「食べたら太る、嘔吐するしかない」と言われた時。家族の接し方とは

2020/05/28修正

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

過食嘔吐に悩んでいるお嬢様との家族の「接し方」。
ご家族は、本当に日々悩んでいらっしゃることと思います。

今回は具体的なお嬢様の言葉を例にあげながら、説明していきます。

過食嘔吐したい!を受け入れますか?

過食嘔吐に悩むお嬢様への接し方の大原則として、

・「言いなり」にならない
・「その場しのぎ」ではなく、回復に役立つことを選択する
・「ふつう」を大切にする

があります。

そこで、「過食嘔吐したい!」とお嬢様が言った時、どうするか?

「あなたがやりたいのなら・・・」と言ってしまうのは、間違いです。
「言いなり」であり、「その場しのぎ」だからです。

ここで大事なのは、受け止めると受け入れるのちがいです。

図解で説明します。
まずは、良い例として、「受け止める」です。

青:摂食障害のお嬢様の言葉・気持ち

ご家族のほうに、青ボール(お嬢様の気持ち・言葉)が飛んできた時、それを受け止めることは必要です。

「あなたは、過食したいって思っているんだね」
「過食したくてたまらないんだね」

でも、ご家族は、そこで受け止めるだけです。

なので、ご家族は、これまで通りの生活を続けることが大事です。

「あの子が食べるから・・・」とわざわざ大量の買い置き(またはダイエット食品の購入)に協力しない。

「あの子は普通の夕飯を食べないから」と夕飯を作らないのではなく、家族として、摂食障害の発症前と同じように用意する。

ご家族は、こうした接し方をずーーーーっと続けてください。
一方で、受け入れてしまう・・・という例をご紹介します。

何もかも「いいよ」と言ってしまう。
買い物時でも、旅行先でも、「過食嘔吐したい」というお嬢様に何も言えず「受け入れて」しまう。

そんな接し方が、摂食障害をやりつづけるサポートになっていることに、お気づきでしょうか?

ハッキリとお伝えします。

やりたいことを尊重するだけでは、摂食障害は回復しない。

食べて吐くことが、ホントの「やりたいこと」ではありません。
そして、食べて吐くことは、身体にはぜったい悪いことです。

太りたくないという言葉は、心の根っこにある「ホントの悩み」ではありません。
過食嘔吐をするお嬢さまがホントに分かってほしいことは、言葉にもできない・表現できないほどの辛さなのです。

そこを、ご家族が、感じようとすることこそ、本当の「接し方」なのではないでしょうか?

「食べたら太る。だから嘔吐するしかない」と言われたら、どう答えるか?

食べたら太る。
それは、ホントですか?

一般的な3食の食事をして、急激に体重がふえることって、ホントにあるでしょうか?

誰かの言葉をうのみにするのではなく、どこかの情報をそのまま信じるのでもなく、ご家族自身がちゃんと考えてみてください。

フツーの食事を、ある程度決まった時間に食べて、ホントに劇的に太ることって、あるのでしょうか?

きっと、分かるはずです。
そんなこと、絶対ないって言えるはずです。

だから、そのまま、摂食障害のお嬢様に伝えてください。

「何言っているの!?」
「そんなこと、あるわけないでしょ!?」

って。

できますか?
ご家族は、ハッキリと、毅然とした態度で、言い続けることが出来るでしょうか?

その上で、「食べたら太る、嘔吐するしかない」といい続けるお嬢様に、なんて応えるか?

・そういうふうにしか考えられなくなっている状態であること
・過食嘔吐を繰り返してきた場合、身体の中身が変わってしまった可能性があること
・ずっと「太る太る」と思いながら食べることって、しんどいことだよね。

こんな話を、冷静に繰り返してみてください。

だから、家族のチカラだけでは、摂食障害は回復できないことも。

考え方が、コリ固まってしまったこと。
そこに至るまで、かなり長い月日があったこと。
身体へのダメージも計り知れないこと。
心もずっと苦しいのは、今もこれからもつらいこと。

「だから、ちゃんと治そう」

ご家族には、そんな問いかけをしてほしいのです。

今も思い出す大切なクライアント様のお話があります。
母親カウンセリングからのご卒業後、お嬢様の大学合格のご報告をいただきました。