摂食障害カウンセリング
中村綾子です。
何をすれば、摂食障害は治るの?
病院に通い
体重をはかり
食事をふやし
それで???
そんな疑問がいっぱいの状態があります。
私自身も、
栄養剤が処方され、体重測定だけの診察や
体重が増えたら、心が分かると言われ続けてきた過去があります。
そして、それらで改善していかなかったのも、事実です。
今回のご質問をご紹介します。
*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。
◆メルマガ読者さんからのご質問◆
娘が拒食症で、半年間入院しました。
小さい頃からバトンをしてたので、それをやりたいという思いだけで、辛い食事も耐えてきてます。
今は週1回病院に通ってます。
カウンセリングも受けてますが、役に立ってるのかどうかわかりません。
どういう治療が摂食障害を治す治療なんですか?
ご質問をありがとうございます。
本を読んでも
講演会に行っても
机上の空論のように感じてしまうことが多いかもしれません。
*摂食障害についてのご質問は、メルマガからご応募いただけます(メルマガのご案内)
私も、その時々の主治医に洗脳されてしまった時期が本当に多いです。
今回は、私の失敗談と共に、以下の3つでお届けします。
1.私が受けてきた摂食障害の治療(失敗談)
ご質問くださる方の中には、「闘病記=成功体験」として
捉えている方が多いですが・・・
実際は、【失敗談】ばかりです。
以下に挙げるのは、上手くいかなかった治療・取り組みの数々です。
失敗例1:拒食症の入院
入院を経験されている方には、ショックな情報かもしれませんが・・・
私個人として感じていることです。
世の中から切り離されたような入院生活で、ただ食べるだけの日々。
これに一体何の意味があったのか・・・
今もって疑問です。
失敗例2:栄養剤
エンシュアやラコールを処方されていましたが・・
「飲まないといけない」という想いから、普段の食をさらに減らすという悪循環。
何をやっていたのか謎です^^;;
失敗例3:体重を増やすためのアイスクリーム
これは、大学病院に入院中、カロリーを増やすために、指示されたことです。
毎日、毎日、ハーゲンダッツ。
今から思えば、凍らせたエンシュアとアイスクリームなんて、胃への負担を無視したやり方ですよね。
失敗例4:過剰な薬(処方された安定剤、睡眠薬など)
私が、他力本願で、自分で薬やメンタルについて勉強しなかったことの後悔が大きいのが、薬です。
夜10錠、寝る前10錠など、
とてもとても沢山の薬を飲んでいました。
そして、日中、フラフラでした。
どこからどこまでが、本来の摂食障害の症状で、どこからどこまでが、薬の副作用なのか、まったく見分けがつかなくなりました。
失敗例5:転院を繰り返したこと
転院10回しています。
合わない治療者(医師)のもとに通い続けるデメリットはあるものの・・・
自分に合うか・合わないかをしっかり吟味することなく適当に選んで通いはじめていたのが、最大の落ち度だったと思っています。
失敗例6:一人暮らし
これは、治療ではないですが、私が取り組んだことの中のおおきな失敗談です。
実家から逃げ出したいから一人暮らしをしていた時期があります。
でも、1人になると不安で不安で。。。
すごい過食になったり、
眠れなくなったり
怖くなったり・・・
結局、摂食障害が治っていない時に、環境だけ変えても、何も改善していかないんですよね。
2.摂食障害で、洗脳された間違った言葉/知識たち
私が、拒食真っ最中だったのは、約10年前ですが、
今でも、同じような言葉がとてもよく使われているようです。
NG例:体重には上げどまりがある
コレ、私には該当しませんでした。
体重が、40kgを越えても、45kgを越えても、50kgを越えても、どんどん増えていきました。
もし、体重が自動的に止まるなら、世の中に肥満体の人はいないはずですよね。
冷静に考えれば分かることも、主治医から洗脳され続けてから、分からなくなっていました。
NG例:体重が増えれば、考え方が変わる
よく言われていたのが、「40kgを越えたら、『死にたい気持ち』もなくなる」でした。
でも、全然ちがいました。
体重が増えれば増えるほど、もっと自分のことが嫌になっていきました。
これも、普通の人として考えれば分かることですよね。
体重50kgの人と
体重100kgの人。
体重が2倍あるから、考え方が2倍ちがうなんて、絶対に言えないはずです。
体重が増えれば、過食は止まる
過食は止まりませんでした。
過食がホントに止まるなら、
拒食症から過食症になる人なんて、いないはずです。
体重が増えれば、元気になる
これは、一部は正しいですが、一部のみです。
たしかに体重が少ないと
生理は再開しません。
でも、体重だけ増えても、「心の回復」が無ければ、「元気」ではないと思います。
3.摂食障害専門カウンセラーとして考える「治るために必要なこと」
いろーんな上手くいかない事ばかりでした。治療に絶望したことも少なくありません。
その中から考える、摂食障害が治るために必要なことを挙げていきます。
(1)摂食障害に、家族で取り組む姿勢
摂食障害に悩んでいる方の年齢が幼いほど、家族の姿勢が、回復には大きな支えになります。
どうか、カンタンに考えないでいてください。
話し合うということを、常々、大切にしてください。
摂食障害は、ただ食べれば治る病気ではありません。
家の中で起こっている問題なのです。
家族で考え
家族で向き合い
家族で取り組むこと
その意味では、私は、ご家族にも治療者が必要だと思っています。
(2)治療者の役割分担
これ、忘れがちです。
そして、私の過食が治まった大きな理由でもあります。
「足りないから食べるんだよ」と主治医を含め、いろんな人から言われました。
でも、「何が」「どれくらい」足りないのか、
そのためにどうすればいいのか
誰も答えてくれませんでした。
だからこそ専門家の食事アドバイスの役割が大きかったのです。
繰り返し書いていることですが、
治療者の役割分担は・・・
・医師:身体
・カウンセラー:心
・家族
この3つの役割分担がベストです。
家族は、家族としてフツーに接するのです。
特別扱い、続けてしまっていませんか?
(3)「今、できること」「自宅でできること」を毎日続ける
どんな有名な医師の診察を受けても、
カリスマ的なカウンセラーのもとに通っても
それ以外の時間のほうが、ずっと長いはずです。
だからこそ、毎日毎日「今、できること」を続けてほしいのです。
今、できることは何か?を見つけて、それをずーっと続けること。
できれば、その時々の気持ちや状態を日記風に書き留めておくと、回復にはとても役立ちます。
どうか、治ることを諦めないでいてください。
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▼拒食症から過食がはじまったら…
▼拒食症の入院:退院する前に、聞いておきたいことをまとめました。