
*治る希望は、ご家族から
摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。
摂食障害は、待つだけじゃ、ダメ!
本気でそう思っていますし、ほんとうに伝えたいことです。
たぶん、多くの病院などでは「様子をみましょう」と言われると思います。
しかし、その先生は、あくまで他人です。
(もちろん、カウンセラーの私も他人ですが)
様子を見て、拒食・過食が悪化しても
様子をみて、気づけば摂食障害のまま10年以上経過していても
様子をみて、学校の単位が足りなくなっても
ほんとうに困るのは、摂食障害のお嬢様+ご家族、です。
ですから…
様子を見るとか
待つとか
そういう接し方はダメなのです。
理由は3つ。
理由(1) 長期化により摂食障害の状態に、心身共に慣れすぎてしまう。

*学歴がすべてではないけれど…
長期化すればするほど、摂食障害に慣れてしまいます。心も、身体も、生活も、です。
ご家族の考え方も「摂食障害がずっと続いている状態の娘」がフツーになってしまっていませんか。
心の慣れ
、
摂食障害が長期化するとストレスを食べる食べないので表現すると言うパタンか定着してしまいがちです。
例えば、対人関係で悩む → コンビニに走る → 過食する。
心と向き合うことを避けてしまい、ますます長期化してしまうと言う負のループの陥りがちです
体の慣れ
拒食症の場合、一言と言えば、体が省エネ体質になってしまい、結果的に太りやすいからだつながってしまいかねません。
拒食の場合は食べる量が少ないため、少量のエネルギーを何とか体を維持させようとして神が頑張ってしまいます。
一方で、過食の場合は、急激な血糖値の変動が繰り返し起こり、それによって新たな過食が引き起こされたり、1日3食食べると言う事をしない生活が普通になってしまいがちです。
この場合、体重過多でも、慢性的な栄養不足に陥りがちです。
生活

*自宅でひとりぽっち…という生活にも慣れていませんか
摂食障害のまま、お仕事をしている方も、学校生活を続けて方もいらっしゃいますが…
自宅療養の場合は同世代との生活からかけ離れた生活をしている場合も少なくありません。
本来なら働く年齢であっても、
家で過ごすことが普通
昼夜逆転になってしまう。
同世代の友人との交流がない。
と、いったことが考えられます。
理由(2)家族が、お嬢様をサポートできる時間は有限だから。

*「時は金なり」という言葉をもう一度。
命は有限。
時間も有限。
にもかかわらず、「娘を焦らせてはいけない…」と、現実をスルーした接し方をしてしまっていませんか?
ご両親の高齢化
私はカウンセリングでもよくお伝えしていますが…
ご両親は、今、何歳ですか?
そして、今の年齢に10プラスしたら、何歳になりますか?
例えば、
◆現在
お父様:48歳
お母様:45歳
↓↓↓
◆10年後
お父様:58歳
お母様:55歳
こうした数字をリアルに眺めてみると、ぞっとしませんか?
10年先まで、お嬢様の摂食障害が続くことを考えたくはないかもしれませんが…
摂食障害を「見守るだけ」という接し方では、10年20年続くことも少なくありません
(実際、高齢者という年齢になっても、摂食障害が続いている…という方もいるようです)
10年先でも、ご両親は、今と同じ気力・体力を持ち続け、お嬢様をサポートできるでしょうか。
祖父母の介護など、時間的・精神的ゆとりが無くなりやすい
ご家族だけの話ではありません。
ご実家のご両親は健在でしょうか?
今、健在であっても、この先10年、同じ状態をキープできるとは言い難いのではないでしょうか。
介護
病気
施設入所…
等が予想されたりするはずです。
ご実家から何らかの助けを受けている場合も、受けていない場合も、これからの生活が変わるかもしれないことを、考えておきましょう。
定年退職などにより、金銭的サポートが難しくなる
会社勤めの場合、定年退職は誰もが迎えることと思います。
再雇用などで、長く働ける場合もあるようですが、
・給料の低下
・新しい環境へのストレス
・モチベーション維持の課題…
などに悩む場合も多いようです。
定年退職を迎える前に、お嬢様が「摂食障害の卒業」をはたすことは、やはり必要なことではないでしょうか。
⇒摂食障害の卒業をめざすカウンセリングとは。
理由(3)摂食障害は、命に関わる深刻な病気だから
ご存知の方も多いかと思いますが…例えば低栄養状態が続くことによる身体的合併症、過食が続くことによる生活習慣病のリスク、他の精神疾患の併発…など、さまざまな要因がからんでいます。
低体重の場合は、「入院させなくては…」とご両親も気づきやすいですが、入院治療が上手く行かなかったり、入退院を繰り返してしまう場合も少なくありません。
一方で、過食症の場合は、体型がふつう(or ぽっちゃり)であるが故に、ご家族も深刻にとらえるのが難しくなったり、「過食しているけど、学校・仕事には行けれているし」と過食を肯定してしまう場面も少なくないようです。
だからこそ、改めて、摂食障害は命にかかわる病気であること。
同時に、ご家族の「ただしい接し方」がお嬢様の回復には、1番有効であることを知っていただきたいと思っています。
まとめ:摂食障害は「見守るだけ」ではダメな理由

*治る希望は、ご家族から
摂食障害は、治る病気です。
しかし、「見守るだけ」で自然治癒する病気ではありません。
そのためにも、ご家族が「ただしい知識」「ただしい接し方」を身に着け、お嬢様の摂食障害を回復につなげていきましょう。
個別のご相談は、摂食障害専門カウンセリングで承ります。