摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
私がよくブログで書いている
「ラクになる」という言葉、勘違いしていませんか?
食べることを自転車に乗れるようになることで、例えたことがあります。
でも、「途中」と「ゴール」は違うのです。
たとえば・・・
自転車にフツーに乗れる状態は、
ゴールですよね?!
ラクに
スムーズに
特に頑張らずに
スイスイ進む自転車。
でも、そのゴールにたどり着くまでは、
何度も転んで
何度も嫌になって
何度も「もうイイ!」と投げ出したくなって
いろんな「途中」を経験しているはずです。
これは、摂食障害克服後の「ラクになる」の過程と同じです。
ラクに人と付き合えて
ラクに1人分を食べて
特に頑張らなくても、極端に太ったり痩せたりせず
大抵のやりたいことが、スムーズに進む状態。
これが、克服後のゴールです。
だから、治ろうと思った時、最初からラクではありません。
ラクになるために、今があるのです。
出来ないことに取り組むのだから、大変なこともいっぱいあります。
フタをしてきた感情を見ていくのだから、ツライ気持ちになることもあります。
避けてきた現実をみるのだから、怖い経験もたくさんあります。
人と付き合わなかったのなら、外に出れば傷つくことは山ほどあります。
それは、ラクではありません。
でも、「ラクになる」というゴールの過程なのです。
今まで、勘違いしていませんでしたか?
治ろうとイロイロやり始めたのに、全然ラクじゃない。
ちょっとずつ症状は治まってきたのに、ラクになっていかない。
言いたいことを言おうとしているのに、ラクに言えない。
そんな時、途中で投げ出してしまったら・・・
この先もずーーーーっと「ラクになる」というゴールにはたどり着かないのです。
自転車に乗れるのが、フツーなのと同じように、
食べて、仕事(学校)に行って、人と付き合って・・・という社会生活もフツーなのです。
ラクになるっていうゴール、
見失わないでいてください。
でも、ゴールだからこそ、
今がラクじゃないことも、「当たり前」だと思っていてください。
ラクじゃないけれど、
イヤなこともいっぱいあるけれど、
それでも向き合おうと思えるかどうか。
それが、回復が始まるかどうかの分かれ道ではないでしょうか?
ゴールまで一直線ではありません。
苦しい日々も大切なプロセスなのです。
私は「治って良かった」だけでなく、
「苦しんできて良かった」と思うのです。