摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
ある日、掃除していたら、お嬢様の部屋には大量のお菓子の袋が…。
「こんなにたくさん、一度に食べたの?」
「なぜ隠れて食べているの?」
お母様としては驚きと戸惑いでいっぱいになりますよね。
もしかすると、お嬢様は過食症の兆候があるかもしれません。
しかし、このような場面でお母様がどう対応するかが、お嬢様の回復のカギになります。
【過食症と接し方】 まずは、「こっちで食べていいよ」と伝えよう
過食の行動を見つけたとき、つい「どうしてこんなに食べるの?」と問い詰めたくなりますよね。
でも、過食症の方にとって、食べることは単なる「食欲」ではなく、「心の問題」が関係していることが多いのです。
そのため、まずは「こっちで食べていいよ」と伝えてみましょう。
「隠れて食べることを責めないよ」と安心させることで、お嬢様も心を開きやすくなります。
過食症:お菓子を禁止するのは逆効果?
「こんなに食べるなら、お菓子を買うのをやめさせよう」と考えるかもしれません。
ですが、制限は逆に過食を悪化させる可能性があります。
「食べてはいけない」と思うほど、反動で食べたくなるものだからです。
パンやお菓子の買い置きも、これまで通りで大丈夫です。
ご両親が不在にする際も、お菓子などを隠す必要はありません。
おこずかいを制限するのも逆効果です。
食べることに関しては、いつも通りの1日3食、定食スタイルで出すこと。それだけです。
食べること以外の「心に向き合うこと」こそ大事なのですから。
*3ステップを図解しています。
私の過食時代:いつものテーブルで食べていました。
この話、カウンセリングでとても驚かれるのですが…
私が過食する時、いつものテーブルでいつもの席に座って食べていました。家の中にあるものを食べる時でも、コンビニで買ってきたものを食べる時でも、です。
そして、カウンセリングでお母様方からご質問をいただくのが、以下の2つです。
「先生が過食していた時、お母様はどこにいたのですか?」
「その時、お母様は何をしていたのですか?」
とても興味津々…という感じでご質問をいただきます(笑)。
母はフツーに過ごしていました。専業主婦でした。
テーブルの斜め前にソファがあるのですが、そこに座ってテレビを観ていることもありました。
時間帯によっては洗濯物を干していたりしたこともありました。
私にとって自分の部屋が食べる場所になったことは1度もありませんでした。これは幼いころからのいい習慣だったかもしれませんし、過食がはじまっても変わることはありませんでした。
過食症:家族は、「一緒に考える」姿勢を。
お菓子は「敵」ではありません。
「食べてもいいんだよ」と伝えたうえで、
・隠れて食べないことを約束する
・過食症の相談先を探す
・今の気持ちを本音で話し合う
など、できることから始めていきましょう。
過食症の回復は、家族が「向き合うこと」から始まります。
過食症の疑いがあるとき、お母様として「過食をやめさせなければ」と焦る気持ちはよくわかります。
でも、隠れて過食してしまうお嬢様にとって一番大事なのは、「心のSOSを分かってもらること」です。
過食症は心の病気ですから、心が回復すれば過食したいという気持ち自体なくなります。
まずは「食べても怒らないよ」と伝え、食べることよりも心に焦点を当てていきましょう。
過食症は「食べ物の問題」ではなく、「心の問題」です。
ご家族から
・過食症かもしれないと気づいた時
・家でできること/病院でしかできないこと
・これまでの取り組み…
などについて、専門家に相談することをオススメします。
過食症の回復は、ご家族が「向き合うこと」から始まります。
*オンラインですので全国対応です。
*中学生・高校生の娘を持つお母様に多くご利用いただいています。