「焦り」はダメですか?

2020/05/28修正

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

焦らせてはいけない
キズつけてはいけない
誉めて認めてあげないといけない・・・

こんなふうに考えているご家族はとても多いようです。
そして、「焦らなくていい」を勘違いしている摂食障害のご本人も多いようです。

「焦らなくていい」は、
何もしなくていいという意味ではありません。

「焦らなくていい」は、
ずっと摂食障害でいてもいいという意味でもありません。

「焦らなくていい」は、
あなたがキレるのが怖くて、
周りが言っている言葉かもしれません。

そして、「焦らなくていい」が
永久的につづくことは無いのです。


私は、摂食障害の回復途中で、焦ってパニックになる時期も、
必要なことだと思っています。

もう時間がない!
みんなは働いているのに!
いつか治ると思ったのに、全然治っていない!

はじめて直面する現実。

自分と周りの落差。
友達が当たり前に出来ていることが、
自分には出来ないという現実。
「いつか治る」に期待していた自分・・・

つまり、ずっとずっと見ることを避けてきた現実を
初めてみたからこそ、「焦り」が生まれるのです。

ホントは、ずーーっと前に、
その現実に気づいている必要があったのです。

人は誰しも、急に年を取ることはありません。
大きな予定は、大抵、どれだけか前から分かっています。
摂食障害を続ければ、心身にダメージがあることも、薄々は分かっていたはずです。


でも、見ていなかったのです。
もしくは、見ないように必死だったのです。

初めて直面するからこそ、
問題の大きさにおびえ

何年も直面してこなかったからこそ、
問題が複雑化しているのです。

けれど、ホントはずーーっと抱えて来た問題がそこにあるだけ。

焦って
パニックになって
さらに摂食障害の症状が出て
もっと自暴自棄になって

そういう時期だって回復には必要な経験かもしれません。
なぜなら、その問題は、あなたの問題だからです。

だからこそ、冒頭のような
「焦らせないように」「キズつけないように」という
考え方のクライアント様に、私は大きな危機感を抱きます。

・・・

私は初めてカナダに行く前、
「行ったら、英語がペラペラになる」と思っていました。

高校入学と同時に通い始めた英会話にも
真面目に通うことはありませんでした。

事前にやらなくても、
「行ったらペラペラ」と思い込んでいたのですから。

でも、現実はそんな甘くはありませんでした。

最初の1ヶ月の語学研修も終盤になった頃、
地元の高校に体験入学というイベントがありました。

そこで、愕然としたのです。

何も理解できなかったから。
それなのに、間もなく交換留学生としての生活が
本格的にスタートしてしまうから。

遅すぎる気づきでした。
だから、交換留学生になってから、授業に全くついていけず、
友達もいない生活に毎日泣いていました。


英語が出来ない自分
英語ができないと友達も出来ない現実

17歳の私にとって、辛すぎる現実でした。

でも、現実を見たからこそ、
英語習得に奮起していったのです。

もちろん、両親に金銭的な負担をお願いしてのことですが、
家庭教師に来てもらって、英語を学んでいきました。

・・・・

摂食障害の回復には、現実を見ることは不可欠だと思っています。

いつまでも現実から目をそらしたり
いつまでも現実をオブラートで包んだ関わり方をしてしまったり

そういうことが、摂食障害のさらなる長期化につながってしまうのではないでしょうか?

現実を見たことが、
スタートなのです。

スタートなのだから、
スタート地点に立てたことを喜んでください^^

スタートすれば、たくさん上手くいかない事があります。
スタートすれば、たくさん失敗を経験します。

でも、ずっとスタートしないより、
ずっと早くゴールにたどり着けるのではないでしょうか?

私もずっと現実を見てこなかったからこそ、
治ることに本気で取り組むまで、長い時間がかかりました。

本気で考えるようになってからも、
回復して仕事ができるようになるまで、
とても長い時間が必要でした。

その間、まわりに沢山の迷惑をかけてきたのです。
迷惑をかけてきた矛先は、やっぱり両親でした。

今の私が両親に想うこと。