摂食障害専門カウンセリング・中村綾子です。
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お嬢様の拒食症が深刻化し、入院治療を検討されているお母様へ。
私自身も拒食症の入院経験がありますので、経験者としての立場とカウンセラーとしての立場の両方から、解説していきます。
まず、拒食症の入院治療の1番の目的は
体重を増やすこと
です。
お母様方によっては、「入院すれば特別な治療があるのでは…」と期待される方もいらっしゃるようですし、過去の私自身もそう思っていました…。
しかし、全国各地にお住まいのクライアント様からの情報でも、ほとんどの場合「体重を増やす」ことが1番の治療になっているようです。
*稀にグループ療法(グループで話し合う)や栄養指導があるようです。ちなみに、私が入院した際は、自ら希望して栄養士さんとの面談を入れました。
拒食症の入院治療では、主に以下の3つの方法で体重を増やします:
1. 食事管理による体重増加
• 決められたカロリーの食事を時間内に完食
• 間食の可否は病院によって異なる
• 水分制限がある場合も(栄養剤のみ許可)
食べる場所は、食堂だったり、ベッド上だったり、病院や症状によりルールが異なります。
間食でとにかく摂取カロリーを増やすことを指示される場合もあれば、「1日3食の食事をしっかり」と指導される場合もあります。
水分制限は、私が拒食症の入院をした際、目撃した様子でした…。おそろしい…。
2. 経鼻栄養(鼻チューブ)
• 食事と併用するケースが多い
• チューブは「つけっぱなし」のため、身体的・精神的負担大
大抵の場合は、入院直後は食事だけで様子を見て、食べられなかった場合や基準の体重まで増えなかった場合などに、経鼻栄養が追加されるようです。
経鼻栄養がどうしてもイヤだから、入院すればスグ食べるようになる、でも退院すれば再び食べない…と繰り返す方も、少なからずいらっしゃるようです。
チューブは、基本的に「つけっぱなし」です。
食事中も
お風呂に入る時も
昼間、家族と面会する時も、です。
10代20代女子が、チューブを顔に貼り付けて、病棟をフツーに歩き回っている姿…。
私は今でも鮮明に覚えています…。
3. 中心静脈栄養
• 鎖骨下の太い血管から高カロリー液を投与
• 命に関わる危険な状態の場合のみ選択
一般的な腕からの点滴では、摂取できるカロリーが限られていると言われていますし、長期間つづけることが難しいようです。
そのため、埋め込む処置(麻酔あり)を行った上で、中心静脈栄養を行います。
ただし、リスクを伴う方法なので、
・主治医の考え
・低体重の重症度
・病院としての設備・看護体制
などを兼ね備えた場合のみ、実施される印象です。
ちなみに、中心静脈栄養を行っている期間は、入浴不可になるようです。
⇒【動画】摂食障害と入院~繰り返さないために家族ができること~
【拒食症よくある質問】入院すれば治るの?
入院はあくまで、一時的な「応急処置」と考えたほうがいいと思います。
命がキケンになるような低体重の場合は、入院して体重を増やすことが必要です。
しかし、拒食症は「心の病気」です。
• 強制的な体重増加により、退院後に逆にさらなる低体重につながることがあります。
• 退院後、「これまでの生活」を変えることが必要です。
• 根本的な拒食症の回復には、「摂食障害の原因」を見つけ、解決・改善にむけてのカウンセリングが不可欠です。
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