挙げられるものをご紹介します。
摂食障害と転校:高校えらび
(1)サポート校(+通信制高校。在籍は通信制高校になる場合がほとんど)
いわゆる通信制高校は、レポートを提出して試験を受けて、単位を取れば卒業…という流れです(もちろん学校によって異なりますが)。
その場合、もともと思い描いていた学校生活
・部活
・文化祭
・友達づくり
・学校帰りの寄り道…
とはちょっと異なる生活になる可能性が高いです。
ですから、サポート校に通いつつ、行事も経験しつつ、従来の学校生活にちかい状態を経験したい場合には、こうした選択をえらぶ方が多いです。
ただしサポート校は基本的に塾みたいなものですから、費用がそれなりにかかります。
(2)高卒認定を受験する
これは手っ取り早い方法ですし、自分で勉強できる人にとっては人間関係で悩むことが無くなります。
正式名称は「高等学校卒業程度認定試験」です。
様々な理由で高校を卒業できなかった方が、高校卒業程度の学力があることを証明するための試験で、合格すれば、大学・短大・専門学校の受験資格が得られます。
しかし、高校を卒業したことにはならず、最終学歴は、最終的に卒業した学校(例:中卒)になるので、勘違いしないよう注意しましょう。
(3)私立の高校に編入する
元々通っていた学校が公立・私立に限らず、編入できそうな学校を探して、編入試験を受けて…という手続きが必要になります。
私の知っている限り、このパターンは少数派かと思います。
摂食障害と高校:結局、どれが1番オススメなの?
結局、どれがオススメなの?という話ですが、目的次第かと。
潤沢なお金がある場合、 (1)(3)
早く大学に行きたい場合、(2)
特に(1)の場合は、サポート校との併用がちょっと複雑ですし、各学校によって多種多様なので(金額も)、入念にしらべることが大事です。
私だったらどうするか…と今考えるなら(2)です。
ただし、「高等学校卒業程度認定試験」は「高卒ではない」ですから、大学などに進学することが必須になります。
進路をきめなくてはいけない…という時、焦る気持ちが大きいと思います。
「ただしく焦る」ことは大事なことですが、学校だけではなく
摂食障害(拒食症・過食症)を、
・いつまでに
・どのような方法で
回復させるのか、を自分で決めて自分で取り組むことが「人生」というスパンでは大事なことではないでしょうか。
学校とは「人生」の一部でしかありませんから。
摂食障害:中学受験から中高一貫校に入学した後の進路
さらに、中高一貫校に通っているにも関わらず、転校を余儀なくされる場合もあります。
・摂食障害の入院で出席日数が足りない
・学校の対人関係に悩んでいる
・そもそも不登校だった…
など、理由は様々です。
私もカウンセリングの仕事を始めてから知ったことですが、こうした経緯をたどる方が実は少なくありません。
その後の進路としては「高校在学中に転校を考えるパターン」として前述した進路とほぼ同じですが…
中には、転校先でもうまくいかず、さらに転校…という方もいらっしゃるようです。
繰り返しになりますが、「安易な転校」はオススメしません。摂食障害の治療、そして人生というスパンで、親子でトコトン話し合った上で慎重に検討しましょう。