拒食症の回復は、入院経験がある方が治りやすいか…というと、どちらともいえないのが拒食症の現状です。
こんにちは。
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
拒食症の場合、
・自分でカロリー計算が辞められない
・過活動が辞められない
・家にいてもイライラしてしまう
ということが多いはずです。
同時に、体重も少ないというなら、「入院してゆっくりしたら」という提案がでる場合があります。
これは命がキケンな低体重でない場合も含めて、です。
拒食症:入院したけれど、休めない!?
拒食症の入院生活は、結構「異様な環境」です。
ふつうの生活とは、切り離された環境です。
しかし、スグに「入院生活のほうが普通」という感覚になりやすいのも、またコワイところではないでしょうか。
拒食症の入院:他にはどんな患者さんが入院しているか
拒食症の入院は、大抵は精神科です。
精神科ですから、イロイロな人が入院しています。
もちろん、同じ病棟に男女います。
ひとりでずーっと喋り続けている人
昼間から、ロビーで寝ている人
何年も入退院を繰り返している人
入院病棟に居ると、パジャマ一枚で見ず知らずの男女(他の入院患者さん)と顔を合わせて24時間生活しているのですから…
通常の生活ならあり得ないですよね。
パジャマ姿なんて、家族くらいしか見せない姿ですから。
拒食症の入院:外出制限は過活動の回復に役立つか?
もちろん、入院先の病院によっても、主治医の先生によっても、状態によっても異なりますが…
拒食症の入院の場合、行動制限が課せられる場合が多いです。
特に病院の外に行く「外出」は、あまり許可されません。
私が入院した時は、
・外出できる人
・外出できない人
が、結構区別されていました。
もちろん、拒食症で入院したばかりの私は「外出できない人」でした。
「外出できる人」が複数あつまって、近くのショッピングセンターに歩いて買い物に行っていました。
その様子を「外出できない人」たちは、
・いいなぁ~
・買い物行けるっていいなぁ~
・●●買ってきたんだ…
と、幼い子どものように眺めていたのが、すごく印象的で同時に異様でした。
なぜなら、ほんの数日前の私は大学院生で、学校の行きかえりも買い物も「必要だから当たり前に行く」だったからです。
買い物が「いいなぁ~」と言われる世界って何だろう…と思ったのを今でも覚えています。
精神科病棟とは、そんな環境です(個人的な経験談ですが)
では、こうした行動制限によって、過活動などは治るのか?
一時的になくなると思います。
理由は、外出を制限されているから。
それだけです。
その後、反動がくる場合がほとんどです。
過活動は、カロリー消費よりも不安だから動き続けている、という理由が大きいです。
過活動について誤解されている方も多いので、こちらの動画で解説しました。
運動だけが過活動ではなく、いつも忙しくしていないと…というのも過活動ですから。
拒食症の心、ホントの不安を知っていただければ。
拒食症の入院:病気仲間ができる?
入院に期待を抱いているお母様方は、
・入院すれば同じ病気の子と知り合って、励ましあいながら治療に取り組めるのでは
・自分より回復が進んでいる人を見て、「自分も治りたい」と思えるのでは
と考えがちです。
これについてはYouTube動画で、くわしくお話ししていますので、ぜひご覧ください。
命の危険がある体重の場合は致し方ないですが…拒食症の回復は、入院に過度な期待をしないほうがいいのでは、と思っています。
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拒食症の入院は、こうした環境のため、「自由にゆったりリラックスして休む」というのは難しいと思います。
少なくとも私が入院した時は全然休めませんでした。
拒食症の心は、どうやって回復するのか?
拒食症のご相談もたくさんいただいていますが…まず第一歩は、家の中が変わることだと思っています。
拒食症の方は、非常に「感じやすい」です。
家の中の「空気」を感じています。
ご家族が穏やかに暮らしていることと同時に、何でも言い合える関係性があること。
これらは、食べることを強制するよりも、ずっと早い拒食症の回復につながります。
卒業をめざす継続コースでは、
・お母様が言いたいことを言えなくなった時期・理由
・拒食症のお嬢様にホントは言いたいこと
・治ったらやりたいこと…etc.
などを丁寧に聴き取り、じっくり話し合っていきます。
拒食症の回復は、家の中を変えることがスタートです。
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休んで回復すること。
休むことを、自分で自分に許せるようになること。
これは、拒食症だけではなく過食症でも過食嘔吐でも同じです。
継続コースのカウンセリングを経て、卒業されたクライアント様の声をご紹介します。
ぜひ、「心の変化」を感じてみてください。
卒業クライアント様の声はこちらです。
【ご卒業】休む・何もしないことへの罪悪感がなくなりました