摂食障害カウンセリング
中村綾子です。
「生きていたくない」
「生きているのがツライ」
「生きていても、何もいいとなんて無い」
これらは、私が摂食障害真っ最中の頃、かなり頻繁に言っていた言葉です。
同時に、主治医にも家族にも理解されなかった言葉でもあります。
今回のご質問をご紹介します。
*2018年現在は、メール上でのご質問受付を実施しておりません。あらかじめご了承ください。
◆メルマガ読者さんからのご質問◆中3の娘のことで相談です。
「太るのが怖い」と、過食したり食べなかったり、一学期途中から学校も休んでいます。
私としては、今まで頑張りやでいい子だっただけに、責めることも言ってないし、本人が何か言ってきたら、マッサージしながら聞いたり…
娘は、「しんどい、しんどい」ばかり言います。
「しんどい、しんどい」という気持ちがよく理解できません。
娘を信じようと思うけど、良くなるのかなあと思ってしまいます。
*ブログでは、一般論と私の経験談の範囲で回答させていただきます。
ご質問をありがとうございます。
とてもとてもよくある心境です。
まずは、何も言わない状況よりも
「しんどい」とクチに出せる状況はずっといい状態ですから、
受け止め方・考え方を大切にしていきましょう^^
1.「頑張り屋でいい子」に疑問を持ってきましたか?
摂食障害を発症する多くの子に、同じようなパターンがあります。
・反抗期がない
・学級委員・児童会・生徒会での活躍が当たり前
・クラスみんなに優しい
・争い事がキライ
・勉強・スポーツの成績など、努力で手に入れてきたものが多い
特に気になるのが、「反抗期がない」です。
ずっといい子だったから
ずっと何でも言うことを聞く子だったから
このまま育っていくんじゃないか・・・
ご家族はそんなふうに思い込んでしまっていませんでしたか?
反抗期とは健全は発達です。
だからこそ、「あるはず」のものが「ない」こと自体、問題なのです。
「いい子」で居続けるお嬢様を、
どんな気持ちで見ていましたか?
なぜ、反抗しないのか
なぜ、反発しないのか
なぜ、口論にならないのか・・・etc.
お母様自身は、そんなふうに疑問を抱いて、考えてきたのでしょうか?
今からでも遅くありません。
なぜ、「いい子」で居続けてしまったのか、
その理由を1つ1つ振り返りながら考えていきましょう。
いい子でいなければいけなかった理由が、そこにはあるはずです。
いい子を辞める不安、何だったんでしょうね。。。
2.言う・言わないより、心と空気
お母様の中には、「言っていない」というお気持ちなんですよね。
それはそれでOKです。
ですが・・・
お嬢様が「どう感じているか」は、別です。
摂食障害に悩む方、全員に言えることですが、
とても感じやすい気質を持っています。
カンタンに言えば、
「普通の人の100倍感じやすい」と考えていただいても
間違いではないと思っています。
お母様が、「言っていない」ばかりにこだわってしまうと、
「言った」「言っていない」だけを確かめる行為が始まってしまうかもしれません。
お母様が、「言った」「言っていない」にこだわり続けると、
摂食障害独特の0か100か思考に、同じようにハマってしまうのかもしれません。
ざっくり言えば、
「言った」か、「言っていないか」は、どっちでもいいんです。
あんまり重要なことではありません。
大切なのは、
お嬢様の心が、なんらかで困っている状態にあること。
そのために、お母様が出来ることは、
ご自身の考え方・心を変えること。
そして、ご家族全体が出来ることは、
家の中の空気を変えることです。
心地いい状態って、どんなふうだろう?
言いたいことを言ってもいいって、
どんな時に思えるだろう?
家の中が穏やかになる時って、
どんなふうだろう?
家の中で、1番安らげる場所ってどこだろう?
お母様自身が、こんな問いかけを続けてみてください。
決して、今すぐ答えが出なくても、
ダメじゃないから、続けることだけを心がけてみてくださいね^^
3.「しんどい」か分からない時に出来ること
お嬢様が言い続ける「しんどい」。
きっと、お母様にとっては、
耳障りのいい言葉ではないことでしょう。
けれど、言うことを許してあげてください。
もしかしたら、「しんどい」と言葉に出すだけでも、
しんどさが緩和しているかもしれません。
「しんどい」という事で、
何かを伝えようとしているのかもしれません。
だから、お母様にとっては受け入れ難い言葉であっても、
聴きつづけることに意味があるのです。
そして、「しんどい」理由を考えていくことが大事ですが、
理由が分からない段階でも、できることがあります。
(1)「今、しんどい状態なんだ」と理解する
(2)立ち止まることを許す
(3)治ることを心から信じる
(1)「今、しんどい状態なんだ」と理解する
これは、頭で理解していただければOKです。
仮に、原因不明で発熱しているとします。
原因が分からないからといって、
「しんどくないでしょ!」なんて、言いませんよね。
言うなら「熱があって、しんどいね」ですよね??
これは、摂食障害の娘さんの「しんどい」でも同じです。
心が発熱している状態ですから^^
娘さんが「しんどい」と言ってきたら、
「今はしんどい状態」と理解する。
それだけを続けてほしいなぁと思います。
(2)立ち止まることを許す
「しんどい」から立ち止まる必要があります。
もしかしたら、「しんどい」と言わなければ、
立ち止まってはいけないと思い込んでいるのかもしれません。
発熱したら、無理やり登校しないのと同じです。
「しんどい」のだから、たっぷり休ませてあげましょう^^
(3)治ることを心から信じる
「感じやすさ100倍」とお伝えしている通り、
お母様の心の揺れは、すべて伝わっています。
逆に言えば、お母様が治ることを信じられるようになれば、
娘さんも安心して自分と向き合えるのです。
私自身の摂食障害は約7年でした。
でも、最初の5年は、いつも他力本願で
自分で治そうとしていなかったと思います。
それでも、ちゃんと治ったのです。
そして、クライアント様にも、10年くらい
悩んでいた末に、卒業されていった方が何人もいらっしゃいます。
摂食障害は、ちゃんと治るんです。
私は、「治ることが当たり前」。
これを社会に広めていきたいと思っています。
お母様も、今は信じられなくて、先が見えなくて
不安でいっぱいかと思いますが・・・
どうか、信じていきましょう^^
未来は明るいのですから。
お母様がひとりで抱えている不安や疑問を話してみませんか?
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