「過食は必要なこと」という大きな勘違い

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

過食は必要だから、止めてはいけない。
過食することで、自分のバランスを取っているのだから、何も言ってはいけない。

こうした言葉が多く出回っているようですが・・・
ホントだと信じてしまっていませんか?

私は、真逆の考えです。

「過食が必要」と言い続けたら、「ずーっと摂食障害でいていいよ」という意味になります。
「過食でバランスを取っている」という言葉は、過食が「欠かせないモノ」と肯定していることになります。

だから、上記の考え方では治らないのです!

具体的には、以下の3つから考えていきます。

■「過食は必要」という考え方を問い直すヒン

1.過食をアルコールに置き換えて考えてみる
2.過食を肯定・否定しないいかわりに、「ふつうの家族」として接する
3.変わるの3段階。崩す、ゼロになる、再構築する

(1)過食をアルコールに置き換えて考えてみる

アルコール依存症はよく知られた病気ですが・・・
拒食・過食も依存の一種だと言われています。

食への依存。
だから、置き換えて考えてみると、分かりやすいのです。

アルコールを飲み続けて、
身体がボロボロの人がいるとします。

辞めたいけど、
辞められない。

アルコール依存症。
このまま飲み続けたらキケン!

そんな状態の人に、こう言いますか?

「アルコールは、今のあなたにとって必要なんだよ」

言わないはずです。きっと。
どんなに耐え難いストレスがあっても、
それをアルコールで誤魔化しても、身体に有害になるだけです。

このアルコールの例は、大抵の人が理解できると思います。

過食も同じ。

過食し続けて、太っていく。
太り続けて、身体の中にいろんな弊害が出てしまう。

過食したから、友達との予定をドタキャンしてしまう。
過食しそうだから、予定を入れれない。

それでも、「過食は必要」と言えますか?

きっと、違うと思います。

どんなに悩んでいても
どんなストレスを抱えていても、

無茶苦茶に詰め込むほど食べ続ける過食は、必要ではありません。

過食が必要な人なんて、いないのです。

(2)過食を肯定・否定しないいかわりに、「ふつうの家族」として接する

「過食は必要なんだよ」という言葉は、過食を肯定してしまっている言葉です。

ホントは肯定も否定もいらないのです。
発熱と同じだからです。

「40度の熱が必要なんだよ!」とも言いません。
「40度の熱を出すなんて!」と怒ることもありません。

ただ、熱が出ている。
高熱が出てしまった。
それだけです。

接し方も同じです。

熱が出た時、
熱で苦しんでいる子がいる時、
どんな言葉をかけますか?

「早くよくなるといいね」

熱に対して何も言わないはずです。
そして、早く治すためのサポートをするはずです。

病院に連れて行ったり
飲み物を用意したり
おかゆを作ったり

それ以外は、「見守る」ことが、家族の接し方ではないでしょうか?

熱が出ている時に「勉強しなさい!」とは言いません。
熱が出ている時に遊び歩いたら、怒って止めるはずです。
熱が出ている最中に、「●●に行きたい」「アレが欲しい」と言ったら、「治ったら、行こうね」と言いませんか?

過食でも同じです。

毎晩毎晩、過食続きなのに、
勉強も仕事も普通に続けることを当たり前と考えていたり

過食が激しくても、病院などの治療には行かずに遊び歩いていても、止めれなかったり、

過食の治療ではなく、「欲しいもの」「行きたい場所」ばかり叶えてあげたり・・・etc.

今、接し方を間違えていませんか?

(3)過食症が変わるの3段階。崩す・ゼロになる・再構築する

変わることは、とても難しいことです。
ちょっとカウンセリングを受ければ、パッと変わる!


そんなカンタンに考えないで欲しいと思います。

■変わる3段階

・崩す
・ゼロになる
・再構築する

新しい自分作りなのです。
ちょうど、建物を建て替えるのと同じです。

古いマンションを新しいビルに建て替えるには・・・

古いマンションの取り壊し(=崩す)

更地にする(=ゼロになる)

新しいビルの計画を作る

新しいビルの土台を作る

新しいビルの全体を作る

新しいビルの内装を作る

新しいビルのインテリアを考える(=再構築が完成)

とてもとても長いプロセスなのです。
古いマンションから、新しいビルへ。
直接、「変身」することは不可能です。

一旦、ゼロになる。

そのプロセスが不可欠なのです。

いかがでしたか?
これまで信じてきたこと、間違っていたこと・考え直したことは、どのあたりだったでしょうか?

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