名古屋市・刈谷市
拒食症の母娘が笑顔になるカウンセリング
中村綾子です。
私の好きな言葉の1つに、「大丈夫」があります。
不安になった時、ほっとする言葉です。
けれど、「大丈夫」がいつも役立つとは限らないと、最近、改めて感じています。
例えば、この2つの場面を考えてみましょう。
◆ずっと勉強に励んできた試験。
試験前日、不安に陥っている時、「大丈夫!やるだけやったんだから」と言われたら、ホッとしますよね。
「うん、大丈夫!」って自分にも言い聞かせて、安心して試験にのぞめますよね。
◆「勉強のやり方が分からな~い!」と入学したばかりの学校で困っている時。
「大丈夫」と言われても、何がどう大丈夫なのか。
どうして「大丈夫」と言い切れるのか。
それさえも分からず、「大丈夫」という言葉さえ、疑いたくもなりますよね。
では、この2つの違いは何でしょうか?
1.やる方法が分かっているかどうか。
2.やってきた事実・やっている事実があるかどうか。
試験前日の例は、「勉強方法」が分かっていて、ずっと勉強してきたという過去(事実)があります。
だから、「大丈夫」という言葉で、安心につながっていきます。
こうした、「大丈夫」の使い方は、摂食障害の回復でも同じなんです。
安定したサポートを見つけ、取り組んでいるのなら、「大丈夫だよ。焦らずにやっていこうね。」という言葉は、大きな安心につながります。
時に、「痩せたい!」という感情が沸いても、大丈夫。
時に、「食べれない・・・」ときがあっても、大丈夫。
時に、「もう治らないのかも・・・」と不安になっても、大丈夫。
それは、治る方法が分かっているのだから。
今は、治る途中を経験しているだけなんです。
一方で、どうしたらいいのか全く分からない段階なら・・・
大丈夫という言葉は、口先だけの言葉にも聞こえてしまうかもしれませんよね。
「どうやったら治るの?」
「どうやったら過食が止まるの?」
「もうイライラが止まらない!!」
こうした叫びは、お母様にとってすごく辛い言葉だと思います。
毎日耳にしていると、疲れ切ってしまうかもしれません。
疲れて早くどうにかしたいという思いから、「大丈夫!」と言っていませんか?
けれど、実際は、「大丈夫」と言っているのに、事態がますます収拾がつなかくなっていませんか?
だからこそ、「大丈夫」という言葉は、使い分けがとても大切なのです。
まずは、上記の2つの例のどちらに当てはまるか、考えていきましょう。
その上で、「その場しのぎ」「口先だけ」の言葉を、どんな言葉に変えていけるか、じっくり検討していきましょう。