摂食障害専門カウンセリング
中村綾子です。
メルマガ読者さまからのご質問に回答しています。
注意:
ブログ上での回答は、こちらの判断で言葉を補ったり質問の内容を一部修正したりしていることをあらかじめご了承ください。
また全ての摂食障害の方に当てはまるとは限りませんことも、併せてご了承ください。
◆メルマガ読者さまからのご質問
娘(34歳)の過食嘔吐の件で相談させて頂きます。
高校1年より単身Nzに留学、この頃より過食が始まり現在に至っています。
最近1人暮らしをしたいと自分でアパートを見つけたのですが、はたして、母親として賛成していいものか非常に悩んでご相談させて頂きました。
私も摂食障害の真っ最中だった頃、ひとり暮らしをしたことがありますが・・・
それは大失敗でした。
また私自身の経験だけではなく、普段の摂食障害専門カウンセリングでお伝えしている内容なども併せて、今回のブログ記事でお届けいたします。
摂食障害の一人暮らしはNGです
最初に結論です。
私は、自らの経験からも多くのクライアント様とのカウンセリング経験からも、
摂食障害の一人暮らしには反対です。
理由はただ1つ。
キケンだから、です。
拒食・過食・過食嘔吐の中で、同じ年数・同じ体型であれば、私は過食嘔吐が1番キケンだと思っています。
キケンというのは、命のキケンです。
たくさん食べて
わざわざ吐く
という行為は、ふつうの人は一生のうちで1度もしないことです。
それを、過食嘔吐の方は、繰り返し繰り返し行っているのです。
私の命がキケンになった話。
すでにお読みいただいているでしょうか?
ぜひ、以下の記事を「自分事として」お読みください。
*過食嘔吐の命のキケン:私が大量吐血した日
大学病院に通院していても教えてくれなかったことですから、ぜひ事実として知っていただければと思います。
一人暮らしで悪化しやすい理由
一人暮らしになったら、家族から離れて自由になって、過食嘔吐なんてしなくなるんじゃないか・・・
そんなふうに思っている方が多いようです。
でも、多くの場合は、上手くいくのは最初だけです。
少しずつ、生活が「過食嘔吐のパターン」に戻ってしまいます。
・昼夜逆転しても、誰にも見られない
・部屋の中が散らかっていても、誰にも怒られない
・何時にコンビニに行っても、誰も気づかない
・毎日、パジャマ同然の恰好でも、誰も何も言わない・・・etc.
仕送りをしてもらって生活している場合でも、ふつうの食事としての食費がすべて過食代に消えてしまう・・・ということは少なくありません。
参考ブログ記事
過食代は治療費ではなく、食費でもない、「消えていくお金」です。
ご家族の接し方:シンプルに考えるコツ
摂食障害の接し方は、発熱や骨折の時と同じです。
発熱している時に、プールに行きたいと言ったら、行かせますか?
骨折している時に、マラソン大会に出たいと言ったら、賛成しますか?
きっと、答はすぐにお分かりになると思います。
上記の2つは、もちろん反対しますよね??
摂食障害の接し方が分からない・・・というご家族はとても多いです。
分からなくなった時こそ、シンプルに考えましょう。
それが、
・発熱
・骨折
・他の依存症
などに置き換えて考えてみることです。
摂食障害の最中に「やりたいこと」があることは、いいことかもしれません。
でも、「治ったら、やろうね」とか「治ってからの話だよね」と言葉を返すことも、ご家族の接し方として必要なことではないでしょうか?
回復に必要なのは、言いなりになることではありません。
摂食障害の回復に必要なご家族の在り方とは、毅然とした態度でダメなことはダメだと言い続ける一貫性です。
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今回ご質問くださった方のお嬢様は、高校1年生から34歳の現在まで、とても長い間摂食障害を患っているとのことですが・・・
同じように、摂食障害が長期化してしまうと、ご家族のほうが慣れてしまうことが多いようです。
ご家族が、フツーの感覚を取り戻し、フツーの接し方とは何か?が分かるようになること。
そのために、専門家の意見を取り入れていくことは、治るためのきっかけになると思います。
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