摂食障害が治るとは、当たり前が当たり前になること

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

摂食障害が治ることが、
とても壮大に思える時こそ、
勘違いしやすいです。


治ることがスゴイことに思えてしまうのです。

確かに、
治るために膨大なエネルギーを費やし
治るために何年も普通の生活から離れた場合
治るなんて、自分にはムリ・・・と思ってしまう時、

治ることが特別な世界に思えるかもしれません。

けれど、摂食障害が治るとは、

当たり前のことが、
当たり前になるだけのことです。

お腹が空いたら食べて
お腹がいっぱいになったら食べ終わりで

毎日だいたい3食を摂って、
時には、スイーツを食べに行ったり
時には、食べ放題に行ったり

毎日だいたい同じ時間に起きて
学校や仕事に行って

気分がイイ日は、ワイワイ喋って
気分がイマイチな日は、どんよりして
時には、気分が落ち込んで・・・。

多くの人が当たり前にやっていることが、
あなたも当たり前にやるようになるだけです。

ただ、それだけ。

だから、当然、治ったからといって、
人生がバラ色になるわけではありません。
毎日毎日が楽しくて仕方がない日が続くわけでもありません。

当たり前の日々があるだけだから、
当たり前のように、いろんな悩みが沸くのです。

でも、摂食障害だけの時期と大きく違うことがあります。


それは、悩みの種類。

摂食障害の太る・太らない
食べる・食べない
運動する・しないという悩みは、

悩んでも悩んでも
考えても考えても
答えが出なくてグルグルしたり

考えれば考えるほど
頑なになってしまったり

「悩むこと」で、必ずしもプラスに向かわないことも多々あります。

けれど・・・

摂食障害が治った後の悩みは、
悩んだら悩んだ分だけ解決・改善に向かうものばかりです。

新しい仕事について
新しい人間関係に悩んだり

新しい場所に行こうと計画して
新しい場所に緊張したり

新しいことを始めようとする度に
不安も恐怖もどんどん沸いて
足がすくむような経験をしたり・・・

どれもこれも、
「太る」「食」「体型」「カロリー」とは無縁の悩みですよね。

これらが、ホントの悩みです。
悩むべき悩みなのです。

食の悩みから卒業するということは、
ホントの悩みが沸くということ。

それはそれで恐ろしいことかもしれないけれど、
それは、「生きていく」ということそのもの。

なぜなら、それが「当たり前」なのです。

過食・拒食の悩みはホントの悩みじゃないですから^^