
*摂食障害のお嬢様を変えようとしていませんか?
「娘のために、できることは何でもしているのに、状況が全く良くならない…」
「どうして食べてくれないの…もう親子関係も限界…」
摂食障害専門カウンセラーとして12年間、数多くのお母様方から、こうした悲痛な叫びをお聞きしてきました。
出口の見えないトンネルの中で、何をしても空回りしているような無力感に苛まれている方も少なくないでしょう。
しかし、その一方で、着実に回復への道を歩み、お嬢様の笑顔を取り戻し、摂食障害から卒業されていくご家庭もたくさん見てきました。
そうしたご家庭には、実はいくつかの明確な共通点があるのです。
今回は、私が12年のカウンセリング経験を通して確信した、「回復していくご家庭」に共通する3つのポイントについてお話しします。
1. 矢印を「お嬢様」から「自分」へ。まずはお母様から変わる勇気
お嬢様が食べなくなると、お母様方は
「何とかして食べさせよう」
「身体のリスクを説明して、分かってもらおう」と、
あらゆる方法でお嬢様に食べさせようとしてしまいます。
そのお気持ちは痛いほど分かります。
しかし、実はその「食べさせようとする姿勢」が、お嬢様にとっては「心をみてくれない…」という気持ちが沸き、症状を悪化させてしまうことがあるのです。
回復がうまくいくご家庭のお母様は、ある時点で、「お嬢様を変えよう」とする努力を手放し、矢印を「ご自身」へと向け直します。
これは、お母さんが悪かったという意味では決してありません。
お嬢様の言動に一喜一憂してしまうご自身の心をどう保つか。
不安や焦りでいっぱいになった時、どうやって冷静さを取り戻すか。
そして、食事の時間に、穏やかでたのしい時間になるために、自分に何ができるか。
唯一コントロールできる「お母さま自身のあり方」に目を向けるのです。
お母様が変わると、それに呼応するようにお嬢様の状態も少しずつ変化していきます(「母親カウンセリング4ステップ」参照)。
まずはお母さま自身が、「お嬢様を変えよう」とする努力を手放すこと。
それが、回復への最も確かな一歩となります。
2. 「なぜ食べないか」ではなく「なぜ食べられないのか」。摂食障害の原因に目を向ける
摂食障害は、単なる「食べ物の問題」ではありません。
体重の数字や、食べた量、カロリーといった目に見える現象は、「心の問題」の氷山の一角に過ぎないのです。
回復に向けて歩み出すご家庭は、この「氷山の一角」と戦うことをやめ、水面下にある心の問題、つまり摂食障害の原因について取り組みます。
「なぜ、この子は食べられなくなってしまったのだろう?」
お嬢様にとって「食べないこと」は、これまで蓄積されてきた心の辛さから自分を守るための、唯一の手段なのかもしれません。
表面的な食行動を責めるのではなく、その背景にある心の痛みに見つけ、理解し、改善につとめること。
この視点の転換が、摂食障害の原因の解決へとつながっていきます。
3.摂食障害の回復は長期戦だと理解すること。
お母様が目先の変化だけに振り回されず、「長い目」で構えていることこそが、お嬢様にとって最大の支えになるのです。
「早く治ってほしい」と願うのは、親として当然の気持ちです。しかし、摂食障害の回復は、残念ながら今日・明日に治るものではありません。
年単位の時間がかかる、長い長い道のりです。
回復していくご家庭は、この事実を冷静に受け入れ、「長期戦で取り組む」という覚悟を持っています。
長期戦とはいっても、「いつか治る」と漠然と取り組んでいては、時間だけがダラダラと過ぎてしまいます。
時間こそ、唯一取返しがつかないものですから、「いつまでに、どこまで治る」といったスケジュールを立てて、取り組んでいきましょう。
摂食障害の回復スケジュールを作り方はこちら↓↓↓