摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
一緒に考えて欲しいから話しているのに、
いつの間にか、お母さんのグチを聴いている
答えが欲しいわけじゃない、
ただ一緒に考えてほしいのに、
すぐに「こうしたら?ああしたら?」と言ってくる
一緒に考えて欲しいのに、
すぐお母さんが意見してくる
悩んでいるから話しているのに、
「そんな気にすることないよ!」と言われて、
私は気にしているから言っているのに・・・etc.
摂食障害に悩む方のとてもとてもよくある声です。
もちろん、「分かってほしい」も多い声ですが、
上記のような「一緒に考えて欲しい」が最近とても多いです。
決して、お母様方も「考えていないわけではない」と
思いますが、摂食障害の娘さんたちの想いは、あんまり通じていない印象を受けます。
今回は、そうしたズレと勘違いを埋めていくために、
1つ1つ解説していきたいと思います。
「一緒に考えてほしい」には、
様々な欲求が隠れている印象があります。
(1)「私」と向き合ってほしい
(2)悩みを共有・共感してほしい
(3)考える時間を与えてほしい
この3つに必ず断定できるわけではありませんが、
解説していきます。
(1)「私」と向き合ってほしい
これが、もっとも多い印象です。
向き合うとは、
時間を共に過ごすということ。
治るきっかけ探しに
翻弄するのではなく
高価な買い物がしたいわけでもなく
旅行にたくさん行きたいのでもなく
ただ一緒に考えることで、
向き合うという作業をしていきたいと願っているのです。
(2)悩みを共有・共感してほしい
これは、お母様方に勘違いが起こりやすいです。
「落ち込んでいるなら、励まさなきゃ!」と思っていませんか?
実は、励ましは逆効果になる場合が多いです。
一緒に考える時間を通して、
落ち込んでいる状態を知ってほしいのです。
■一緒に落ち込んでいたら、前に進まないのでは?
前に進まなくても
一緒に立ち止まることは出来ます。
立ち止まることで、冷静になれるかもしれません。
■そんな暗い気分に浸っていたら、こっちまで病気になりそう!
摂食障害の娘さんの気分に引きずられるかどうかは、
お母様自身の問題です。
「浸る=引きずられる」ではありません。
「一緒に考える」を通して、
一時的に浸ることは必要なのです。
同じような気分に浸ってもらえた時、
摂食障害の娘さんの中に、
「分かってもらえたかも。。。」という気持ちが
沸きだすのではないでしょうか?
(3)考える時間を与えてほしい
考える時間とは、娘さん自身が「考えたい」と思っているからです。
考えたいのに、
お母様が真っ先に答を出してしまっていませんか?
「あーでもない、こーでもない」
一見、時間のムダに見える関わり方かもしれません。
でも、一緒に考えることで、
娘さんの中に、自分で動き出そうとするチカラが育っていくのではないでしょうか?