摂食障害カウンセリング
中村綾子です。
摂食障害が長期化すると、いろんなデメリットがありますよね。
1番のデメリットは、摂食障害からの社会復帰の壁かもしれません。
今回のご質問をご紹介します。
*ブログ回答は、私の個人的な経験とカウンセリング方針に基づいています。
*全ての方に当てはまるとは限りませんので、予めご了承ください。
◆メルマガ読者さんからのご質問◆
綾子先生は何を生き甲斐にして、摂食障害を乗り越えましたか?
私はパートを目指して頑張っていましたが、体力がつかず、医師に止められています。
長期にわたっての療養に疲れてきて、体重も減少傾向、生きる気力を失いそうです。
ご質問をありがとうございます。
こうしたご質問は、これまでにも回答していますが、毎回、「う~~~ん」というリアクションをしてしまいます^^;;
理由は、「摂食障害の最中、生き甲斐なんて何も無かったから」です。
「生き甲斐」は無かったけれど、いろんな考え方の変化があったり、いろんな言葉に出会ってきました。
その中から、3つ取り上げます。
1.摂食障害からの気づき:「どーせ生きている」という考え方
なぜ生きているのか?と問われれば、「あの時、死ぬことが出来なかったから」と答えると思います。
不謹慎な表現かもしれません。
けれど、事実です。
何度も何度も、命を断とうとしました。
でも、その通りにはなりませんでした。
だから、生きていくしかない。
何度も繰り返しても、
やっぱり生きている。
だから、生きていくしかない。
中学生時代から(もしくは小学校のいじめられた時期から)、ずっとがむしゃらに生きてきました。
努力すれば、何でも手に入ると信じていました。
摂食障害になる前の私は、それなりに望んだ結果を手に入れてきたように思います。
けれど、がむしゃらに生きていくことで、心が疲弊していました。
がむしゃらに努力するほど、自分を追い込んでいる「何か」に気付こうともしませんでした。
必死
努力
頑張り
そんな言葉をイイ事として捉え続けていたけれど、心はどんどん苦しくなったのです。
摂食障害の治療もうまく行かず、
転院も10回繰り返した後、
私は、いつの間にか、こう気づいていきました。
どーせ生きているのだから
やりたいことをやって
言いたいことを言って
食べたい物を食べて
少しは笑っていきていきたい。
私は、そう思えるようになってから、生き方を変え始めたのかもしれません。
2.母の言葉:怒りから感謝へ
大学院を辞めた頃、母から繰り返し言われていた言葉があります。
「親はいつまでも元気で生きていないんだからね!」
痛烈な言葉だと思いました。
なんて親だと思いました。
私がこんなにツライのに、何も分かってくれない!と怒りました。
けれど・・
それこそが本物の愛情だったのです。
(追記:母は、2024年5月ガンで他界しました。74歳でした。)
自然の流れによって、普通、親は先にこの世を去る存在です。
親が、私をずっと養ってくれるはずがないのです。
もちろん、完全休養の時期、私は収入がゼロでした。
パン教室をやっていた時期も、親からのいろんな面でサポートしてもらっていました。
けれど、現実を突きつけられることが無ければ、私は、何年経っても、何歳になっても、真剣に治ろうと思わなかったのかもしれません。
▼やっぱり家族の接し方が、摂食障害の回復のカギ
今、摂食障害が治るには「生きがい」が必要だと思っている方へ
今、現実を見ていますか?
ご質問を送ってくださった方が、何歳なのか、私にはわかりませんが、摂食障害がかなり長期化している方が、世の中には多いことを肌で感じています。
自宅療養という名で、ずっと家にいませんか?
実家の家事をやることが、あなたのご家族にとっても「当たり前」になり過ぎていませんか?
そして、あなたは、あなたの人生をどうしますか?
厳しいようですが、回復には、ハッキリと言ってくれる人との出会いは、不可欠だと思っています。
それは、カウンセリングにお越しになるクライアント様でも同じです。
私は、あなたに社会の中で、「人材」として活躍して欲しい。
摂食障害だけで人生を終わらせて欲しくないのです。
3.鍼灸師さんとの出会い
摂食障害の症状は、それほどひどくない時期でしたが・・・全身の症状に悩まされていた時期があります。
いろんな病気の疑いがあり、大きな病院で検査ばかり受けて、ついには骨髄検査・・・と言われるほどに。
どうしても骨髄検査を避けたかったので、何としてでも症状を改善に向かわせなければ!という想いで必死になっていました。
その時、検索を重ね、鍼灸という方法に出会いました。
いろんな鍼灸の考え方があって、
いろんな鍼灸の先生がいて、
とてつもなく痛い鍼も経験して
鍼灸も転院を繰り返していました。
その中で出会った先生は、私とほぼ同い年でした。
その先生の言葉が、私の生き方の転換への1つのきっかけとなりました。
「楽しいことは、体の巡りを良くする」
それまでの私は、「努力」ばかりの人でした。
どんな場面でも「苦しんでこそ、成功がある」と本気で信じていました。
だから、身体が苦しい時は、苦しい治療ばかりなんだ・・・と気が滅入っていきました。
でも「楽しい」ことなら、やりたいかもしれない。
当時、体力がとてもとても低下していたので、体を起こしていられる時間が、1日3~4時間だったと思います。
その時間を利用して、パン作りを再開したのです。
パンをこねる作業。
粉からカタチになっていく感動。
それらが、私に「楽しい」を取り戻してくれました。
その後、「楽しい」は私の生き方そのものになっていきました。
どーせ生きているのだから、
楽しんだほうがいいじゃない^^
あなたも、そう思いませんか?
「楽しい」を見つけていくと
「楽しい」が心を元気にしてくれます。
そして回復していくと、ますます「楽しい」が増えていきます。
治る過程も、楽しいことなんですから^^
私の摂食障害が回復してきた道のりについて、もう少し詳しく知りたくなった方には、動画をオススメします。
▼回復ストーリーはこちら