
摂食障害専門カウンセラーの中村綾子です。
今日はお母様方にとって、とても大切なお話をお届けします。
拒食症のお嬢様がどんどん痩せていく姿を見て、
「食べさせなきゃ」
「体重を戻さなきゃ」
「カロリーを摂らせなきゃ」
と必死になっていませんか?
命を守るために、その焦りは当然の親心です。
ですが、実はその「体重への注目」こそが、回復を遠ざけてしまう最大の落とし穴になっていることがあります。
拒食症の克服経験を踏まえ、なぜ体重管理や周囲の介入が逆効果になってしまうのか、その心理的メカニズムを解説します。
ご家族の「体重への心配」が、拒食症の「体重へのこだわり」につながる
結論から言うと、周囲が「体重!体重!」と数字を気にすればするほど、お嬢様の「体重への執着」は強化されてしまいます。
どういうことか、ご本人の心の中で起きているプロセスを紐解いてみましょう。
1.【拒食症の心理】 「やっぱり体重がすべてなんだ」という思い込みへ
摂食障害の渦中にいるお嬢様は、もともと「太るくらいなら、死んだほうがマシ」「治らなくていい」という極端な思考(認知の歪み)を持っています。
この状態で、病院や家族が:
* 「何キロになった?」と毎日聞く
* 「●㎏にならないと退院できない」(入院時)
* 食事の管理、カロリー計算をして提供する
病院側のルールは致し方ない部分もありますが、ご家庭でこのような環境を作ってしまうと、お嬢様はどう感じるでしょうか?
反発するどころか、心の奥底でこう思います。
「やっぱり世の中は『体重』がすべてなんだ」
「みんな私の心なんてどうでもいいんだ」
「体重しか見ていない」
皮肉なことに、拒食症を治そうという周りの必死さが、お嬢様の「体重こそが最も重要な価値基準である」という歪んだ認識を、強化してしまうのです。
2. 拒食症の「本当の原因」が隠されてしまう悪循環
周囲が「体重の監視役」になってしまうことのもう一つの弊害は、本質的な問題が見えなくなることです。
親子の会話が、
「食べた?」「食べてない」
「増えた?」「減った」
という管理と監視のやり取りばかりになっていませんか?
ご本人の意識も「どうやって体重をごまかすか」「どうやって管理から逃れるか」に固定されてしまいます。
その結果、
* なぜ、食べるのが怖くなったのか?
* なぜ、痩せることでしか自分を保てなかったのか?
本来向き合うべき「摂食障害になった根本的な原因(心の痛みや生きづらさ)」が置き去りにされ、さらに見えづらくなってしまうのです。
管理よりも、拒食症の原因をみていこう
身体の危険がある場合、医療的な介入はもちろん必要です。
しかし、家庭内においてお母様が「体重の看守」になってしまうことは、心理的な回復においては逆効果になることが多いのです。
「体重を管理すること」と「心を回復させること」は違います。
もし今、数字に一喜一憂してしまっているなら、少しだけ視点を変えてみてください。
「体重」を見るのではなく、その奥にある「拒食症の原因」を見ていきましょう(原因がわからない方へ)
「食べなさい」というコントロールを手放し、「あなたの辛さを分かりたい」という姿勢にシフトしたとき、初めてご本人の固く閉ざした心が動き出します。
拒食症のお嬢様にとって、体重や食事を管理すること(管理されること)は、ご家族が思う以上に「人格への攻撃」のように感じられることがあります。
まずは「管理」よりも「安心できる場所」を作ること。
そこから始めていきましょう。
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