摂食障害カウンセリング
中村綾子です。
摂食障害が治ったか・治っていないか。
これは、主治医からハッキリ伝えられることは少ないようです。
そして、「治ったつもり」になっている方を
多く見聞きしています。
今回は、職場でのやりとりからご質問を
いただきました。
今は特に摂食障害の問題がない私ですが、
職場で言われた発言が気になっています。
昼食を食べようとしたら、
「えっ!そんなに食べるの!?」と言われました。
言われてからは、食べる量を制限しました。
言われたのが気になって、
どうしたら、良いでしょうか?
*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。
ご質問をありがとうございます。
他のご質問でも感じることですが・・・
「職場での指摘」以外にも
いろんな要素が含まれていますよね。
職場で「言った人」が悪いのではなく、
あなた自身の反応から気づくこと。
たくさんあるのではないでしょうか?
今回も以下の3つで考えていきます。
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1.摂食障害の問題って何?
2.治った基準を再確認
3.食べる量って、そんなに大事?
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1.摂食障害の問題って何?
文中の言葉を引用させていただくと、
「摂食障害の問題」は『無い』けれど、
『(職場の言葉で)食事を制限』ということですよね???
この矛盾に気づいていますか?
それとも、
職場の人に言われるまでは、『問題が無かった』という意味でしょうか?
ホントに問題がない状態とは、
言われても・言われなくても
アクシデントが起こっても・起こらなくても
食事には何ら影響が出ない状態です。
周りの言葉や態度で、拒食・過食になることも無い。
拒食・過食で周りに影響することも、無い。
つまり、
周りの言動・行動 ⇔ 食
この両方が『無い』のです。
ちなみに・・・
今の私が、「そんなに食べるの?」と言われたら、
「うん!お腹ペコペコで死にそうだから(笑)」
「これ、美味しいよ!食べた??」
「今日は、ガッツリ日和(笑)」
沢山食べることが悪いわけじゃないし、
食べても大して太らないし、
自分でお金払って食べているのに負い目なんて無いし、
だから、別にいいじゃん(笑)。
2.治った基準を再確認
「治った」という思い込みのまま過ごし、
何年か後に、症状が爆発してしまう・・・、と
いう状態を見聞きしています。
体重や生理の回復だけに
焦点を当ててしまう場合、その傾向が強いようです。
私は、治ることとは、
(1)年齢相応の社会生活が出来る
(2)体重がふつう
(3)体調の問題がない
これらが必要だと考えます。
具体的に書くと、
(1)年齢相応の社会生活が出来る
・学校・仕事に行ける
・対人関係に特に問題がなく、付き合いが出来る
社会の中で生活すれば、
人との関わりで必ずストレスがあります。
ストレスがある生活の中で、
ストレスを自分でコントロールして、
摂食障害の症状が出ないことが必要なのです。
今回のご質問以外でよくあるのが、
「ぽっちゃりしたね」
「元気そうだね」
「ふっくらしたね」という言葉です。
これらの言葉にも影響されない心です。
また、「付き合い」には、買い食いや外食も含まれます。
年齢相応の楽しみがあるはずです。
それらが、当たり前のように楽しめることではないでしょうか?
(2)体重がふつう
「ふつう」です。
大抵、「ちょっとぽっちゃり」でも、周りから非難されることはありませんが、
「痩せ」の身体は、周りは無言で心配していることが多いです。
なので、心配されない身体が必要ではないでしょうか?
(3)体調の問題がない
自然な生理があること
立ちくらみや怠さが無いこと
学校や仕事をしても、疲れがすぐに回復すること・・・etc.
「摂食障害だけど、体調がいい」という方が
時々いらっしゃいます。
残念ながら、自覚症状がある場合よりも
深刻化している場合がほとんどです。
摂食障害が長期化しすぎて、
感じられなくなってしまっているのです。
今のあなたは、ホントに「治った」と言えますか?
3.食べる量って、そんなに大事?
今、問題なのは「食べる量」でしょうか?
食べる量を指摘されたから
食べる量が気になっているのでしょうか?
ホントの問題は別のところにある気がしています。
ほぼ全員の摂食障害の方に言えることですが、
食は表面的な問題でしかありません。
■「そんなに食べるの?」と言われた
↓
自分を否定されたように感じてしまう
■「ぽっちゃりしたね」
↓
「華奢な自分」じゃないから、可愛くない
またいじめられるんだ
これらはごく一部ですが・・・
こんなふうに、あなたの中で自動変換が起こっていませんか?
いつも人と比べて
優越感を見出したり
いつも人を見下すことで
自分の存在を確かめたり
だから、
人より
痩せているか
太っているか
多く食べているか
少なく食べているか
それらが気になって仕方がないのではないでしょうか?
ホントの問題と向き合っていますか?
ホントの問題を「食」とすり替えていませんか?
私は、食から自由になるには、
食以上に、ホントの問題と向き合うことが不可欠だと思っています。