彼氏に「もっと太らなきゃ」と言われて、チューイング悪化?!

摂食障害カウンセリング
中村綾子です。

友達に摂食障害のことを話したほうがいいですか?
彼氏がうすうす気づいているようなんですけど、どうしたらいいですか?

こうしたご質問は、絶え間なくいただきます。
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ですが・・・
「人との付き合い」という点で、
友人関係と恋愛関係は同じです。

そして、「人との付き合い」の根底には、
家族との付き合いがあるのです。

今回のご質問をご紹介します。

*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。

◆メルマガ読者さんからのご質問◆

彼も私が『食』が上手くいかないことは知っています。
でも、過食の衝動が出ると止められないことや、チューイングのことは知りません。

彼から「もっと食べて」「もっと太らなきゃ」「いっぱい遊ぶためには体力いるよ」とか言われます。
ただ私に元気になってほしいと思ってくれて、励ましてくれてるんだと思います。

そのたびに、私は悲しくなるのです。

もちろん私も元気になりたいし、摂食障害を克服したいです。

でも…今のままじゃダメだって思いながら頑張っていて、すごく疲れてきてるんです。
最近、特にチューイングなども酷くなっていて、毎日死にたいって思ってます。
自傷してしまうこともあります。とにかく不安で。

彼に、摂食障害のことをきちんと話すべきでしょうか?

ご質問をありがとうございます。

彼氏に話すか・話さないかについては、
友達に話すか・話さないかと同じと考えますので、
以下のブログ記事を参考にしてください。

話すメリット
話すデメリット

今回は、「頑張って、疲れて、悪化」というところに限定して、書いていきたいと思います。

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1.「頑張り方」を見直す

2.診察・カウンセリングへの同席

3.何のために治るの???

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1.「頑張り方」を見直す

「頑張って疲れてしまう」
「頑張って、余計、症状が悪化してしまう」

これは、とてもよくあることです。

よくあることですが、
「頑張り方」を見直すタイミングに来ているとも言えます。

私自身も、摂食障害だった頃、同じように『悪化』した時がありました。
何度も経験済みですが、その中から1つ挙げるなら

■過食嘔吐無しの記録作りをしていた時期

「吐かない◯ヶ月」と掲げていました。

その時期が長くなっていくことが嬉しかったです。
主治医に報告するたびに、誉められて、
ますます記録に執着するようになっていきました。

結局、頑張っていたことは、ガマンでしかありませんでした。

ガマンだから必死。
必死だから心が苦しい。
記録のために続けるから、しばらく後に、症状が爆発したのです。

今、頑張っても上手く行かなかったり
頑張っているはずなら、方向性が間違っていないか、
見直していきましょう。

その時大切なのは、客観的な視点です。

あなただけで考えると客観的になる事は難しいです。
家族だと近すぎる存在です。
友達や彼氏だと、「嫌われないか」という心配も始まってしまいます。

そんな時こそ、あなたの治療者(医師・カウンセラー)に頼ってみてください。
回復の道のりを共に歩んでいくのですから。

2.診察・カウンセリングへの同席

摂食障害は、とても理解されにくい病気です。

母親カウンセリングでも
ご本人の摂食障害カウンセリングでも
日々、痛感しています。

だからこそ、周りが間違った対応をして
あなたを追いつめてしまうことは、とてもよくあることかもしれません。

私は、診察やカウンセリングへの同席をオススメしています。

あなたが、受けている治療
あなたの現在の状態
家で取り組むこと
家族が出来ること・出来ないこと

そうした内容を、あなたの治療者から直接話してもらうことは、
正しい理解につながっていくのではないでしょうか?

3.何のために治るの???

これ、ちゃんと考えている人が少ないように思います。

今の症状を無くすことばかりに目が向いていませんか?

例えば・・
過食嘔吐を「マイナス」とします。

今、毎日過食嘔吐している場合、「マイナス」がいっぱいある状態ですよね。

その「マイナス」がとても多いから、
「マイナス」を減らすことばかりに意識が向いてしまうのではないでしょうか?

確かに、「治った」という状態は、
過食嘔吐が無い状態です。

けれど、「マイナス」をゼロまで持ち上げても
(=過食嘔吐なし)、
あなたは、それだけでは生きていけないのではないでしょうか?

症状がないのは、
社会生活をしていく上で、大前提です。

症状が減っていく為に、
今の摂食障害の治療があります。

ですが・・・
その先の生き方を考えていますか?

摂食障害真っ最中の時は、
症状だけで、毎日が過ぎていきます。

症状はつらいことですが、
症状だけをみていれば済んでしまいます。

症状が無くなるには、
他に頼れる物を作り、頼れる人を増やしていくのです。

そして、症状が無くなった後は、
あなたがやりたいことをやっていく人生を作っていくのです。

何がやりたいですか?
どうなりたいですか?

今、20代なら、寿命まであと60年あるのです。
あなたは、もっと自由になっていい。
あなたは、やりたいことを叶えていい。

あなたの人生なのだから、
あなたが生き方を決めていくのです。

こんな苦しい生き方から、卒業していきませんか?