摂食障害をデータ化する

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

過食や過食嘔吐に悩む方にオススメの方法があります。

それは、症状をデータ化することです。

過食した日を記録して、
その前後の様子や気持ちも書き留めていく方法です。

●月●日

スゴイ過食。

学校行ったら、「ポッチャリしたね」と言われた。
すぐにでも話を聴いて欲しかったのに、
今日に限って、お母さんが不在。

それでイライラ爆発。
食べたらもっと太るのに・・・
そう思いながらもコンビニ行って、
すぐに全部食べちゃって、
またコンビニ走って・・・

何やっているんだろう、私。

こんなふうに書いていくことを、
何週間とか続けていきます。

ある程度溜まったら、振り返って、
自分の【傾向と対策】を見つけ出して行くのです。

これは私自身が過食の時、実際にやっていた方法です。

特に誰かから教えてもらったわけではありませんが、
とにかく書き殴っていました。

今、振り返ってみても、この方法はとても有効だったと思っています。

・主体的に治すことに取り組む
・客観的に自分の摂食障害を見る
・自分を責めるよりも冷静に考えられる・・・etc.

回復につながるイイことはいっぱいあるのです。

でも、こうした方法をカウンセリングでお勧めすると、
拒絶されることが多いです。

1番大きな理由は、

【現実を見たくないから】です。

また一時的に上手く行っても、
パタッと上手く行かなくなったり、

最初は意欲的に書いていたのに、
急に書かなくなったり書くこと自体が嫌になることが多いです。

さらに、ほぼ必ず起こり得る状態とは、以下の2つです。

(1)書きたくないから食べない・嘔吐しない

一見イイことのようですが、

「怒られるのが嫌だから勉強する子」の状態です。

自分の為ではなく、
「書くことが嫌だから」が嘔吐しない理由にすり替わってしまっています。

そもそも、何のために治るのか、なぜ治りたいと思うのか。
そこに立ち返ってほしいと思っています。

(2)直面することがツライ

コレ、とてもとても多いです。
かつての私自身とかなり異なることです。

見ること・知ることって、そんなにもイヤですか?
ホントのことに触れるって、そんなにも恐ろしいですか?

私は振り返って考えてみると、
「知りたい!」という好奇心だけはあったようです。

なぜ、過食嘔吐をやめようと思ってもやめられないのか、知りたい。

なぜ、むさぼるように菓子パンばかり詰め込むのか、知りたい。

なぜ、普通の「食べたいなぁ」ではなく、
過食衝動に突き動かされてしまうのか、知りたい。

意味不明だった自分の行動が、なぜ起こっているのか、解明していきたかったのです。

だから、日常的にいろんな気持ちや行動を書いていました。

書いていたというより、
なぐり書きでした。

考えても
考えても
考えても
分からなくて

でも、考えて、考えて、考えて、、、

そんな繰り返しでした。

分かりたい!
知りたい!

自分のことなのに自分で分からない。
止められない衝動のまま過食や過食嘔吐する自分がホントに嫌でした。

だから、当時の私にとって、知りたいから書き出すという、とても大切な時間だったと思います。

・・・

どんな病気にもデータは必要です。

貧血の人は定期的に血液検査をして、貧血の状態をチェックするはずです。

高血圧の人は、定期的に血圧を測定しているはずです。

摂食障害も同じ。

過食や過食嘔吐した日も、
同じく病気のデータなのです。

データがあるから、
傾向がわかります。

傾向が分かるから
対策が立てられます。

心の傾向と対策。

現実を見ると、これもダメじゃないと分かるはず!