摂食障害の家族の接し方:待つ・待ちすぎ、見守る・見放す

摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。

先日の勉強会。
友人からの【強制ではなく、後押し】があったからこそ、私も発表しよう!という気持ちになりました。
*その時の様子はこちら。

こうした【強制ではない、後押し】は、摂食障害の親子の関わりで、とてもとても大事なところです!

最近、連日のように新規カウンセリングを実施しています。

*最近はひまわりを飾っています^^

はじめてカウンセリングにお越しになる方は、
ドキドキかと思いますが・・・

はじめてお会いする私のほうも、
かなりドキドキしながらお待ちしています。

これまでの新規クライアント様にも共通して言えることですが、日々痛感すること。

それは

【待ちすぎ】

です。

どーして、こんなに長い期間、治療とつながらなかったんだろう。
どーして、「待つ」ことを勘違いしてしまったんだろう。
どーして、「いつか治る」とヘンな楽観視を続けてしまったんだろう。。。

そんなふうに感じることも少なくありません。
「待ち過ぎ」によって、私のカウンセリングではお役に立てないと判断することも少なくありません。

待つことと見守ることは、違います。
待つことと待ちすぎることも、違います。
見守ることと、見放すことも、違います。

ぜんぶ、違うのです!

待つとは、【人事尽して天命を待つ】です。
見守るとは、見守る側が安心して見守ることが出来る【知識】と【心のゆとり】が必要です。
待ちすぎを防ぐために【期限】が必要なのです。

まとめると、

(1)待つとは
(2)見守るとは
(3)待ち過ぎを防ぐコツ

(1)待つとは

ご家族が摂食障害のお嬢様の回復を「待つ」こと。
これは、何もせずにぼーーっとするこではありません。
同時に、「お任せ」にして遊びにいくことでもありません。

待つとは、「人事尽くして天命を待つ」ことです。

出来ることを、やりつくしていますか?
そもそも、ご家族が「やること」を分かっていますか?

まだまだ「分からないまま」の状態なのに、
「待つことがイイと聞いたから・・・」と勘違いしてしまうご家族が多いです。

分からないまま待つことは、
ホントの「待つ」ではなく、「放置」です。

分からないなら、分かるために行動を起こしてください。
その1つがカウンセリングなのです。

(2)見守るとは

私がよくお伝えする表現ですが・・・

「3メートル後ろから見ている感じ」

全体を眺める
でも、キケンな時は、ぜったいに止める!

「見守る」が出来ていれば、「知らなかったんです」という言葉は無くなります。
「見守る」が出来ていれば、どれくらい回復しているかどうかもちゃんと分かっていきます。
「見守る」が出来るようになるために、ご家族が正しい知識と心のゆとりが不可欠です。

(3)待ち過ぎを防ぐコツ

コレ・・・・本当に残念な状態です。

・いつか治るんじゃないか
・そのうち、本人が気づくんじゃないか
・ちょっと楽しいことすれば、「食べたい」「治りたい」と思うんじゃないか・・・

そんな状態のまま、気が付けば10年が経っていた・・・という方が少なくありません。

摂食障害の10年は、ホントあっという間です!!!

だからこそ、期限を区切ること。
今の治療法
今の「ひきこもり」生活
今の無職の生活・・・etc.

きちんと話し合いした上で、ご家族全員が納得できる「期限」を決めていきましょう。

話し合いとは、
誰かひとりが一方的に決めることでありません。

それぞれが意見を出し合うこと。
言いたいことを「ちゃんと」言うこと。
ダメなことは、ダメということ。

どんな病気にも言えることですが・・・
長期化すればするほど、治ることが難しくなります。
摂食障害の治療だけではなく、社会生活がさらに難しくなります。

だからこそ、1日も早く治ること。
1日も早く治るために、1日も早く変わること。

ご家族が出来ることも、実はたくさんあるのです。

・・・・

今回は、ご家族のかかわりとして「待つ・見守る・待ちすぎ・見放す」についてお届けしました。

摂食障害のお嬢様が治ることに積極的ではない時期でも、「強制ではない後押し」が、実は大きなチカラになるのです。

強迫運動でも、
きっちり計量しないと食べられない状態でも、
食事時間を厳守していることも、

辞めたいのに辞められない
辞めたら「治った」と勘違いされる不安
辞めたらいけない・・・と思い込んでいる・・・etc.

そんなふうに、実は誰かの「後押し」を求めている場合もあります。
「強制でなく後押し」。

そんな自然なかかわり方を身に着けていきませんか?