【摂食障害】リエゾンこどものこころ診療所:気を付けたいこと

ドラマ「リエゾンこどものこころ診療所」第4回で取り上げられた摂食障害について、克服経験者として、カウンセラーとして、気を付けたいことをお届けします。

開業10年目・摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
国家資格・公認心理師です。

先日のドラマ「リエゾンこどものこころ診療所」は、かなり話題になっていますね。

私も視聴してみましたが…色々思うところがたくさんあって、終始モヤモヤしておりました(^^;)

良かったところと、イマイチなところをそれぞれ3つずつ挙げて解説します!

ドラマから学ぶ摂食障害:よかったところ3選

摂食障害専門カウンセラーとして、やはり家族の接し方に目が行きました。また友人関係は、学生時代とても大切な役割を持つと思いますので、この3つを挙げます。

よかったところ(1) 家族が病院に連れていったこと&通院を続けていること

倒れる⇒紹介状⇒「こころ診療所」を受診という流れだったと思いますが、比較的スグ受診しているようでしたので、それが良かったと思います。

また本人があまり積極的ではなかったものの、ご家族が通院を続けさせていたこともよかったです。

摂食障害の通院をスグに辞めてしまったり、ご家族もなぁなぁにしてしまったりすることがありますが、やはり身体のことは病院でしか分からないですから、病院で検査など受けることも続けることも大切です。

よかったところ(2)過食用の大量のお菓子を主治医に見せたこと

母親が娘の部屋で見つけたものを、大きなカバンに入れて通院日に持参したシーンがありましたよね?

あれが良かったです(笑)。母親の行動力に拍手!

行動に出たのは母親としての本気を見せた場面です。こうした行動こそ、母親の本気が伝わるのです。

ただし…
あんなに大きなカバンを持参している母親に、娘は気づかなかったのだろうか…と、突っ込みたくなりますが(笑)。

ま、それはドラマですから(笑)。

よかったところ(3)友達に話せたこと

コレ重要!何もかも話せる友人は心の支えになります!

ドラマなので、たった一人に話せたことですごく心が救われる…というストーリー展開ですが、高校生なので他の友達の反応も気になるところです。

ちなみに、私が摂食障害の頃は、すべての友人に何もかも話してしょっちゅうメールでグチを吐き出し、聴いてもらっていました。いろんな友達に支えられたからこそ、治ることができました。

ドラマから学ぶ摂食障害:イマイチなところ3選

やっぱり、ドラマはドラマ…と思うしかない部分もありましたし、摂食障害がカンタンに治る病気と勘違いされても困る…と思う部分もありました。

イロイロあるのですが、その中で3つご紹介します。

イマイチなところ(1) 主治医の「無理に太らせない」発言が

コレ、本当に要注意です!

拒食症で低体重で、命がキケンな時は、本人の意思に反しても体重増加・強制的治療が必要になります。

ご家族も、「本人が嫌がるから」という考えではなく、命を守るために毅然とした態度で入院治療させることも必要です。

私は以前のYouTubeでもお話ししていますが「イヤでも体重を増やすことが必要」という考えです。

イマイチなところ(2)食事量だけで回復度合いを考えるのはNG

家族も主治医も、食事にかなり注目してしまっていますよね。。。注目しすぎな印象を受けましたし、母親の「食べてほしい」が伝わってくる食事も綺麗すぎるお弁当もNGです!

あくまで、摂食障害は「心の病気」ですから(ドラマでも「心の病気」という言葉はあったはず)食事量の変化だけで、心の葛藤・回復は描かれていないことは疑問に思いました。

ご家族が用意する食事は、あくまで「いつも通り」「ふつう量」がベストです。ただし一人分ずつの盛り付けはお願いしています。

くわしくはこちらの本をどうぞ。

イマイチなところ(3)あの状態で「寛解」と考えるのはぜったいNG

ドラマの終盤で、「寛解」という言葉が出てきたことに、すごい違和感がありました。。。

まだ治療スタートしたばかり…
実際、ドラマの終盤でも食事も残すことが日常的にある様子で「寛解」なんて早すぎです!

摂食障害は、症状ゼロになる病気です。
症状だけではなく、学校生活もふつうにできるようになることが、ホントの意味で「治った」と言える状態です。

当オフィスでは、

・拒食・過食の症状ゼロ
・学校・仕事がムリなく安定して続けられること

の両方が半年以上続いて、初めて「卒業」としています。

*ご家族にオススメ*
⇒【動画で学ぶ】拒食・過食をゼロにする方法

摂食障害の治し方:まとめ

摂食障害の回復には、ご家族の接し方が1番大切です。

ご家族の心が変わる

家の中の空気が変わる

自然に、お嬢様への言葉がけが変わる

お嬢様が変化を「感じる」

やっぱり治りたいなぁという気持ちが沸く

という流れです。

命がキケンな時は、強制的な治療に躊躇しないでください。

しかし、家で治す場合は、ご家族の接し方が何よりも回復につながります。

回復段階に合わせた対応が大切ですから、今お悩みの方はネット上に振り回される前に、個別相談をご利用くださいね。
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