摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
摂食障害の回復って、どう進んでいくの?
誰もが気になることですが・・・
これは、説明がとても難しいです。
理由は、本来の回復プロセスに乗るまで、心の葛藤が大きく続くからです。
心の葛藤が続く時期も、回復が進んだり後退したり、いろんなことが起こっています。
さらに、「拒食の場合」「過食の場合」と分けて考えたい、体重変化を分けて考えたい、という気持ちはありますが、ほとんどの場合、混ざっているのです。
拒食から過食になる人も多いです。
過食でも拒食でも、ある程度体重が一定の人もいます。
拒食過食を繰り返し、体重の増減もゆれ幅が非常に大きい人もいます。
まずは、私・摂食障害専門カウンセラーが考える、《本来の》摂食障害の回復プロセスとは・・・
(1)身体の回復
↓
(2)心の回復
↓
(3)社会適応・社会復帰
です。
ですが、上記の通り多くの場合は、混在しています。
また身体の回復が追い付いていない状態で、学校・仕事を続けてしまう方も、残念ながら多く見受けられます。
「追いついていない」だけではなく、命がキケンの場合も、多々あります。
「ウチは、大丈夫」と思っているご家族こそ、「命のキケン」について改めて、シビアな視点で考えてほしいと思っています。
1つずつ解説していきます。
(1)身体の回復
低体重の場合は、一般的な体重まで回復して、生理が自然に回復している状態です。
過食・過食嘔吐の場合は、体重だけではなく、過食・過食嘔吐という症状そのものが、身体にダメージを与えていますので、それらの症状が無くなることです。
(2)心の回復
心の回復のためには、心の葛藤があります。
これは、かならず専門家と一緒に行う必要があります。
・これまで自分を苦しめてきたもの
・これまでホントは言いたかったこと
・拒食・過食に走りやすい自分のパターン
・何をして生きていくか?何をやりたいか?
じっくり時間をかけて、何度も何度も似たような話合いを繰り返しながら、「自分」と向きあう作業が必要になります。
そんな繰り返しの中で、少しずつ摂食障害の原因が、ご自身の中で分かってきます。
(3)社会適応・社会復帰
上記のプロセスを、順調に経過してきている場合、この時点で、身体の回復(症状ゼロ)だけではなく、心の落ち着きも取り戻しているはずです。
その上で、(2)でクリアになった「何をして生きていくか?」をもとに、社会復帰・社会適応のプロセスです。
過剰にまわりの人に合わせ過ぎることなく
人の目を気にしすぎることなく
熱中して心身の健康を害することなく
いろんなことが、「だいたい」適度にやっていける状態です。
この状態が、安定して続いてこそ、摂食障害の再発予防にもつながるのです!
・・・
いかがでしたでしょうか?
摂食障害の回復プロセス、あまりにも理想論だと思っていませんか?
たしかに、私自身の回復を振り返っても、いろんな摂食障害のクライアント様と重ねて考えてみても、ホント理想論です。
けれど、理想から大きくはずれている場合、命のキケンや摂食障害の慢性化の可能性大と言えます。
心を扱うカウンセラーですが、身体という枠組みがあってこその心だと考えます。
摂食障害に悩んでいるあなたの身体、大丈夫ですか?