摂食障害に行動療法は効果的か?カウンセリングで実践していること


摂食障害専門カウンセラー中村綾子です。

国家資格・公認心理師を持つ唯一の摂食障害専門カウンセラーです。

行動療法、知っていますか?
名前くらい聞いたことがある…という方も多いかもしれません。

拒食症の入院治療でよくあるのが、

体重が●kgになったら、外出OK
体重が●kgになったら、外泊OK
体重が●kgになったら、退院…etc.

といったように、目標体重を決めて、段階的に挙げていく(その度に許可されるものが増える)方法です。

***注意***

私は行動療法だけに特化して学んだことはありませんが、一般的な心理学で学ぶような行動療法については知識を身に付けています。

特にブログ上でのご紹介は、かなりざっくりした説明になることをご了承ください。

*********

上記のように、入院治療では体重を増やすことについて行動療法が取り入れられる場合が多いです。

これは摂食障害のご本人様がしっかり納得して行われればいいかと思いますが…実際のところ「入院したら、体重を増やすようにいきなり言われた!」という印象になりがちです(><)

私自身も、拒食症で入院した際には、

・いつの間にか、体重が達しないと退院できないと決められている
・体重が減るから…という理由で、外泊はダメで外出しか許可されない…

という経験をしています。

結果…、私の入院治療はぜんぜん上手くいきませんでした(くわしくはプロフィール記事へ)。

こうした経験から、私がカウンセラーとして開業したばかりの頃は、行動療法についてあまり積極的ではなく、むしろ「心が穏やかになれば、自然に変わっていくもの」という考え方でした。

しかし…

行動療法には大切なこと2つがあり、それらがクリアできれば、大きな変化をもたらす有効な方法ではないかと考えるようになりました。

では、私が考える摂食障害の行動療法で大切な2つのことについて、お届けします。

公認心理師・中村綾子
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摂食障害カウンセリング:行動療法で大切な2つのこと


繰り返しになりますが、私が摂食障害専門カウンセリングで行っているものは、かなりざっくりとした行動療法です。

このブログでも同様に、あくまで私イチ個人のカウンセラーが考える範囲で、行動療法についてお届けしています。

(1)克服したい!という高いモチベーション

(2)段階を決めるのは、一緒に話し合いながら行う

実際にカウンセリングで行っていると、(2)の時間そのものが、意外な効果を生み出している印象があります。もちろんいい意味で、です。

では、それぞれに詳しくご紹介します。

(1)克服したい!という高いモチベーション

摂食障害について行動療法を取り入れる場合、高いモチベーションがホントに大切です。

私自身が、入院した際に上手くいかなかったのも、当時の私は体重を増やすことに全然同意していなかったからです。

・克服したいことについてのモチベーション
・毎日取り組むためのモチベーション

この両方が必要です。

私の摂食障害専門カウンセリングで、体重についての行動療法を行ったことはありませんが、体重を例にとるなら

・体重を●kgにしたいというモチベーション
・体重を増やすために毎日取り組むモチベーション

という2つが必要になります。

(2)段階を決めるのは、一緒に話し合いながら行う

摂食障害専門カウンセリングで行動療法を取り入れているといっても、全員に行っているわけではありませんし、何よりもタイミングが大切だと考えます。

つまり…

初回カウンセリングで、いきなり「行動療法をやろう」なんて切り出してもほぼ100%上手くいかないと思うのです。

やはり私の中には、クライアント様のココロが変わって、自発的に行動が変わるほうがスムーズだと信じていますから。

でも、

・行動がなかなか変わらない
・クライアント様が望む「治りたい期限」まで、時間が迫っている
・もっと積極的に毎日取り組みたい

といった場合、はじめて行動療法の話題を出しています。

前置きが長くなりましたが、行動療法の段階も、カウンセラー側が一方的に決めるのではなく、カウンセリング時間で話し合いながら決めていきます。

スタンダードなやり方としては、恐怖や克服したいことを10段階に設定するので、

すごく怖い・イヤーーーーーちょっと怖い・イヤーーーーーーー怖い・イヤ

といった感じで、クライアント様自身が感じている恐怖の対象を教えてもらいつつ

「コレと、どっちのほうが嫌?」
「●●と▲だと、どっちのほうがツライの?」
「さっきの▲▲は、こういう意味かな?」

といった質問を繰り返して、何度も確認しながら10段階を決めていきます。

こうした10段階を決めるための話し合いをしている時、大抵のクライアント様はなぜかとっても嬉しそうです^^

私のほうも、これまで断片的にお聞きしていた「怖いと感じていること」「イヤなこと」が、こうした順番だったのだと改めて教えてもらうえる機会になっています。

10段階ならべる作業を通して、クライアント様の悩みに少しは近づいていけたような、そんな感覚があります。

同時に、クライアント様自身も、「これまでツライと思ってきたこと」を「1つ1つ丁寧に聴いてもらえた経験」につながっているんじゃないかなぁと感じています。

行動療法を開始する時のお約束

実際の10段階に取り組むのは、おうちです。
カウンセリング時間以外の取り組みですから、やはりクライアント様の高いモチベーションが必要になります。

そこで、私は2つのお約束をお伝えしています。


◆お約束(その1)

「やろう!」とは、してね。

*できないかもしれなくても、とりあえず決めたことに取り組んでみてほしいと思っています。

◆お約束(その2)

ウソはつかないでね。

私も摂食障害の経験者です。やろうと思っても出来ないことや、他のストレス・ハプニングで、モチベーションが下がることも、急に怖くなることも経験しています。

「できなかった」というご報告でも、私が怒ることはぜったいに無いから、ウソはつかずに報告してくださいね、とお伝えしています。

出来なかった場合には、10段階をもう少し細かく分けるとか、その他のストレスについて話う合うとか、考えることはできますから^^

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